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ヴァイオリニストの夢と音楽家の志の高さ

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川久保賜紀は日本に住んだことがまったくないにもかかわらず、とても日本的な性格の持ち主である。アメリカで生まれ育ち、ライフスタイルは本人いわく、「すべてがアメリカ風」だそうだが、礼儀正しく、こまやかな心遣いをし、繊細さを持ち合わせている。15歳までジュリアード音楽院で学び、16歳でドイツのザハール・ブロン教授のもとに移った。14歳のときに聴いたマキシム・ヴェンゲーロフのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に魅せられ、その先生に教えを受けたいと願ったからだ。

「ブロン先生は、自分にきびしくならないとダメだということを教えてくれました。どんなに辛くても、練習をやめたら自分を甘やかすことになる。最初はものすごく大変でしたけど、先生の“やればできる”ということばで自分を奮い立たせるようになりました」

 コンクールのときは自分を落ち着かせること、音楽に集中することを優先したという。
川久保賜紀の夢は、ヴェンゲーロフのような深さのある音楽を奏でること、アンネ・ゾフィー・ムターのようないろんな色が出せるヴァイオリニストになること。

 彼女の演奏はおおらかさと繊細さが入り混じった情感豊かな音が特徴。聴衆にじっくりと語りかけてくるヴァイオリンである。

2010年、樫本大進はベルリン・フィルの第1コンサートマスターに就任し、以後サイモン・ラトルをはじめとする偉大な指揮者のもとで演奏し、自身の音楽をひたすら磨き上げている。

 その樫本がいまウクライナ出身のピアニスト、コンスタンチン・リフシッツとコンビを組み、日本でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏のシリーズを開催している。これは2010年12月にスタートし、まずベートーヴェンの若いころの明るい曲想を持つ第1番、樫本がデビュー録音に取り上げた思い出深い第5番「春」、円熟した時代に書かれた奥深い第10番が組まれた。

 次いで今年3月の2回目には、第2番、第6番、第7番、第8番が選ばれた。作品30の第6番から第8番はロシア皇帝アレクサンドル2世に献呈されたもので、第6番はイ長調で書かれ、叙情的で簡潔な主題を特徴とする。

 第7番は有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれた時期に作曲された作品で、全編に緊迫感があふれ、特にピアノ・パートが充実。それに呼応するヴァイオリンとの濃密な音の対話が聴きどころで、人気の高い曲となっている。

 第8番は自然の情景を表したような美しさを備え、さわやかで明るい作風となっている。

 この作品30の前にモーツァルトの映画「アマデウス」で広く知られるところとなった、アントニオ・サリエリに捧げられたイ長調の第2番を置き、同調の第6番へとつなげるこだわりの選曲となった。

 そしてシリーズ最後の第3回は、2013年1月19日から2月2日まで全国10公演が予定され、プログラムは第3番、第4番、そしてベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの最高峰といわれる第9番「クロイツェル」が演奏されることになっている。

 実は、樫本とリフシッツは、この「クロイツェル」で出会った。

「コンスタンチンとぼくとの出会いは10年前。日本のコンサートで《クロイツェル》を弾き、初共演を果たしました。そのときに彼のピアノを聴き、天才的な響きと奥深い表現、年齢を超えた熟成した音楽に心が震えるような感動を味わったのです。あのときの熱い思いは生涯忘れることができないでしょうね。そのときに意気投合し、“いつかふたりでベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を演奏したいね”と話し合ったのです」

 以後、各地で何度か共演を重ねたが、具体的な話は出なかった。そして10年の年月が過ぎ、樫本はベルリン・フィルのコンサートマスターという重責なポジションに就きながらソロと室内楽も行うようになり、リフシッツは幼いころから弾き続けているJ.S.バッハをはじめとする作品で国際的な評価を獲得するようになり、指揮活動もスタートさせた。

「お互いに人生経験を積み、さまざまな場で演奏し、コンスタンチンもぼくもようやく機が熟したと感じ、出会いから10年たった時点でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏に踏み切ったのです。いろんな経験をするなかでベートーヴェンの偉大な作品とどう対峙するかをふたりでじっくりと考え、話し合い、練習を重ねてきました」

 樫本は小さなことにこだわらないおおらかな性格で、責任感が強く、リーダーシップがある。それがそのまま演奏に反映され、明るくのびやかで豊かに歌う弦の響きが特徴。一方、リフシッツのピアノは繊細で内省的、思慮深く、神秘的で狂気的な意味合いも秘めている。性格も控えめで物静かだが、ジョークの達人でもある。そのふたりが共演すると、お互いのいい面を吸収し、さらに補足しながら高い頂を目指して一気に駆け上がっていくような刺激的な音楽が生まれる。

