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フランス音楽 印象派  ラヴェルとドビュッシー

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お薦めのラヴェル弾き

直接ラヴェルに師事をした事で有名なペルルミュテール氏。現代のフランス音楽の教科書的存在、パルカル・ロジェ氏。フォーレ弾きで有名で、素晴らしい夜のガスパールも披露している生粋のフランス弾きジャン・フィリップ・コラール氏。ミケランジェリ氏のライヴ録音の夜のガスパールも美しく繊細な音で最高です。ジーナ・バックァウアー氏の、同じく夜のガスパールの詩の朗読つきというめずらしいCDがありますが、オンディーヌが女性ならではの柔らかさでとても素晴らしい演奏です。そして何といっても永遠の鬼才、サンソン・フランソワ氏。彼のオンディーヌを「絶対」聴いてください。胸をえぐられ、涙が止まらなくなり、立ち上がれなくなります。本当です!!


優雅で感傷的なワルツ


ラ・ヴァルス


ソナチネ


亡き王女のためのパヴァーヌ


2012年8月22日に生誕150年を迎えるフランス印象派の作曲家ドビュッシー。ピアノ曲〈月の光〉や〈亜麻色の髪の乙女〉、歌曲〈美しい夕暮れ〉など、情景が目に浮かぶようなメロディと響きが特徴的な彼の作品は、幅広く親しまれています

今年はドビュッシー生誕150年ということで、世界中いろいろなコンサートで彼の作品が演奏されることでしょう。ドビュッシーは、自分がフランス人だということにたいへんこだわりと誇りを持っていた人で、彼の最晩年の作品であるフルートとヴィオラとハープのためのソナタの表紙には自分の名前とともにフランス人音楽家とわざわざ書きました。また、彼のお墓の墓碑銘までクロード・ドビュッシー フランス人音楽家となっているそうです。しかし、彼の音楽上の功績は当時の音楽家達に衝撃を与え、現在に至るまで大きな影響力をフランスのみならず世界の音楽界に与えるものでしたから、生誕150年が世界中で注目されるのは当然のことですね。というわけで、私たちも今年はフルートでドビュッシーに挑戦してみたい、と思うのは人情というものです。

さて、ドビュッシーがフルートのために作った曲というと皆さん、何が思い浮かびますか?そうそう、無伴奏フルートのための「シランクス」、先程挙げた「フルートとヴィオラとハープのためのソナタ」、それからこれはオーケストラ曲ですが、フルートの魅力的なソロから始まる 「牧神の午後への前奏曲」ぐらいでしょうか。あと、「ビリティスの歌」というフルート2本を含んだ室内楽曲がありますが…。うーん、それにしても少ない…。フルートの曲がこれだけしかないということは、ムッシュードビュッシーはフルートをあまり好きではなかったんだろうか?いいえ、違います。フルート はドビュッシーにとってたいへん重要な楽器であり特別の感情を注ぎ込んだ楽器でした。例えば牧神、この曲はドビュッシーがそれまでの音楽を打ち壊し、彼独 自の音楽上の語法をついに確立した記念すべき作品でした。その曲の主役がフルートです。不安定なドのシャープから始まる冒頭のソロの音色の素晴らしさ!フルートの魅力を知り尽くした作曲家のみが書ける曲ではないでしょうか。そして、フルートとヴィオラとハープのためのソナタはドビュッシー最晩年の作品で、 死期を悟った彼が最後に作曲した3曲のソナタのうちの一曲であり、数ある管楽器の中からフルートが選ばれています。また、シランクスはこの曲の出現によって無伴奏フルートの世界が一変してしまった、といわれるほどの画期的な作品です。フルートはドビュッシーの音楽にとって欠かすことのできない重要な位置を 占める楽器だったのです。とは言え、いくら名曲でも今年一年、この3曲だけを吹き続けるのはちょっときびしいですね。それで今回はドビュッシーのピアノ曲を、フルートとピアノ伴奏で演奏することを考えてみましょう。

