日本が財政破たんしない理由。
つまり、どういう状況になったら財政破たんするかという意味だ。残念ながら、既に明日財政破たんしても不思議ではないという状況になっている。
日本が財政破たんしていない理由は主に三つある。
1.日本の基本的な生産力がある程度高いレベルにあること。
2.日本が円安の時に買った米国債がかなりあり、それらが円安に対するブレーキとして働いていること。
3.日本の国土を世界の核廃棄物処分場として使う準備がまだ整っていないこと。
既に数十年に渡る実績が示しているように、財政赤字がいくら積み上がろうとその経済規模に見合うだけの労働力、生産力があれば、経済は回っていく。
ただし、これは国内的に見ただけの話で、日銀が国債引き受けをやって行けば、それは単に無から紙幣を生み出していることになり、外貨に対して価値を失ってしまう。現在まだ円高でいるのは、今まで積み上げた米国債が100兆円以上あるからだ。
アメリカ政府は実質的に米国債を買わせることで日本から戦争賠償を取ってきたと考えているから、今更日本に米国債を売らせるようなことは考えていない。おまけに、米ドルは国際決済通貨として国際貿易が活発化すればするほどそれを支えるためという名目で垂れ流しができる。これはある意味打ち出の小槌なので、そういった地位を失いたくない。しかし、日本が持っている米国債を一気に大量に売りに出すと、そういった環境が一気に混乱してしまう。だから一生懸命ドル安を誘導して、円の買い支えをやっている。
しかし、1985年のプラザ合意以来の円高で日本のメーカーの多くは海外へ進出してしまい、また、バブル崩壊以降の頭脳流出で日本の生産力はかなり低下してしまっている。1985年のプラザ合意は非常にタイミングを計って行われたもののはずで、日本の高度成長がほぼ終わり、米国債をさんざん買い込んだところであり、また、50基以上の原発の建設がほぼ完全に決まった時点だった。もちろん、1985年以降に原子炉の設置許可が降りているところはかなりある。しかし、設置許可申請をするのは地元との調整が終わった段階であり、1985年はそういった地元との調整がほぼ終わった段階だったのだ。このことには、1973年から74年のオイルショックで電源三法ができ、これによって既に一基でも原発が出来ている自治体は補助金漬けにされて自動的に原子炉増設と言う動きに誘導されてしまっていたことがある。
1985年のプラザ合意で決まったことは、日本が財政赤字を本格化させ、日本国内の一般市民が銀行に預金した資金を使って、バブルの発生とその崩壊の両方で大規模な投機をして日本から資金を引き出すということだった。つまり、日本の一般市民の銀行預金を、日本政府の国債を介して外資が巻き上げるということだ。そして、その資金がかなりの程度、ソ連崩壊の原資として使われた。
ソ連崩壊後の東欧の自由主義市場組み込みに伴うデフレで、円高と企業の海外進出が促された経緯を見ると、 1の事項は既にほとんど無意味化していると言っていい。つまり、いつでも本格的に円安誘導して石油を止め、日本の残っている生産力を陳腐化できるのだ。
2の米国債については、1ドル200円とか300円、または350円の時に買ったものがかなりあり、そういった米国債についてはまだ十分に円高なので今売れば為替差損が発生するという名目で売らせないことができる。しかし、そもそも、そういったレートの時に買った米国債の多くは既に何度か償還時期を迎えていて、買い直しをしているはずであり、それらの買い直しの時は1ドル200円かまたは150円程度になっていたはずなので、為替差損の程度は既に相当程度縮小している。
アメリカ政府がどうやって日本が持っている米国債を踏み倒すか、その準備は多分着々と進みつつある。やり方は単純だ。アメリカ政府の財政赤字額に制限を設け、故意に支出不能状態にして、米国債の償還をさせなければいいのだ。米国債の償還財源が出ない状況を半年程度続ければ、その間に、日本政府や日本の銀行に、自分たちの持っている米国債はただの紙になってしまったと言わせて投げ売りをさせることが出来る。ほとんどただみたいな金額で買い取ってしまえばそれで終わりだ。これをやるためには、日本が持っている米国債の償還期をほぼ同じ時期に集中させることが必要で、多分、今その工作がどんどん進んでいるのではないだろうか。