 彼らは今夏、スイスの美しい景勝地でこのソナタの第1弾の録音を行っている。作品30の第6番〜第8番で、ベートーヴェンが作品に託した多彩な感情を浮き彫りにするように劇的に情熱的に演奏。丁々発止の音の対話を繰り広げ、個性と個性のぶつかりあいを楽しむような、みずみずしく斬新なベートーヴェンを聴かせている。

 リフシッツは作品30をこう分析する。

「ぼくにはこれらのソナタは3幕の芝居のように思えます。それぞれ異なった表情と内容と奏法を持っている3つの物語がそこにはある。この3作を続けて演奏することにより、ベートーヴェンの至高の世界を味わうことができます。ベートーヴェンはロマンあふれる旋律を書いたかと思うと、一転して深い闇や苦悩を描き出す。まるで芝居を見ているようです。それも上質で、人の心を一瞬にしてとらえてしまう極上の芝居。それを大進のヴァイオリンとともに表現できるのは無上の喜び。ベートーヴェンの魂に近づきたいですね」

 黄金のコンビによるこのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ。2013年に全曲リリースが予定されている。

弱音の美しい印象的な奏法とユニークな性格で人気急上昇のピアニスト、ダヴィッド・フレイ配信日:2011年12月28日 | 配信テーマ:クラシック 
 インタビューで出会うアーティストの多くは音楽に生涯を賭け、日々研鑽を積み、一途に音楽に没頭している。その語り口も真摯で、ときに抽象的な表現も含め、自身の演奏論をひたむきに展開していく。

 もちろん話のなかにはジョークもはさまれ、真面目な面だけでなく、温かな人間性を感じさせる面も多々登場してくる。

 しかし、1981年生まれのフランスのピアニスト、ダヴィッド・フレイほど愉快な話しかたをする人は少ないのではないだろうか。彼は一生懸命自分の音楽の取り組みかたに関してことばを尽くして話してくれるのだが、そこにはなんとも不思議な空気がただよい、つい笑い出したくなってしまう。

 容姿端麗で美しいフランス語を話し、ピアノに命を賭けているといい、別に冗談をいっているわけではないのに、なんとなくおかしい。すべての話がユニークな性格から発しているからか、笑いを誘う。

 フレイは4歳でピアノを始め、パリ国立高等音楽院でジャック・ルヴィエに師事した。国際コンクールには2度参加しており、そのひとつが2003年の第5回浜松国際ピアノコンクールで、奨励賞を受賞。翌年には、モントリオール国際音楽コンクールで第2位とカナダ作品の最優秀賞を受賞している。

「コンクールには向いていないんだ。ぼくの演奏は審査員には支持されないみたい。その事実に早い時期に気付き、別の方法で自分の演奏を広げていく形をとった。ぼくは子どものころからすごくませていて、両親はとても苦労したみたい。扱いにくい子だったんだよ」

 人のいうことを素直に聞く子どもではなく、ピアノも指で弾くものではなく頭で弾くものだと考え、自己流で練習を積み重ねていたという。だが、成長するにつれ、偉大な作品と向き合うことが楽しくなり、作品の奥に潜むものを探求し、作曲家の意図に近づくことがたまらなく興味深く感じ、プロのピアニストを目指した。

「でも、ピアニストというのは過酷な仕事なんだよね。作品は膨大な数が存在するし、練習は日々何時間も行わなくてはならない。偉大な作曲家にはどうやったって勝てない。ぼくは天才ではないから、無意識に何でも弾けてしまう人とは異なり、ひたすら作品に近づく努力をしなければならない。だけど、あきらめずに練習を続けることで、作曲家に対していつも敗者だと感じている自分が、いつの日か勝者に値する演奏ができると感じる瞬間が訪れることだってある。その瞬間がうれしくて、ピアニストを続けているようなもんさ(笑)」

 こうした話をするフレイは、実に雄弁だ。手振り見まねを加え、顔の表情も幾重にも変えながら、俳優のように、まるで芝居を演じているように滔々と話す。もっとも印象的だったのは、次のひとこと。

「ひとつの作品を長年に渡って必死で練習し、ようやく自分の手の内に入ったなという感触をつかみ、すごくうれしくなったとするでしょ。でも、次の日になったら、まだ階段の一番下にいると感じさせられるんだ。偉大な作品に近づくのはそれだけ難しいということ」

 フレイはJ.S.バッハから現代の作品まで幅広いレパートリーをもち、ピエール・ブーレーズの作品も得意としている。2006年にはブーレーズの推薦によってドイツのルール音楽祭に参加し、新人賞を受賞した。