ピアノはドビュッシーにとって最も身近な楽器であり、ドビュッシーに教えを受けた フランスの女流大ピアニスト マルグリット・ロンによれば、彼のピアニストとしての腕前は素晴らしいものであったということです。その繊細な絹のようなタッチと陰翳のある奥深い音色は 彼の曲を弾く時いかんなく発揮されました。そんなドビュッシーの数あるピアノ曲でどれがフルートに合うでしょうか。まず最初に思い浮かんだのは、ピアノ連弾の為に1888-89年に作曲された「小組曲」です。これをドビュッシーの友人であった作曲家アンリ・ビュッセールがオーケストラのために編曲している のですが、第一曲目「小舟にて」は皆さんよくご存知かもしれません。その編曲では、のびのびとした美しいメロディーをフルートが受け持っており、素晴らしい効果をあげています。さらにこの「小組曲」から「メヌエット」も可愛い素敵な曲です。次に、「ベルガマスク組曲」 から 「月の光」もいいですね。ドビュッシーはいつも自然の中から音を聴き取ろうとしていました。そしてフルートは自然界と人間をつなぐ楽器といわれています。「月の光」を表現するのにフルート はまさにうってつけの楽器ではないでしょうか。

また、フルートを題材にしたピアノ曲があります。例えば1908年作曲の有名な「子供の領分」 から 「小さな 羊飼い」。これは羊飼いの少年が木陰でひと休みしながら自分で作った笛を吹いている情景が目に浮かぶ曲です。そして、1914年作曲のピアノ連弾の為の 「6つの古代墓碑銘」 から 「夏の風の神、パンに祈るために」はいかがでしょうか。パンとはもちろん、あのフルートを吹く牧神のことです。これらフルートにかかわりのあるピアノ曲もフルートで吹いてみたいと思います。最後に、発表会などで吹いたらよさそうな曲を2曲ご紹介します。まずは、前奏曲集第一巻の8曲目 「亜麻色の髪の乙女」。様々な楽器に編曲されて親しまれていますが、ドビュッシー独特の五音音階とハーモニーが魅力的で、フルートの音色の変化が楽しめる曲です。そしてもうひとつは、「ロマンティックなワルツ」です。 ロマンティックというと、美しく、甘いメロディーを想像しますが、この曲はメロディーよりも効果的な休符を伴った溜め息のようなリズムが特徴です。いかに もメロディー偏重の音楽とは一線を画したドビュッシーらしいロマンティックを表現していて、「古き良きフランス」という感じでおすすめです。

ドビュッシー生誕150周年!
印象派絵画のような美しい響きの数々……ドビュッシー・ベストの決定盤!



01. 小舟にて(《小組曲》から)
ウェルナー・ハース、ノエル・リー(ピアノ)

02. アラベスク 第1番
パスカル・ロジェ(ピアノ)

03. アラベスク 第2番
パスカル・ロジェ(ピアノ)

04. 夢
パスカル・ロジェ(ピアノ)

05. 月の光(《ベルガマスク組曲》から)
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

06. パスピエ(《ベルガマスク組曲》から)
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

07. トッカータ(《ピアノのために》から)
ゾルタン・コチシュ(ピアノ)

08. 塔(《版画》から)
ゾルタン・コチシュ(ピアノ)

09. 喜びの島
ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

10. 水の反映(《映像》第1集から)
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

11. 象の子守唄(《子供の領分》から)
パスカル・ロジェ(ピアノ)

12. ゴリウォーグのケークウォーク(《子供の領分》から)
パスカル・ロジェ(ピアノ)

13. 小さな黒人
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

14. デルフィの舞姫(《前奏曲集》第1巻 から)
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

15. 亜麻色の髪の乙女(《前奏曲集》第1巻 から)
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

16. 花火(《前奏曲集》第2巻 から)
クラウディオ・アラウ(ピアノ)



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