もともとアメリカの金融機関が売り出して、外国が持っている金融商品を一時的に無価値化させただみたいな金額で買い戻すということは既にリーマンショックの時に行われている。つまり、サブプライム証券組み込み証券だ。これと同じことを米国債についてやればいいのであり、その準備はどんどんと整いつつあると思う。だから2番の条件に付いても、ほぼ外れつつあると言っていい。
3番目についてだが、これは大規模な入試不正がそのための準備として行われているのだと思う。そして、地域住民の3割とか4割の人たちをひも付きにして、警察や役所、マスコミの人たちも同様に操ることで、相当程度の世論操作が既に可能になっている。現在マスコミで3日以上にわたって報道され続ける事件はまずでっち上げ事件であるといって間違えではなく、福島第一原発事故以降は本当にどんどんそういった体制が完成しつつある。
今回の秘密保護法もTPPも、究極的な狙いは日本を世界の核廃棄物処分場とするためのことであり、その準備は着々と進んでいる。
つまり、財政破たんはある意味既にいつ起こっても不思議ではない程度に条件が整いつつあるのだ。それにも関わらず、未だに日本の財政は盤石だと思い込んでいる人々が数多くいる。単に国債金利が低く抑えられているからだというのだ。しかし、例えば東電が原発作業員に支払っている日当がいくらになっているかは一切明らかにされていない。ところが、この金額は、毎日働いている人数が3000人としても、日当5万円とかなり低く考えてもひと月で1億5千万円となり、年間では18億円になる。この内10億円以上が途中でどこかへ消えているはずで、役員報酬の減額とか扶養不動産の売却などよりもずっと大きな項目であるはずなのに、監督官庁もマスコミもほとんど取り上げることはないし、反原発運動をしている人たちもほぼ取り上げることがない。つまり、日本国内の利害関係なら普通に常識を持って対処ができるが、アメリカの意向が絡んだことになると全く当事者として振る舞うことが出来ないのが日本政府であり、日本の大企業なのだ。つまり、本来なら、もうとっくの昔に償還の実現性のない日本国債など買値が付かないはずなのに、単にアメリカの意向に従って買い続けているだけなのだ。
日本の官僚や大企業の重役のかなりの人たちはこういった実態をよく知っているはずだが、そういった実態をさらけ出すことが出来ないでいる。多分、まだそういった実態を明らかにしないでも何とかなると思い込んでいるのだ。または、そういった実態を明らかにしてしまうと、せっかく築いた自分の地位が失われてしまうのが怖いのだろう。
だから、例えば海外依存度が高い石油に代わる資源として、地熱開発をするべきであるのに、それがなかなか進まない。OPECが生産量を絞ったり、投機資金が大規模に入ったり、または戦争などで物理的に輸入が止まったりすれば、日本経済は短期間で崩壊してしまう。その意味で、原発再稼働をしたいという自民党の政策はもっともなのだが、反面、それは、原発事故を起こさせることを呼び込むことでもあり、日本の今の状況を考えたら、日本は原発再稼動よりも全国的に地熱開発をして、原発廃炉を急ぐ方がいい。
まして、今の日本は沿岸工業地域が大きな地震に直撃される時期に入っていて、今後は首都機能分散だけでなく、京浜工業地帯などの分散が必要であり、そのためには地方都市の再開発が必要で、地熱開発と同時にそれをやれば、今後の超高齢化社会対策にも、震災対策にもなる。
日本経済の本質は基本的にアメリカのリモコンが付いていて、自主的には動くことが出来ないので、まずは、そういった状況なのだと一般市民に伝えるべきであり、それをやらなければ結局、日本全体が破滅するしかないと思う。このまま行けば、2016年度が終わるまでには財政破たんとかなりのインフレに直撃されるだろう。2013年12月07日20時20分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:39909
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コメント
01. taked4700 2013年12月07日 21:09:40 : 9XFNe/BiX575U : MzprqpBmSI