 新譜のモーツァルトの「ピアノ協奏曲第22番、第25番」では、ライナーノーツも執筆。

 ただし、文を書くのはもうやめるそうだ。

「これからは演奏だけに集中するよ。文を書くのって、ものすごく大変で時間がかかるし。ぼくはいろんな本を読むけど、これまで本当に尊敬する文を書くと感じた人はたった3人。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーとグレン・グールドとチャールズ・ローゼン。いまはプルーストの本を読んでいるんだ」

 このモーツァルトは、愉悦の表情と泣き笑いの顔と内に秘めた情熱が垣間見られる聴きごたえのある演奏。響きはみずみずしく透明でクリア。シンプルで洗練されたピアニズムだ。11月の来日時にはパーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団との共演でラヴェルのピアノ協奏曲を演奏。長年弾き込んで手の内に入った深い表現力を存分に披露した。

「ラヴェルのコンチェルトは古典的な語法のなかにジャスの要素や多面的な表現、多彩な色彩が含まれ、タッチの種類を幾重にも変化させていくおもしろさがある。ドライなタッチ、流麗なタッチなど、弦楽器のボウイングを変えていくような感覚。明るいトーンの裏側に悲劇性が潜み、黒々とした影があってそれが化粧によって隠されているんだけど、最後のクライマックスでそのマスクが落ちるんだ。たまらなく魅力的な作品だよね」

 今後の課題はたくさんあるが、まずはベートーヴェンの「ハンマークラヴィア・ソナタ」にじっくり取り組みたいという。尊敬するピアニストはヴィルヘルム・ケンプ。ケンプといえば、ベートーヴェンの解釈者として定評がある。その話を始めたら、またもや口がなめらかになりそうだ


ドビュッシー生誕150年のメモリアルイヤーに登場したラファウ・ブレハッチ、ナタリー・デセイ、小川典子の記念のディスク配信日:2012年4月5日 | 配信テーマ:クラシック 
『ドビュッシー:ピアノ曲全集』を完成させた小川典子  今年は、色彩感豊かな新しい響きをもつ作品を数多く生み出し、20世紀の扉を開いたといわれるフランスのクロード・ドビュッシー(1862〜1918)の生誕150年にあたるメモリアルイヤー。これを記念し、多くの音楽家がドビュッシーの作品を演奏会のプログラムに組んだり、録音を行ったりしている。

 最近の注目盤をあげてみると、まず2005年のショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者、ポーランド出身のラファウ・ブレハッチの「ドビュッシー:ピアノのために/版画/喜びの島 シマノフスキ:前奏曲とフーガ嬰ハ短調/ソナタ ハ短調」(ユニバーサル)が印象深い。

 ブレハッチはショパンを演奏するときにも決して大音響で演奏したり鍵盤を強くたたくことはせず、繊細で透明感に満ちた音色で作品の美質を描き出すが、このドビュッシーでも透徹した響き、浮遊するような音の質感、絵画的な多彩な色彩感、詩的な解釈で作品の内奥へと迫っていく。

 このアルバムを聴き、ブレハッチの音色、表現力、音楽性がこれほどまでドビュッシーに合うことに新鮮な驚きを覚えた。各々の作品が実に自然で清涼で純粋に紡がれ、ひとつひとつの音が胸の奥にじんわりと染み込んでくる。なんと幸せなひとときだろうか。

 ブレハッチはこのCDに、子どものころから愛してやまない祖国のカロル・シマノフスキの作品を組み合わせている。こちらは霊感に満ち、静謐で平穏で内省的な奏法。全体が高貴な香りを放っている。

 特筆すべきは最後のドビュッシー「月の光」。ブレハッチの献辞が記されているのでそれを紹介したい。「このドビュッシーの《月の光》の演奏を、2011年3月に貴国を襲い、悲劇的な結果をもたらした自然災害に直面した方々との心からの結束と深い同情のしるしとして、とりわけ私のピアノを聴いてくださる日本の皆さんに捧げます」

 この演奏はまさに涙がこぼれそうになるほどの美しさ。ブレハッチの真摯で純粋な性格が音からストレートに伝わってくる。

 次は、来日公演のたびに、新譜をリリースするたびに、聴き手を感動の渦に巻き込むフランスのソプラノ、ナタリー・デセイの新譜。彼女が完成させたのは「ドビュッシー歌曲集《月の光》」(EMI)。これはデセイの初めてのフランス歌曲の録音で、共演のピアニスト、フィリップ・カサールの勧めによる。

 カサールはドビュッシーの独自の解釈で知られ、作曲家の若い時代の歌曲4曲の手書き楽譜を見つけた。彼はデセイが主演したドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」を見て、ドビュッシーの若き時代の繊細な歌曲を歌えるのは彼女以外にいないと確信、今回の録音にこぎつけた。

