原発事故が強いる過酷な希望
2013年07月13日 [原発]
米国は、原発輸出というリスクの多い取り引きを、日本にやらせるつもりだ。
なぜ米国が前面に出てやらないかというと、リスクがあまりにも大きいからである。
それは原発事故が起きた場合の損害賠償だけではない。何千年、何万年にわたって、当事国のみならず近隣国の環境汚染を引き起こし、民族的な恨みを買うことになるからだ。
しかも原発から出る高放射性核廃棄物は、最低でも数千年間、理想的には25万年間、安全に保管し続けなければならない。わずか30〜40年で駄目になる原子炉の廃炉技術は、世界のどの国も未経験の領域だ。
世界に売って歩く安倍晋三の姿は笑われているのであり、それをトップセールスなどと囃す日本のマスメディアもバカなのである。
原発事故が起きた場合の悲惨さ。福島原発の死者は、関連死として扱わねばならないように思われる。原子力村の圧力がかかっていて、インフルエンザの死者のようには、病院も医者も学者も正直に発表しない。
しかも現場作業員の人集めには、闇社会が関与している。そのため体調を崩して辞めた作業員の追跡調査ができない。どこの誰とも知れぬ者が闇社会に集められて、福島を去った後に、どこでいつ死んだかもわからない。これは東電にも政府にも都合がいいのである。賠償や補償、保険と無縁な人間による現場作業。これほど東電や政府にありがたいものはないのである。
『福島民報』(2013年6月23日付け)が「放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に」と題して、次のように報じている。
「東京電力福島第一原発事故を受けた県の県民健康管理調査の検討委員会は5日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。
2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったとする結果が報告され、新たに就任した星北斗座長(県医師会常任理事)は会議後の記者会見で「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示した。
星座長は、チェルノブイリ原発事故に起因するとみられる甲状腺がんが見つかったのは事故の4〜5年後以降だったとして、「放射線の影響があるものだとは思っていない」と述べた。
会見には調査主体の福島医大の鈴木真一教授が同席し「(甲状腺がんやその疑いが複数見つかっているのは)検査機器が高性能になり、検査対象も広いためではないか」との考えを示した。
一方、「放射線とがんとの因果関係の知見を得るには、時間をかけて調査を継続し、結果を積み重ねていくことが大事」とも語った。
会議では、1次検査で一定の大きさ以上のしこりが見つかり2次検査を受けた子どもの診断結果が報告された。
平成23年度の検査で甲状腺がんと確定したのは7人、疑いは4人で、計11人の年齢は13〜19歳。24年度は確定が5人、疑いが11人で、計16人は11〜20歳だった。
県は、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたことが、確定と疑いが増えた要因の一つとみている」
(引用終わり)
紹介したのは、ここに原子力村に犯された現代日本の病巣が露出しているからだ。
2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったにもかかわらず、星北斗座長(県医師会常任理事)は、「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示す。
どうしても福島の子供の甲状腺がんと、放射線との因果関係を認めない。そのミッションをおびて座長に就いたのであろう。
星座長が、チェルノブイリ原発事故との比較に及び、チェルノブイリで甲状腺がんが見つかったのは事故の4〜5年後以降だった、福島はまだ3年目だとして、放射線の影響を否定する根拠にしたのには驚かされる。
都合の悪いことにはチェルノブイリを無視する。チェルノブイリを持ち出したほうが都合が良い、と判断したことには、比較に及ぶ。鈴木真一のいうように検査機器が高性能になり、より早く発見できるようになったと考えれば、学者としてはその良心にかけて危険性を訴えて、福島の子供たちの避難・移住を訴えるべきなのである。
県が、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたために、確定と疑いが増えた、とするのも、どうしても放射線との因果関係を認めたくない、非人間的な精神が露出しているのである。
このように、わが国の既得権益支配層は、まずポートフォリオ重視の物語から出発する。
小沢有罪も物語なら、アホノミクスも物語である。きたるべき参議院選挙の自民党圧勝も物語なのだ。原発事故も物語なのであり、日本の原発技術が世界一というのも、その日本の原発事故で病人も死者も出ていないというのも物語なのである。