付け加えておくと、当初のアメリカの計画は、日本で苛酷な原発事故を起こし、日本の国土全体をかなりの程度放射能汚染させて居住不可能にし、それによって実質的に日本国民の大部分を海外移住させることを狙っていたはず。移民を受け入れる代わりに日本が持っていた米国債をチャラにしろと要求するはずだったはずだ。
ただ、そこまで苛酷な原発事故をやると地球的な被曝影響が出てきてしまい、それが困るということになって、方針転換。
現在は、本当はあまり大したことのない原発事故を起こし、日本国民だけをひどく被曝させて病気にさせるなどして経済困窮化を誘導し、それによって日本政府自らが、世界中の核廃棄物を受け入れるようになることをねらっているはず。
02. 2013年12月07日 23:00:50 : Azy2RZKHho
いや、わざと破綻させれば破綻する
その事が誰かの利益になるのなら
日銀と財務省、政府はつるんで企んで
わざと日本を破綻させるだろう
破綻処理には日本国民の資産が強制的に使われる
たとえば預金封鎖とかになる
日本がわざと財政破綻を宣言する
その危険性については認識しておいて欲しい
そしてなぜワザと破綻するのかを
それは、それが誰かの利益になるからだ
03. 2013年12月07日 23:03:52 : Azy2RZKHho
そしてもう一つ
戦争を起こせば
それを理由に国の借金を踏み倒せる
そう考える連中もいるかもしれない
04. 2013年12月08日 06:48:15 : U6UXO5dcbU
大企業の倒産劇を見ていて理解できないのか。
すでに破たんしているが表面化していないのが日本の財政。
表面化させないと破たんもできない。破たんはまだましなほうだ。
人がジャンプするには一端、体を大きく地面に近づけるだろう。
この動作が破たんだ。破たんを恐れる必要はない。
05. taked4700 2013年12月08日 12:23:50 : 9XFNe/BiX575U : MQi0BP0zdo
なお、日本が持っている米国債には、政府部門が持っているものと銀行や生保など民間部門が持っているものがあり、両方とも統計が公表されていない。2011年にどういうわけか突然マスコミ報道でアメリカ政府が日本と中国が持っている米国債の金額がほぼ同じであると言い出していた。しかし、これ自体がとてもおかしなことであり、日本は昭和40年代から大規模な対米黒字があり、その頃は日本単独で米国が発行する米国債の半分を買っていた。中国が対米貿易を大規模に始めたのは平成に入ってからであり、それも大規模にやりだしたのはこの10年程度だ。対米貿易の歴史が違っていて、日本と中国で、同じ程度の金額の米国債を持っているというのは不自然だと言ってもいい。
日本政府が持っている外国為替会計の米国債は一応金額が公開されている。ただし、日本政府や日銀が持っている全体での金額は公開されていないし、民間部門も外国債券という分類で金額が公開されているだけで、米国債がいくらかは分からないし、そもそも、金融機関や生保から別の民間企業に売却されている可能性もある。
06. 2013年12月09日 09:32:05 : 2rJJlSaJeI
何を言っているんでしょう?
国際収支や、円建て国債のことを、全く理解していない。
↓参照のこと
「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
07. taked4700 2013年12月09日 10:21:53 : 9XFNe/BiX575U : VMvo8qlXbA
>>06
>何を言っているんでしょう?
>国際収支や、円建て国債のことを、全く理解していない。
だから、何がおかしいかを具体的に述べていただきたい。
なお、円建て国債とは???
日本国債なら普通は円建てだし、米国債ならドル建てが普通。「全く理解していない」のは誰??
そもそも、サブプライムローンの全体像を調べましたか。あれは、アメリカ政府や財界が一体となった壮大な詐欺。そのことはかなりきちんと立証できる。
>↓参照のこと
>「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
これもリンク先のURLが記されていない。
08. 2013年12月13日 13:56:01 : dmjSmrI4jg
>07
>だから、何がおかしいかを具体的に述べていただきたい。
>なお、円建て国債とは???
日本国債なら普通は円建てだし、米国債ならドル建てが普通。「全く理解していない」のは誰??
