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Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
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どんな『家』に生まれ落ちるかによって、人生が左右されるような社会

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岸信介は安保政策全面協力の見返りに巣鴨拘置所から開放され多額の資金援助。佐藤栄作は米軍沖縄基地の日本国民からの血税運営化を実現、見返りに、ノーベル平和賞が贈呈。さて、今度は、ご主人サマからの見返りに、安倍晋三は何がいただけるのか。

日本がTPP交渉に途中から参加し、今や米国より熱心な推進者になっている理由は、世界の多極化が進む中で、何とかして自国を米国の傘下に置き続けたいからだ。TPPは、米国の多国籍企業が日本の生産者を壊滅させつつ日本市場に入り込むことに道を開く。日本経済を米企業の餌食にする体制がTPPだが、日本の権力である官僚機構にとっては、米政府に影響力を持つ米企業が日本で経済利権をむさぼり続けられる構図を作った方が、米国に日本を支配し続けたいと思わせられ、官僚が日本の権力を握り続ける対米従属の構図を維持できるので好都合だ。

高齢化社会対策ももちろん必要だが、日本は貧困家庭の子どもという存在をあまりに軽視してはいないだろうか。
「日本では政府が関わる施策や政策によって、貧困でなかった子どもまでもが貧困に陥ってしまって」いるのだ。

収入のみに基づく再分配前の貧困率よりも、政府による再分配後の子どもの貧困率のほうが高いという驚きのデータまである。

また、各国の社会保障費の額とその割合をみると、先進国の中で日本の「家族」に対する社会保障費は他国と比べてかなり小さく、一方で高齢者の社会保障費はその10倍程度大きい。少子高齢化という日本固有の問題も、子どもの貧困を促進する一因となっているようだ。

また貧困状態にある日本の子どもたちが、たとえなんとか小学校に上がったとしても、その後高水準の教育を受けたり、将来そこから抜け出せるのかといわれると、それは非常に困難でもある。なぜなら日本は「最も大学に行きにくい国」だからだと著者は指摘している。かつては安さが魅力だった国立大の学費が30年前の14倍にも上がった。貧困家庭の子どもは家族のために国公立大学に行くことが多いが、この授業料の高騰は痛い。

「公的な援助が少なく、家族が子育て費用の大半を負担してきた社会的構造が培ってしまったのではないかと思っています。つまりは乳幼児期から子どもが自立するまで、少なくとも経済的側面では政府や行政の支援には頼れない。ならば、親を中心とした家族でやるしかない。子どもの貧困の研究者たちがいう『家族依存』的な社会経済構造です。」
「極端に言えば、どんな『家』に生まれ落ちるかによって、子ども・若者の将来や人生が左右されるような社会を是認することにならないでしょうか」

このままでは貧困の連鎖は止まらない。現在の日本は、貧困家庭の子どもが自力で未来を切り開くことすら困難なのだ。高齢化社会対策ももちろん必要だが、日本は貧困家庭の子どもという存在をあまりに軽視してはいないだろうか。将来的には国を支えることになる子どもたちの貧困を、見て見ぬふりしているようでは日本に未来はないだろう。



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