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Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
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大雨警報の土曜日は、ブラームスの芳醇な甘い旋律で癒されてます

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橋本駅コースは、明日8日に決行とします!!

今日は、昨日の大雨の中の帰宅ランで満足してしまい、

この5月の丹沢の山は、これ以上は求めてはいけないパーフェクトだった

そして

6月に入ると本格的な梅雨となり、警報級の大雨が神奈川県西部に降っている


今日は、インドアで

ブラームス・オンリーで

先ずは

一昨日のクラシック倶楽部で

ロシア・ピアニズムのアウデレーワで刺激されて



20世紀のピアニスト100人の選にも入っている

ロシア・ピアニズムの中心

エフゲニー・キーシン盤で

重厚なメロディラインの流れの中に

若きブラームスの魂が溢れ出ている、この曲から




「ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調」作品5は、生まれ育ったハンブルクの町を離れてヴァイオリンの名手レメーニと二人で演奏旅行を行なうようになり、ハノーファーやデュッセルドルフあたりを行ったり来たりする間に書き上げられました。この曲は正真正銘の名作だと思います。第1番と第2番のソナタでは、音符がやや過剰過ぎるために「音楽の為の技巧」では無くて、「技巧の為の技巧」に感じられる部分が無きにしも非ずでした。けれども、この第3番には、そういった印象は全く感じられず、全5楽章の初めから終わりまで、音楽そのものが聞こえてきます。特に、ブラームスの「4つのバラード」作品10を想わせる、美しい第2楽章には、詩人シュテルナウの「若き恋」という詩を標題に掲げています。

たそがれ迫り、月影は輝く
そこに二つの心 愛にて結ばれて
お互いに寄り添い 抱き合う

第4楽章の基礎にもシュテルナウの詩が用いられたようですが、第2楽章で成就した恋が、第4楽章では失恋に至ります。
また、第5楽章では舞曲的な付点音符の音型が、明らかにシューマンの影響を受けているように思います。それでいて中間部の勇壮な旋律は、いかにもブラームスらしい魅力に溢れます。僕は、このソナタ第3番が非常に好きです。

20歳までに3曲のピアノ・ソナタを書いたブラームスですが、それ以降二度とこのジャンルでの曲を書くことはありませんでした。


次にこの曲はインパクト大です


ブラームスの初期のピアノ独奏曲の中でも、人気の高いのが「4つのバラード」作品10です。ヨハネス青年21歳の作品です。

話は「バラード」からは少々離れてしまうのですが、ブラームスは自身が名ピアニストで、なおかつ古典的な形式を重んじた作曲家であるにもかかわらず、ピアノ・ソナタを20歳までに3曲書いただけで、それ以降、書くことはありませんでした。何故なのでしょう?
それは、やはりベートーヴェンの存在が大きいと思います。このジャンルにおける、あの32曲の不滅の金字塔が余りにも偉大で、とてもそれを越えることは出来ないと諦めたからではないでしょうか。ブラームスは楽器の重ね合わせの才能が抜群でしたので、独奏作品よりも、むしろ重奏作品に適性が有るのも事実です。

そんなブラームスですが、この「4つのバラード」は、20歳そこそこの傑作だと思います。僕もとても好きです。「バラード」というのは、物語性のある詩のことですが、それを音楽にしたショパンもブラームスも、必ずしも物語性を明確にしていたわけではありません。4曲の中では、唯一「第1番」のみが、父親を殺した息子が母親に罪を告白するというスコットランドの叙事詩「エドワード」にアイディアを得たとされます。第2番以降は、特に詩との関連性はありません。

4曲の構成は次の通りです。

第1番 アンダンテ ニ短調

第2番 アンダンテ ニ長調

第3番 「間奏曲」アレグロ ロ短調

第4番 アンダンテ・コン・モート ロ長調

同主調の曲が二組合わさっていますが、調性の関連からしても4曲は、連続して演奏されるべきです。ブラームスの「4つのバラード」は、ショパンのバラード集のように各曲が単独で演奏可能な曲とは異なります。
第3番が「間奏曲」というのも意味が有りそうです。仮に全体を4楽章のソナタとすれば、この曲はスケルツォ楽章に相当します。
第4番は他のアンダンテと異なり、コン・モート(動きをもって)の指示がありますので、幾らか速めに演奏されることが多いようですが、この場合は物理的(肉体的)な速さではなく、精神的(気分的)な動きを要求しているように思います。これは演奏家の解釈に委ねられるべきでしょうね。終曲として位置づけられていますが、もしも1曲だけ単独で演奏するとすれば、第4番だけが可能だと思います。