>↓参照のこと
>「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
これは、本だから。読めば?ちゃんとわかるように書いてあったから。
09. taked4700 2013年12月14日 23:01:37 : 9XFNe/BiX575U : OIWKjuPywo
>>08
何か、意味不明のコメントですね。自分の投稿と関係のある国際収支や国債についてある程度述べておきます。
1.通貨は経済規模に従って発行されるのです。通貨がないと、労働の成果の物々交換になり、とても不便なので、経済規模に従って新たに供給されたり、または、削減されるのです。現実的には日銀がいろいろな企業の社債などを買ったり売ったりすることで通貨量の調整がされます。日銀が社債を買えば、社会に流通する通貨量が増え、社債を売れば通貨量は減るわけです。その意味で、経済規模が一定程度あれば、それに見合った通貨量があって特におかしくはないのです。社債は会社が発行する借金証書ですから、会社のやっている事業によって利益が将来上がって、借りたお金を返せると考えるから発行するわけですし、社債を買う側も利子がついて償還されると考えるから買うわけです。この意味で、まさしく、社会の経済活動の規模を表しています。
2.通貨だけではないのですが、通貨には労働の成果の取引を円滑化するだけではなく、それを貯蓄する働きがあります。簡単に言えば貯金です。しかし、これはすぐに労働の成果と言う実物と交換するわけではなく、将来使うことができるという意味で貯めているわけです。ここに信用の問題が出てきます。将来、物価が10倍になるとき、利子がほとんどつかなければ誰も貯金をしようとは思わないわけです。つまり、信用性とは物価の値上がり予測と現実の利子率とのバランスによって裏打ちされるのです。
3.ところが、国債とか県債、市債のような公債は、一般的な社債のように事業を行って借りた金よりも多くの利益を上げるというものではありません。国も地方自治体も単に将来税金を集めて国債や県債、市債の償還をするわけです。しかし、現実には、どんどんと借金額が積みあがっているだけで、減っていくことがありません。
4.国や自治体が公共事業を行って景気を下支えすることは、それなりに効果があるとされています。ニューディール政策が典型ですが、現状はそれが曲解され、悪用されていると思います。
5.経済成長に役立たない財政支出が国債や県債などによって大規模に賄われていて、本来税負担をするべき階層に対して、課税が行われていないのです。
6.富裕層の中には、自分たちの払った税金がまともに働くこともしない貧困層のために使われるのは嫌だという主張がある様子です。しかし、富裕層の富の源泉は一般的な市民層にあるわけで、一般的な市民層の一部である貧困層について、その存在を無視するのはおかしいのです。別の言い方では、もし、富裕層が一般市民と関係なく富を生み出せるのであれば、絶海の孤島に行って事業や商売をすればいいのです。
7.富裕層に減税をし、国債や県債を発行することで国や自治体の財政を賄うというのはアメリカのレーガン大統領時代に大規模に始まったことです。
以下、次のコメントに続きます。
10. taked4700 2013年12月15日 00:05:02 : 9XFNe/BiX575U : OIWKjuPywo
09からの続きです。
8.レーガン大統領は1981年に就任しています。1973年のオイルショック、1979年のスリーマイル島原発事故の後のことで、この時代、日本の団塊世代、および、世界中の戦後ベビーブームで生まれた世代が30代になり、世界中の経済活動が活発化した時代です。この時期にレーガン大統領は富裕層減税をやり、その一方で軍備増強をしたのです。当然、アメリカの財政は赤字で、そのため、米国債を大量に発行しました。それを大量に背負わされたのが日本だったのです。
9.日本の金融機関などが大量に米国債を買い込んだわけですが、アメリカの財政は依然として赤字です。日本が買った米国債はすべて買い替えが行われていて、日本へは資金が返ってきていません。たとえば、1970年に買った10年米国債は1980年に満期になりますが、その満期になったお金で新たにまた米国債を買っているのです。こういったことを正当化しているのが戦後継続している円高です。円高は1973年の変動相場制移行によって起こりました。1973年は1960年代の高度成長期を通じてかった米国債の買い替え時期に入っていた時で、変動相場制移行はある意味、円高を演出して資金が日本へ戻らないようにしたのです。この仕組みは次のようなものです。
1970年は1ドル350円でした。ことのとき、350億円で1億ドル分の米国債を購入します。