B層には物語が有効なのであり、B層は、選挙では物語に沿って自民党に投票する。かくして官僚と米国が胸をなで降ろす、というパターンが繰り返される。
『東京新聞』が「原発関連死789人」を伝えたのは、今年の3月11日であった。既得権益支配層にとってはそういうデータはどうでもいいのである。「嘘も100回繰り返せば真実になる」(ヨゼフ・ゲッペルス)のであり、植民地の奴隷などは、どうせ死ぬのだから、「食べて応援」(被曝して応援、死んで応援)させればいいのである。そのためのありがたいお札が「絆」の物語なのだ。これは極東ホロコーストにおける、死なばもろとも、の「絆」なのである。
さしあたってこれから襲ってくるのは、東京安全神話、物語の崩壊である。しかしこれは東京の地価の崩壊を意味し、国家のデフォルトにつながるので、最後まで政府は物語を死守するだろう。
おそらく遷都はないか、あっても亡国の後に、日本に帰化し、権力を握った米系日本人によってなされるだろう。その頃は日本の既得権益支配層は、ほとんど外国に避難・移住し、漂泊の民になっているだろう。
さて、選挙が近づいてきた。
既得権益支配層にとって悩ましいのは、先の衆議院選挙のように第3極騒ぎをやらかし、その中心に橋下徹を持ってきて、小沢一郎(消費税増税反対、脱原発、 TPP参加反対)を潰すことができなくなったことだ。
橋下徹と張り合えるスターは山本太郎しかいない。ところが山本は、正直者で、橋下のようなクセ玉は投げない。投げる球は剛速球であり、「基本政策」として、「被曝させない TPP入らない 飢えさせない」と身も蓋もない。しかも「本当のことを言って何か不都合でも?」と毒を効かせていて、橋下徹のような偽物とはステージが違っている。
国民は橋下徹の日本維新の会が第二自民党であり、自民党安倍派であることを見破ってきた。橋下は勘違いしているが、慎太郎と一緒になったとき、幸運の女神を手放したのである。慎太郎の影響を受ければ受けるほど、これからも橋下は国民に嫌われてゆくだろう。
公明党は、消費税増税に賛成したように、最後は憲法改悪にも賛成する。一部の政治評論家が連立のなかでの公明党のブレーキ役に期待しているが、幻想にすぎない。
公明党は、自民党の本質的なアクセル役なのである。これは憲法改悪に最終的に賛成することで証明されよう。
みんなの党は、 TPP参加賛成が物語るように、ある意味では自民党以上に純化された対米隷属の政党である。米国にとって理想の政権は、みんなの党による単独政権である。もし参議院選挙後にみんなの党が自民党と連立政権を組めば、安倍晋三による日本の植民地政策は、より純化され徹底化されるであろう。
2013年07月13日 [原発]
米国は、原発輸出というリスクの多い取り引きを、日本にやらせるつもりだ。
なぜ米国が前面に出てやらないかというと、リスクがあまりにも大きいからである。
それは原発事故が起きた場合の損害賠償だけではない。何千年、何万年にわたって、当事国のみならず近隣国の環境汚染を引き起こし、民族的な恨みを買うことになるからだ。
しかも原発から出る高放射性核廃棄物は、最低でも数千年間、理想的には25万年間、安全に保管し続けなければならない。わずか30〜40年で駄目になる原子炉の廃炉技術は、世界のどの国も未経験の領域だ。
世界に売って歩く安倍晋三の姿は笑われているのであり、それをトップセールスなどと囃す日本のマスメディアもバカなのである。
原発事故が起きた場合の悲惨さ。福島原発の死者は、関連死として扱わねばならないように思われる。原子力村の圧力がかかっていて、インフルエンザの死者のようには、病院も医者も学者も正直に発表しない。
しかも現場作業員の人集めには、闇社会が関与している。そのため体調を崩して辞めた作業員の追跡調査ができない。どこの誰とも知れぬ者が闇社会に集められて、福島を去った後に、どこでいつ死んだかもわからない。これは東電にも政府にも都合がいいのである。賠償や補償、保険と無縁な人間による現場作業。これほど東電や政府にありがたいものはないのである。
『福島民報』(2013年6月23日付け)が「放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に」と題して、次のように報じている。
「東京電力福島第一原発事故を受けた県の県民健康管理調査の検討委員会は5日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。
2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったとする結果が報告され、新たに就任した星北斗座長(県医師会常任理事)は会議後の記者会見で「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示した。
星座長は、チェルノブイリ原発事故に起因するとみられる甲状腺がんが見つかったのは事故の4〜5年後以降だったとして、「放射線の影響があるものだとは思っていない」と述べた。
会見には調査主体の福島医大の鈴木真一教授が同席し「(甲状腺がんやその疑いが複数見つかっているのは)検査機器が高性能になり、検査対象も広いためではないか」との考えを示した。
