2023.11.25(土)
初冬の笹山〜笊ヶ岳テン泊縦走⛺
北は天気が悪いので、直前に行先を南に変更。 友達が笊ヶ岳と笹山を提案し、私がぽろっと雪がなかったら縦走出来るねと言った。 私としては、もう雪があるから難しいねの意図だったが、友達は南はまだ雪が少ないから行けるねととってしまったらしく、どんどん具体的に話が進む。 レポ見た感じそこまで難しいルートではなさそうで、雪も上はあるがそこまで多くなさそうということで決行となった、アルプスではもう初冬の11月最終週。 元々2日で4000m40kmをテント背負って歩くという、無雪期でもハードな南アルプスのマイナールートをこの時期に歩くという意味を、後で思い知ることになる。雨畑の老平駐車場に車を1台デポした後、奈良田駐車場へ移動し、スタート。 笹山までは破線だが、夏季に歩いたことがあり、道は意外と分かりやすく、ピンテもある。 ただ、眺望もない樹林の急登をもくもくと2000m登る、根性のルート。 雪がないところは、体力的にはキツイものの、特に問題なし。 2000mほどから登山道上にも雪が出てきて、2200mほどからほぼ雪が繋がったが、まさかのトレースがあった。 思ったより雪があるが、一人分でもあると全然違う。 雪も固くなく、ツボのまま登っていき、山頂まであと一息というところで、先行者さんに追いついた。 日帰りで笹山ピストン予定とのことで、トレースのお礼を言って先行する。 笹山手前は雪が深くて膝上まであったが、ずぼずぼ沈みながらもまもなく笹山南峰に到着。 ここは周囲が木に囲まれていてテント泊にはいいが、眺望は今一つ。 一方、少し先の北峰は、富士山や目指す笊ヶ岳、荒川三山、塩見岳、白峰三山が見渡せる絶好の眺望スポット。 風は多少あるが予報よりは弱く、絶景を楽しむことが出来た。 先行者さんは下山され、ここから先はトレースは期待出来ない。 先頭を交代しながら進んで行くが、稜線上は景色はよく雪は少ないものの、樹林は雪が増え、膝上な所もしばしば。 思ったよりある雪にペースが上がらず体力も使うが、2200mほどまで降りると雪も減り、このままほとんどなくなるのでは?と期待した。 奈良田越から先は林道になり歩きやすいと思っていたら、崩落箇所が多い。 特に、この日の終盤にあった所は崩落が激しかった。 途中までトラバースして行ってみたが、先は危険。読み込んできた軌跡は尾根上を巻いてるみたいで、一旦戻って巻くことにする。 トレースもあったので崩落手前で左の樹林に入ったが、そこもあまりよくないトラバースで、トレースも迷ったものらしく途中で消えた。 上を見ると登れそうだったので、先行して枝を掴みツボのまま雪を蹴りこんで、ほぼ直登で尾根に強引に登って見ると、尾根上にしっかりした踏み跡があった。 確実に取りつきは間違ってるが、なんとか崩落を巻くことが出来た。 後でレポを確認すると、巻いてる人とそのまま突っ切った人と両方いた。 今後崩落が進むと、難度が上がるルートかもしれない。 日が短くなって暗くなってしまったが、その後大きな林道崩落もなく、18時頃伝付峠に到着。 水場の水も出ていて、Uさんお手製の美味しい夕飯を食べ、思ったより雪あって時間かかったねと反省しつつ、就寝。 二人でテントをシェアしたので夜は寒くなく眠れたが、朝はテントが凍り付いていた。 二日目は昨日とは違って固めの雪でトラバースが多い道だったので、出発早々チェーンを装着。 天上小屋山までは、ツボだと危ないトラバースが時々あるものの、斜度は比較的緩やか。 生木割山を過ぎ、崩落地のちょっと先でピンテとトレースに惑わされて一回ルートを外れたが、GPSを確認して修正。 笊が近くなると雪も増えたが、生木割山から先はトレースがあった。 一旦下った後、結構急な斜面をひーひーしながら登り返して、ようやく笊ヶ岳に到着した。