このように全4曲の均衡がとれているのも、この曲集の存在感を高めていますが、それにも増して、全体を通してこぼれるばかりの若々しい抒情性が素晴らしいです。ファンの間で人気が高いのも当然です。



先日のメナハム・プレスラー&庄司紗矢香で聴いた「雨の歌」の慕情

ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調op.78 実に穏やかな佳曲です。ブラームス特有のドロドロさが無く、爽やかな印象なので若い時代の作品かと思いそうですが、れっきとした円熟期の作品です。それにしてもなんという詩情に溢れた音楽なのでしょう。<雨の歌>というタイトルは別としても、この曲を聴いていると、なんだか自分が詩人にでもなった気がしてきます。この曲の試演会には不倫恋人のクララ・シューマン夫人が同席したというが、ブラームスの彼女への恋慕心が曲に垣間見えるようです。



後期ロマン派の革新的な音楽の時代に在りながら、古典的な様式を基盤にして作曲を続けたブラームスは、当時の先進的な音楽家たちから、どんなに批判や揶揄をされようとも、頑固なまでに我が道を行きました。さすがは北ドイツ生れのプロシア人です。どすこい!

それにもかかわらず、彼の音楽は当時の多くの聴衆に愛されましたし、時を経て20世紀の後半にもなり、マーラーやブルックナーが一大ブームになった現代でも、ブラームスの音楽は少しも変わらず多くのファンに愛好され続けています。それはいったいどうしてなのでしょう。

たとえ様式的には古くても、肝心の音楽の中身が他の誰よりもロマンティックであり、人間の喜びや哀しみに満ち溢れているからではないでしょうか。そこには、背筋をぴんと伸ばして、すっくと立ち、心の中の哀しみを隠して大げさな涙を見せないブラームスの姿があります。この人の音楽には、そんな成熟した大人の風格を感じます。

また、ブラームスはシューベルトやシューマン、もしくはドヴォルザークのように、初めから魅惑的な旋律を生み出すタイプではなく、ひとつの動機を職人芸によって発展させてゆく術にすこぶる長けていると思います。従って、最も「変奏曲」を得意とした人だと言えるのではないでしょうか。ブラームスの優れた代表作を選ぶとすれば、僕が真っ先に思い浮かぶのは第4交響曲です。そして極め付きがその終楽章です。個人的には第3交響曲をとても好んでいますし、第1交響曲の壮大さにも惹かれます。しかし最高傑作の名前に最もふさわしいのは、やはり第4番を置いて他に有りません。


ブラームスの曲を楽しみます。これまでも、交響曲、協奏曲、室内楽などの特集を行ないましたが、それ以降に聴いた演奏がだいぶ溜まりました。その中には、是非ともご紹介したい演奏も少なからず有りますので、今回はそれらをまとめてご紹介するつもりです。

手始めはシンフォニーです。最近は新しいディスクを購入することはすっかり減ってしまいましたが、しばらく前にコメントを頂いた、じゅりさんのお気に入りというジュリー二盤が気になっていたので聴いてみました。ジュリーニはウイーン・フィルと録音した「ドイツ・レクイエム」の演奏では、少々カンタービレが強過ぎてドイツ的な圭角が失われた印象でした。けれども考えてみれば、常に遅いテンポでイン・テンポを保ち、堂々としたスケール感を生み出すというジュリーニの演奏スタイルは、ブラームスの音楽の特徴とも重なります。

オーケストラに関して言えば、自分はブラームスには北ドイツ的な重厚な音を好むので、必ずしもウイーン・フィルの演奏が好きなわけでは有りません。けれども確かに流麗で美しいブラームスにも魅力を感じないことはないので、ジュリーニがどのように指揮しているか、じっくりと聴いてみました。