一方、「放射線とがんとの因果関係の知見を得るには、時間をかけて調査を継続し、結果を積み重ねていくことが大事」とも語った。
会議では、1次検査で一定の大きさ以上のしこりが見つかり2次検査を受けた子どもの診断結果が報告された。
平成23年度の検査で甲状腺がんと確定したのは7人、疑いは4人で、計11人の年齢は13〜19歳。24年度は確定が5人、疑いが11人で、計16人は11〜20歳だった。
県は、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたことが、確定と疑いが増えた要因の一つとみている」
(引用終わり)
紹介したのは、ここに原子力村に犯された現代日本の病巣が露出しているからだ。
2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったにもかかわらず、星北斗座長(県医師会常任理事)は、「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示す。
どうしても福島の子供の甲状腺がんと、放射線との因果関係を認めない。そのミッションをおびて座長に就いたのであろう。
星座長が、チェルノブイリ原発事故との比較に及び、チェルノブイリで甲状腺がんが見つかったのは事故の4〜5年後以降だった、福島はまだ3年目だとして、放射線の影響を否定する根拠にしたのには驚かされる。
都合の悪いことにはチェルノブイリを無視する。チェルノブイリを持ち出したほうが都合が良い、と判断したことには、比較に及ぶ。鈴木真一のいうように検査機器が高性能になり、より早く発見できるようになったと考えれば、学者としてはその良心にかけて危険性を訴えて、福島の子供たちの避難・移住を訴えるべきなのである。
県が、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたために、確定と疑いが増えた、とするのも、どうしても放射線との因果関係を認めたくない、非人間的な精神が露出しているのである。
このように、わが国の既得権益支配層は、まずポートフォリオ重視の物語から出発する。
小沢有罪も物語なら、アホノミクスも物語である。きたるべき参議院選挙の自民党圧勝も物語なのだ。原発事故も物語なのであり、日本の原発技術が世界一というのも、その日本の原発事故で病人も死者も出ていないというのも物語なのである。
B層には物語が有効なのであり、B層は、選挙では物語に沿って自民党に投票する。かくして官僚と米国が胸をなで降ろす、というパターンが繰り返される。
『東京新聞』が「原発関連死789人」を伝えたのは、今年の3月11日であった。既得権益支配層にとってはそういうデータはどうでもいいのである。「嘘も100回繰り返せば真実になる」(ヨゼフ・ゲッペルス)のであり、植民地の奴隷などは、どうせ死ぬのだから、「食べて応援」(被曝して応援、死んで応援)させればいいのである。そのためのありがたいお札が「絆」の物語なのだ。これは極東ホロコーストにおける、死なばもろとも、の「絆」なのである。
さしあたってこれから襲ってくるのは、東京安全神話、物語の崩壊である。しかしこれは東京の地価の崩壊を意味し、国家のデフォルトにつながるので、最後まで政府は物語を死守するだろう。
おそらく遷都はないか、あっても亡国の後に、日本に帰化し、権力を握った米系日本人によってなされるだろう。その頃は日本の既得権益支配層は、ほとんど外国に避難・移住し、漂泊の民になっているだろう。
さて、選挙が近づいてきた。
既得権益支配層にとって悩ましいのは、先の衆議院選挙のように第3極騒ぎをやらかし、その中心に橋下徹を持ってきて、小沢一郎(消費税増税反対、脱原発、 TPP参加反対)を潰すことができなくなったことだ。
橋下徹と張り合えるスターは山本太郎しかいない。ところが山本は、正直者で、橋下のようなクセ玉は投げない。投げる球は剛速球であり、「基本政策」として、「被曝させない TPP入らない 飢えさせない」と身も蓋もない。しかも「本当のことを言って何か不都合でも?」と毒を効かせていて、橋下徹のような偽物とはステージが違っている。
国民は橋下徹の日本維新の会が第二自民党であり、自民党安倍派であることを見破ってきた。橋下は勘違いしているが、慎太郎と一緒になったとき、幸運の女神を手放したのである。慎太郎の影響を受ければ受けるほど、これからも橋下は国民に嫌われてゆくだろう。
公明党は、消費税増税に賛成したように、最後は憲法改悪にも賛成する。一部の政治評論家が連立のなかでの公明党のブレーキ役に期待しているが、幻想にすぎない。
公明党は、自民党の本質的なアクセル役なのである。これは憲法改悪に最終的に賛成することで証明されよう。
みんなの党は、 TPP参加賛成が物語るように、ある意味では自民党以上に純化された対米隷属の政党である。米国にとって理想の政権は、みんなの党による単独政権である。もし参議院選挙後にみんなの党が自民党と連立政権を組めば、安倍晋三による日本の植民地政策は、より純化され徹底化されるであろう。