渡渉は緊張したが、なんとか渡渉点を見つけられた。 そこから沢沿いに降りていき、林道になる。 これで楽勝とならないのが、南アルプスの林道。 崩落箇所や、壊れかけの橋、凄く揺れる梯子や吊り橋とまだまだ続く障害物競走。 道がコンクリートになるとかなり歩きやすくなり、なんとか駐車場にたどり着いた時には本当にほっとした。 その後、帰りの運転で力尽き、家にたどり着いたのは午前5時だった、、、。 Uさんの足首は骨は大丈夫で、捻挫ということでした。 初冬の笹山~笊ヶ岳縦走。 思ったよりあった雪や崩落した林道、雪や倒木で分かりにくくなった道、そして終盤で落ち葉で隠れた石による同行者の負傷、、、中々の試練続きで、情報の少ない南アルプスのマイナールートをこの時期に歩くことの大変さを思い知りました。 しかし、笹山や笊ヶ岳山頂からの南アルプスの名峰たちの雄大さは感動的で、富士山もとても美しかったです。 特に笊ヶ岳山頂からの景色は、大変だっただけに格別。 雪を纏ったアルプスの山々はやっぱり素晴らしい、でも安全は忘れずに、改めて思った山行でした。 後になって気が付きましたか、私も友達も、これで山梨四天王踏破でした✨
2023.10.07(土) 11:43先に、この右手に写っている1mくらいの岩の段差があり、手前で上に乗り上げるのが正規のルートだったと思う。 足場もあり手も使って登れば、特に難しくないように見えた。 しかし荷物が重かったこともあり、小柄なYさんが巻けないかと上に登らず先に少し進み、二番手だった私に上に登った方がいいかな?と聞いてきたので、上だと思うよと答えた瞬間。 Yさんは足元の苔生した岩にうっすら雪が乗っている傾斜のある岩で足を滑らせ、バランスを崩して転倒、横倒しになって、そのままごろごろ転がりながら斜面の下に落ちていった。2mほど後ろにいたがどうすることも出来ず、茫然と見ている間もYさんは転がり続け、やがて藪で見えなくなってしまった。 数秒後に滑落だと理解し、足が震えてきた。 私が見ていただけでも10m近く落ちて、その先がどうなったかも分からず、最悪の事態が頭を過る。 レスキューって110?119?などと散らかる思考を押さえつけながら、祈るような気持ちで大声でYさ~ん、大丈夫~?と声をかける。Yさんが落ちていったこの写真でMさんがいる所の先は急で藪もあり、降りるのは危ない。 私たちも落ちて二重遭難は最悪なので、Mさんはそこで、私は一段上で声をかけながらYさんが自力で登ってくるのを待つことになった。 その間に確認すると、スマホの電波は通じず(au)。 時間感覚が狂っていたと思うが、おそらく10分ほどで登ってきてほっとしたが、右顔面は流血で真っ赤。ただ、受け答えはしっかりしていて意識は清明、特に動かしにくいところや痛いところもないとのことだった。 血も端は固まりかけていて、今凄く出ているわけではなさそう。 傷の確認と洗浄のため、ペットボトルの水で洗い流してガーゼでふき取ると、こめかみ上が2-3cmほど切れていたが、血はわずかににじむ程度だった。 大判の傷パッドを貼ると、下に流れることもなくなった。 他に目立った傷はなく、本人も歩けるとのことで、彼女を真ん中にして下山開始。 途中の展望台で電波が繋がり、テント予約してあった、頂上宿舎に事情を伝えキャンセル。 Yさんの頑張りで、14 : 35 の糸魚川行きのバスにぎりぎり間に合った。最寄りの救急外来を受診し、こめかみの傷は2 針医療用のホッチキスでとめられたが、脳内は大丈夫とのことでほっとした。 今回の事故は季節外れの雪が誘因になったものの、予報外ではなく、防ぐことが出来なかったわけではないと思います。 雪が降った時点で装備だけでなく計画そのものをしっかり見直さなかったこと、滑りやすい足場でストックを使ったままで手で確保してなかったこと、防寒着等で荷物が重くなりバランスを崩しやすかったこと等反省する点は多いと皆で話し合いました。 今回このような事故になりつつも軽症で済んたことに感謝し、今後安全に登るための糧としたいと思います。