1989年から1991年にかけてグラモフォンに録音を行なったこの全集ですが、4曲ともに、遅く、重く、念押しするリズムでじわりじわりと音楽を高揚させてゆく表現はいつものジュリーニです。そしてカンタービレが非常に良く効いています。少しも力むことはありませんが、緊張感を失うことが無く、ずしりとした手ごたえが有ります。4曲の中で、特に優れていると感じたのは4番です。耽美的なワルターの演奏に重量感と演奏の立派さを加えた印象です。1番の第1楽章も絶品です。4楽章の有名な旋律ではカンタービレの効かせ過ぎのために幾らか高貴さを失い気味なのが気にはなりますが、やはり良い演奏です。2番もウイーン・フィルの美感を生かしている点では、ベームと並ぶかもしれません。3番はジュリーニにしては意外に速めのテンポに感じますが、自然な流れの良い演奏です。3楽章は何故か濃厚に歌わずに、弱音であっさりと歌うのがユニークです。

ということで、4曲のいずれもが非常に水準の高い演奏です。ブラームスの交響曲のディスクというと、曲ごとには好きな演奏が有っても、こと全集盤となると、これまではファースト・チョイスのザンデルリンク/ドレスデン盤以外にはほとんど思いつかないのが正直なところでした。強いて挙げれば、ザンデルリンク/ベルリン響の新盤か、むしろベーム/ウイーン・フィル盤でしたが、今後はセカンド・チョイスとしては、このジュリーニ盤を上げたい気持ちです。

やはり、最後は交響曲で〆たいものです

ブラームスのは4曲しかありませんので

全部、通しで聴きたいです

強いて、一つだけチョイスするとなれば

私の中では2番です

サイトウキネンの小澤征爾指揮が私のお気に入りになっていますが

ジュリーニ盤も好いですネ


ブラームスの交響曲の特集ですが、今回は第2番です。第1番の完成に20年以上の歳月をかけたブラームスでしたが、この曲はオーストリアのウェルター湖畔の避暑地ペルチャッハに滞在しながら僅か4か月で完成させてしまいました。この曲には、そうしたくつろいだ気分が反映されているので、ブラームスの「田園交響曲」などと呼ばれたりもしています。確かにその通り、曲全体に牧歌的な雰囲気を湛えています。開放的でメロディアスですが、どこか寂しさを感じさせる第1楽章、抒情的でオーストリアの美しい自然をいっぱいに想い抱かせる第2楽章、いじらしいほどに愛らしい第3楽章と実に魅力的です。終楽章はうって変わって躍動感に溢れ、イケイケどんどん的な単純さがブラームスの曲想としては幾らか物足り無さを感じますが、それでも中間部でぐっと抒情的に歌うところなどはブラームスの醍醐味です。

この曲の演奏は意外に難しく、その理由の一つは金管の響きに有ります。フォルテでどうしても金属的な音に聞こえやすいのです。それが気にならない演奏は指揮者の音のバランスが優れていると言えるでしょう。もう一つは好みの問題なのですが、終楽章を爆演するパターンです。常識的にはフィナーレですので、盛り上げるためにどうしても指揮棒に力が入ります。テンポは上がって、金管の強奏、ティンパニの強打となります。けれども、それではブラームスの書いた音楽の造形性と響きが失われてしまいます。いい例がブルーノ・ワルターのニューヨーク・フィルとのモノラル盤です。尊敬する宇野功芳先生はこの演奏を推薦されていますが、僕は全く好みません。このことを知っておいて頂けると、これからご紹介する僕の愛聴盤に納得されることと思います

カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウイーン・フィル(1991年録音/グラモフォン盤) 全集盤の録音です。この演奏は中野雄さんが推薦されていたので気になっていました。ウイーン・フィルの奏するブラームスでは最も適性を感じるのが第2番だからです。全体に遅いテンポで重厚な響きなのですが、旋律を美しく奏でる弦楽器と木管の音が確かにこの曲にはうってつけです。2楽章のカンタービレの美しさはいかばかりでしょう。終楽章のスケールの大きさもザンデルリンクに匹敵します。

雨の日と秋の夜長は、ブラームスの癒しの旋律で

という、イメージですが

ハマると一年中でも聴いて居られます


明日の天気は?

雨具上下と薄手のセーターと塩が必要装備です

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