1980年、1ドルはおおよそ200円ぐらいでした。1億ドル分の米国債を日本円に替えると、200億円にしかなりません。実際には10年分の利子がつくのですが、それでも150億円分の損をカバーできません。そのため、将来、円安になることを期待して、そのまま米国債をもう一度買うわけです。
10.上のような経緯で日本の銀行は大量の米国債をため込みました。このことを一つの理由として、国際決済銀行という国際的な機関がある規則を決めます。それは、国債や県債などの公債は100%安全な債権であると会計規則で決めたのです。銀行が普通の企業に貸し出すときは、貸出先企業の業績などを評価して、安全貸出先とか、多少危険であるとか、かなり危険であるとかの分類をし、それに応じて、貸出利率も変えるのです。安全貸出先と評価されれば、低い利率で借りることができますが、危険な貸出先と評価されると、その企業は非常に高い利子を払わないと借金ができません。別の見方をすると、危険な貸出先がちゃんと借金を返してくれれば、銀行としてはもっとも儲かるわけです。そのため、一部の銀行が暴走し、危険な貸出をやりすぎて、結局倒産したことがあるのです。このことを逆手に取って、国際決済銀行は、自己資本規制と言うことを始めました。つまり、貸出金の中で勝手に危険な貸出を多くできないようにしたのです。しかし、この規制の結果、実際には、100%危険性のない貸し出しだけを行うということがやられ、特に日本の金融機関は国債などの公債をどんどん買い込むことになりました。
以下、次のコメントに続きます。
11. taked4700 2013年12月15日 01:32:13 : 9XFNe/BiX575U : EfHOomzVEQ
10からの続きです。
11.国際決済銀行が国債などを安全債権と会計処理上区分すると決めたことにより、アメリカも日本も富裕層に対して課税を強化しなくても、社会保障などを国債発行に頼ることで賄えることになりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E にある、「所得税の税率の推移」を見ていただければわかりますが、1974年から1983年の間に1億円の収入があった場合、75%の所得税がかかりましたが、今では40%しかかかりません。それどころか、住民税は18%から10%へ、そのほか、株でもうけた場合は、特別にそれだけ別に課税して10%にするなど様々な形で富裕層優遇が進められたのです。この結果、いわゆる富裕層が新たに形成され、彼らが自分たちの地位を失いたくないと考え、さまざまな形で植民地化の実質的な手先となってしまっているのです。
12.ただ、皮肉なことに、第二次世界大戦後のベビーブーム世代が高齢化し、ある意味世界中の経済活動が停滞し、社会保障費がどんどんと高額化する時期にちょうど、日本もアメリカも財政赤字が本格化し、これ以上は赤字を積み上げるのは無理であると言われだしたのです。簡単に言えば、民間銀行が集めている預金額がかなりの程度国債の額に近づいてしまっていて、これ以上民間金融機関が国債を買えなくなってしまっているのです。これが、日本でもアメリカでも中央銀行が大規模にそれぞれの政府の発行する国債を買い込んでいる理由です。
13.しかし、中央銀行が国債を買い込むのは、単に輪転機を回して資金を政府に供給していることになりますから、労働の裏付けがありません。つまり、本来価値のないお金がどんどんと市場に供給されているわけで、将来のインフレ期待がどんどんと高くなっていますし、もう一つは、円安とドル安の競争が起こっているのです。
14.第二次世界大戦で戦勝国は敗戦国から賠償金を取っていません。別の言い方では、戦後日本が買った大量の米国債はアメリカから見れば、戦争賠償金のつもりであり、日本に償還するつもりはないのです。
15.このことに関連し、戦後日本が工業化されたのはとても巧妙なアメリカの戦略でした。原爆を持つことにより軍事的な優位を保ちたいが、核廃棄物の問題が生じて下手をすればアメリカ国内から核反対運動が起こってしまう。そのため、平和利用と称して原子力発電所を世界に広めることで、核廃棄物の問題をごまかし、日本に原発を作らせることで地震国日本で事故が起こり、国土が汚染されれば、そこを世界の核廃棄物処分場として利用できる。そればかりか、日本の国土がほとんど汚染されれば居住不可能になり、日本人を移民としてアメリカやその他の国が大規模に受け入れる代わりに、日本が持っている米国債をチャラにさせることができる。しかも、日本の工業化の過程で米国債をどんどんと買わせることができる。つまり、アメリカは二重の意味でぼろ儲けをたくらんだわけです。
16.しかし、当然、こういった都合のいい話はうまく行かず、地震国日本で全国を汚染するほどの事故を起こせば、地球的な被ばく影響が出てきてしまい、その影響は数十年経っても収まらないことが次第に明らかになってきました。
