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ラヴェル一色になった一週間

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2014/1/12(日) 15:00開演
ロジェ・ムラロ(ピアノ) ラヴェル ピアノ作品全曲演奏
特別協賛:株式会社 安藤・間

ロジェ・ムラロ
©Alix Laveau

ロジェ・ムラロ(ピアノ)


ラヴェル: 亡き王女のためのパヴァーヌ
ソナチネ
ハイドンの名によるメヌエット
クープランの墓
プレリュード
夜のガスパール
水の戯れ

グロテスクなセレナード
古風なメヌエット
ボロディン風に
シャブリエ風に
高雅にして感傷的なワルツ
ラ・ヴァルス


ラヴェルの作品による演奏会の模様です。ものすごく変なショパンを弾く、まともなラヴェル弾きピアニストという認識でいたのですが、番組冒頭のインタビューで理由がわかりました。
インタビュー内容は、ラヴェルの音楽に関するウンチクです。

いちいち「おっしゃるとおりでございます。そのとおりでございます」と言いたくなりました。すばらしい。以下列挙。
音楽の作りが非常に古典的。形式を重視している。
古典的とは、言葉のようなニュアンスで書かれているということ。この部分をかっちりと表現するのが重要。
アーティキュレーションの重要性です。これは私も聴き比べの時に採点要素にしました。
ラヴェルの心の奥の様子が描かれる。
表面的な感情を描いた音楽ではないのです。
演奏においては、もちろん技術的な難しさもあるが、以上のような要因を念頭に置くべきである。
つまり、ショパンやドビュッシーのように、自分の感情をこめて表現してはいけない。
ショパンだってラヴェルのように弾くべきだと思うんですけど、この人はショパンには私情をこめまくりということで、あんな演奏になったんですね。わかります。本当にありがとうございました。
放映された曲目は、ハイドンの名によるメヌエット、クープラン追悼曲、夜のガスパールでした。上記のようなことを細部まで心がけた演奏が悪いわけがないのです。ハイドンのメヌエットの最初のフレーズ「シ〜ラ」と、それに呼応する左手のアーティキュレーションや音色が絶妙に素晴らしく、開始2秒で早々にノックアウトされました。

動いている本人を見たのは初めてなんですけど、身長がデカい、手がデカい、指がめちゃくちゃ長い、ガタイがいい、フェロモン過剰超イケメンなオッサンでした。足が長すぎて鍵盤の下に収まらないみたいですw
あと、手を丸めた垂直打鍵をしていたのが印象的。指を伸ばすと、鍵盤のふたにぶつかってしまうのだと思います。垂直打鍵なのにとても繊細なタッチで、多彩な音色を奏でていました。グリッサンドも、きちんとコントロールして音色を作り出すのね。すごいわ〜。


2008年に結成されたvn:川久保賜紀、vc:遠藤真理、p:三浦友理枝の若手美女ピアノ・トリ オによる演奏会。カシマシ・トリオとかピンカラ・トリオとか、グループ名を何かつければいいのに。ただ3人の名前の後にトリオと表記しであるだけだ。これでは親しみが湧かなくて営業上損をしてしまうぞ。

川久保賜紀(かわくぼたまき、1979年10月10日〜)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれのヴァイオリニスト。遠藤真理(えんどうまり、1982年5月19日〜)は神奈川県横浜市出身のチェリスト。三浦友理枝(みうらゆりえ、1981年6月 20日〜)は、東京都大田区出身のピアニスト。全員30代前半の食べごろ(?)だ。

2008年の結成とあり、ラヴェルのピアノ三重奏曲を録音しているが、その他の活動はして いるのだろうか。この日のコンサートの録音を聴いた限りでは、トリオとしての音色がこなれてないような気がした。若いから当然かもしれないけど、往年のボザール・トリオとかスーク・トリオのような次元には達してない。

ライブだからか、演奏に勢いを感じる。特に前半の小曲やドヴォルザークのドゥムキーではスケール感が大きく、切れ味鋭い演奏を聴かせている。その一方で3つの楽器が混然一体となって一つの音色を紡ぎだすには至っておらず、なんとなく3人が一生懸命戦っているって感じに聴こえるのだ。中でもヴァイオリンの川久保にその傾向が強い。楽器の特性もあるのかもしれないが、気合が入っているのは分かるが、もう少し美しい音色でウットリさせてほしい。

ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は山田武彦の編曲。オーケストラ演奏で聴くとかなりゆっくりしたテンポで演奏されることもある曲だが、ここではちょい速めのテンポであっさりと進んでいく。所々ヴァイオリンやチェロがグリッサンドを聴かせ、酒落た味を出している。ヴァイオリンの高音域でのオブリガードも面白かった。

ラヴェルのピアノ三重奏曲は、第一次大戦従軍中に書き初められたという、20世紀を代表するピアノ三重奏曲の名曲。時々ヴァイオリンが音程をはずしているのが気になったが、さすがに手の内に入ったレパートリーらしく堅実な演奏を繰り広げている。緊張感が高く、フィナーレの盛り上がりも良かった。コンサートの最初は荒れているように感じた音色も、ここにきて多少こなれてきたようだ。