 デセイはその期待に応えるべく、完璧な歌唱と表現を駆使し、繊細なニュアンスを備えた躍動感あふれる歌声を遺憾なく発揮。世界初録音の4曲ではドビュッシーが若い時代に好んだ書法を見事に浮き彫りにし、生き生きと喜びをもって歌い上げている。

 カサールの研究心と、デセイを選んでくれたことに感謝したい気持ちでいっぱいだ。

 最後は、長年ドビュッシーを愛し、弾き続け、拠点とするイギリスでも高い評価を得ている小川典子の入魂作、「ドビュッシー:ピアノ曲全集」(BIS キングインターナショナル)。彼女が10年という年月をかけて完成させたドビュッシーのピアノ作品の全集で、これまで少しずつリリースし、ようやく6枚組という全集がまとまった。

 小川典子は1987年秋のリーズ国際ピアノ・コンクールで入賞を果たしてから、イギリスに居を定め、北欧最大のレーベルBISと契約し、一歩一歩自分の道を探求してきた。そしていまや、イギリスのピアノ界にはなくてはならない存在にまでなった。これまでことばでは表現できないほどの苦難にも遭遇し、そのつど乗り越え、音楽を深めてきた。

 そんな彼女が完成させたドビュッシーは、これまでの歩みが凝縮した重量級のアルバム。特に、ドビュッシーがパリ音楽院時代に課題であったフーガ5篇を作曲したものも収録。これは世界初録音である。初期の「幻想曲」も貴重な録音で、小川典子の明快で前向きな精神が鮮やかに描き出されている。

 珍しい作品や、演奏される機会に恵まれない作品に出合えるのもメモリアルイヤーならでは。ドビュッシーの真髄に触れる思いだ。



配信日:2012年7月19日 | 配信テーマ:クラシック 
(c)樋崎香  ドビュッシー生誕150年の今年、ダン・タイ・ソンが6月の来日公演でオール・ドビュッシー・プログラムのリサイタルを各地で行った。

 彼は1980年の第10回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝以来、ショパンのスペシャリストのように思われているが、昔からドビュッシーを愛し、さまざまな作品を弾き続けている。

「私は長い間ずっと《ショパン弾き》だと思われてきました。世界各地で、つねに求められるのはショパン。特に日本では、ショパン以外のプログラムを提示すると、認められない時期が長かったのです」 

 彼は「自分はショパン以外の作品も弾くことができる」「ほかの作品を弾きたいんだ」といい続けたが、却下され、悩んでいた時期があった。それを打破するには自分が勉強するしかないと考え、ゆっくりとレパートリーを広げ、それらを確実に自分のものにするべく努力を重ねてきた。

 そして徐々にショパンに加えて他の作曲家の作品がプログラムに組まれるようになり、ついにドビュッシー・イヤーの今年、この作曲家だけの作品で一夜のプロを構成した。

「長い年月がかかりました。でも、今回はショパン以外のひとりの作曲家の作品でリサイタルをすることができ、自信をもつことができました。みなさんの反応もよく、本当に安心しました」

 ダン・タイ・ソンのドビュッシーは、磨き抜かれたテクニックと鮮やかな絵画的な色彩感、繊細で詩的な響きが味わえるもので、深い洞察力に富んだ演奏だった。

 彼は1989年にドビュッシーの「前奏曲集第1集」と「版画」を録音している(ビクター)。それが今回の来日に合わせてリマスタリングされ、より美しくピュアな音質になって蘇った。

「ドビュッシーは、まずその空間を感じ取らなくてはなりません。ぼくにとって、ドビュッシーは三次元の音楽のように感じられます。その空間を作り出すためにはペダルが大切な役目を果たすことになります。音色の効果を上げるために用いるわけですから。このテクニックは複雑で、しっかり踏み込むフルペダルもあれば、バイブレーションを起こすように使うバイブレーティングペダルの方法もある。こまかく震えているように使うわけです」

 ドビュッシーの作品が内包する微妙なニュアンス、ウイットとユーモア、そしてえもいわれぬエスプリ。これらフランス作品特有の表情を絶妙のタッチで聴かせるダン・タイ・ソン。その秘密はペダルの使用にあったわけだ。

 彼のもうひとつの特徴は、上半身が微動だにせず、美しく凛とした姿勢を保ち続けること。昔は上体がぐらぐら動いていたため、ペダルを踏む足もそれに影響されて動いてしまったが、時間をかけてこれらを修正し、現在のような安定感のある姿勢になった。

 そこから生まれ出る音楽は、聴き手の心の奥深い部分にストレートに響き、作品のすばらしさを存分に味わわせてくれる。 



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