余った時間にCDで出ているラヴェルの「“マ・メール・口ワ"から第1曲、第2曲、第3曲、第5曲」がかかった。CD録音なのでさすがに音質はこなれていて美しい。ささくれ立っているようなことは微塵もない。ヴァイオリンとチェロは美しいが、ピアノのフォーカスは異常に近いような気がした。近すぎてぼやけて聴こえる。マイクの位置が近すぎるのか、技術的にエフェクトをかけているのか、もっと立派な装置で聴けばちゃんと聴こえるのか分からないが、弦楽器とピアノの質感の違いが気になった。

「マ・メール・口ワ」はピアノ連弾用に作曲されたものだが、ラヴェル自身の編曲でオーケストラ作品も作られ、こちらは結構録音演奏されている。オーケストラ版を聴く機会が多いのだが、それがピアノ三重奏で聴くとラヴェルの精緻な内声部がハッキリ分かって面白かった。特に第5曲はとても美しいくて心奪われてしまう。第2曲の編曲はやり過ぎの気もした。

「ユモレスク作品101第7」ドヴォルザーク作曲(3分11秒)
「チャールダーシュ」モンティ作曲(3分58秒)
「ハンガリー舞曲第6番」ブラームス作曲(3分02秒)
「ピアノ三重奏曲第4番ホ短調作品90“ドゥムキー"」ドヴォルザーク作曲(30分23秒)
「なき王女のためのパヴァーヌ」ラヴェル作曲、山田武彦・編曲(5分39秒)
「ピアノ三重奏曲イ短調」ラヴェル作曲(1.モデレ 2.パントゥム 3.パッサカリア 4.終曲)(26分10秒)
「ピアノ三重奏曲ト長調“ツィゴイナー"から第3楽章」ハイドン作曲(3分18秒)
2011年7月20日新潟県長岡市・長岡リリックホールで収録
「“マ・メール・口ワ"から第1曲、第2曲、第3曲、第5曲」ラヴェル作曲、浦壁信二・編曲


過去の巨匠を越えるか・・HJリム

 「モーストリークラシック」8月号(p.109)、宇野功芳氏の連載「宇野功芳が選ぶ究極の1枚」に、HJリムのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集が取り上げられていた。 タイトルがすごい。
 「バックハウスら過去の巨匠を超えるベートーヴェン。20代女流新人のこの演奏はもはや”事件”だ!」
 宇野功芳氏は辛口の評論家だ。 彼がこれほど絶賛するとは相当な腕前と言えるだろう。 しかし、HJリムというピアニストについては知らなかったなぁ〜〜 調べてみるとすごい評判のようだ。

 昨年、EMIクラシックスから彗星のごとくCDデビューを飾った大型新人ピアニスト、HJリムは韓国出身で、現在スイスに暮らす26歳。
 3歳でピアノを始めた彼女は、ラヴェルやドビュッシーといった印象派音楽への憧れから、12歳の若さでフランスへ単身留学。パリ音楽院で名教師アンリ・バルダに学んだが、「同じ対象を描いた 名画の優劣がつけられないように、音楽は競争するものではない」という信念から、コンクールを受験してキャリアを築く道を頑なに拒否した。


 彼女は「留学を応援してくれた韓国の母や家族たちに私の演奏姿を見せたくて、動画サイトのYouTubeに演奏の映像を投稿する。 視聴回数はあっと言う間に50万件近くに達し、EMIクラシックスのスタッフの目にもとまることになりのだった」。 そしてデビュー盤が、いきなりベートーヴェンのソナタ全集!



2月13日(木) 午前6時00分〜6時55分 BSプレミアム
クラシック倶楽部 ユジャ・ワン ピアノ・リサイタル

「ラ・ヴァルス」
(作曲)ラヴェル、(ピアノ)ユジャ・ワン
「ガーゴイル 作品29」
(作曲)リーバーマン、(ピアノ)ユジャ・ワン
「ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品36(1931年改訂版)」
(作曲)ラフマニノフ、(ピアノ)ユジャ・ワン
「糸を紡ぐグレートヒェン」
(作曲)シューベルト、(ピアノ)ユジャ・ワン
「トッカータ 作品11」
(作曲)プロコフィエフ、(ピアノ)ユジャ・ワン




待ち焦がれたステージ、到来。

萩原麻未
 今日は萩原麻未の本格的なデビュー・リサイタルを聴いてきた。彼女は以前にも書いたが、室内楽やコンチェルトが好きで、リサイタルはなかなか実践されることはなかったが、ようやく聴くことができた。

cAkira Muto32010年ジュネーヴ国際コンクールで日本人初の優勝。信念をもって刻印される濃密な音が魅力。パリを拠点に活躍中、貴重なソロ・リサイタルがようやく実現!



曲目
フォーレ:ノクターン第1番変ホ短調Op.33-1
フォーレ:ノクターン第4番変ホ長調Op.36
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ドビュッシー:喜びの島 
ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ジェフスキー:ウィンズボロ・コットン・ミル・ブルース


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