17.そのため、作戦変更がされ、普遍的な社会の劣化を狙い、単に政府が行っていることは何でもそのまま受け入れるという社会を作ろうとしているのです。それが、いわゆる公務員優遇の意味であり、大規模な入試不正でした。そのための世論コントロールの道具がインターネットであり、秘密保護法なのです。
18.すでに公務員のかなりの部分はひも付きの人に置き換わり、いくらでも嘘を言うようになってしまっているので、今後は、急激に社会が悪化していくでしょう。今まで借金で暮らしていた分、その反動が出てくるのです。現実に、例えば、年金の物価スライド制は実質的に取りやめになり、今後は物価が上がっても数割程度年金が目減りするまでは実質的に年金増額はされないようになってしまっています。
19.ただし、アメリカのこういった政策は基本的に不当なものですから、結局はうまく行かないのです。とても大がかりな社会破壊をした結果、結局駄目だったと分かり、方針変更がされるのでしょうが、それまでには、多くの犠牲が出ることになるのでしょう。
20.アメリカの政策の不当性はかなりはっきりしています。本来なら、富裕層はもっと税負担をし、彼らの富の源泉である一般社会全体をささえる必要があるのです。ところが、単に個々の政策による受益者負担と言う話しかされず、その結果、富裕層は税金負担のし過ぎだという考えがされてしまっています。世界中で富裕層から貧困層まで携帯電話を使っていて、その代金を払っているのに、その結果儲けている富裕層は自分たちだけの街を作り、その街の維持費だけしか負担したくないと言い出しているのです。
21.つまり、本来であれば、「何が本来の税制なのか」とか「公平性とは何か」とか、「公平な税制とはどうあるべきか」とか、「富の源泉は何か」といった議論がもっと社会全体でされなければいけないのですが、残念ながら、自分がどうしたらもっと金持ちになれるかと言うような議論しかされないのです。これでは、一部の超富裕層がますます権力を握り、社会は全体としてより歪み、結局は全体で破局を迎えることになるはずです。
22.もっと身近なレベルで税制の根本的な意味の検討しなおしが必要であり、市議会議員レベルでどんどんそういった討論が必要だと思います。また、マスコミもそういったことを取り上げて、社会全体としてどんな税制が本来の姿であるのかを考え直すべきなのです。しかし、マスコミの幹部はすでに高給取りで自分たちの地位を失いたくないと思っているため、そういった動きをなかなかできない様子です。
23.結局、戦後体制の総決算をするべき時が今来ているのです。
つまり、どういう状況になったら財政破たんするかという意味だ。残念ながら、既に明日財政破たんしても不思議ではないという状況になっている。
日本が財政破たんしていない理由は主に三つある。
1.日本の基本的な生産力がある程度高いレベルにあること。
2.日本が円安の時に買った米国債がかなりあり、それらが円安に対するブレーキとして働いていること。
3.日本の国土を世界の核廃棄物処分場として使う準備がまだ整っていないこと。
既に数十年に渡る実績が示しているように、財政赤字がいくら積み上がろうとその経済規模に見合うだけの労働力、生産力があれば、経済は回っていく。
ただし、これは国内的に見ただけの話で、日銀が国債引き受けをやって行けば、それは単に無から紙幣を生み出していることになり、外貨に対して価値を失ってしまう。現在まだ円高でいるのは、今まで積み上げた米国債が100兆円以上あるからだ。
アメリカ政府は実質的に米国債を買わせることで日本から戦争賠償を取ってきたと考えているから、今更日本に米国債を売らせるようなことは考えていない。おまけに、米ドルは国際決済通貨として国際貿易が活発化すればするほどそれを支えるためという名目で垂れ流しができる。これはある意味打ち出の小槌なので、そういった地位を失いたくない。しかし、日本が持っている米国債を一気に大量に売りに出すと、そういった環境が一気に混乱してしまう。だから一生懸命ドル安を誘導して、円の買い支えをやっている。
しかし、1985年のプラザ合意以来の円高で日本のメーカーの多くは海外へ進出してしまい、また、バブル崩壊以降の頭脳流出で日本の生産力はかなり低下してしまっている。1985年のプラザ合意は非常にタイミングを計って行われたもののはずで、日本の高度成長がほぼ終わり、米国債をさんざん買い込んだところであり、また、50基以上の原発の建設がほぼ完全に決まった時点だった。もちろん、1985年以降に原子炉の設置許可が降りているところはかなりある。しかし、設置許可申請をするのは地元との調整が終わった段階であり、1985年はそういった地元との調整がほぼ終わった段階だったのだ。このことには、1973年から74年のオイルショックで電源三法ができ、これによって既に一基でも原発が出来ている自治体は補助金漬けにされて自動的に原子炉増設と言う動きに誘導されてしまっていたことがある。
1985年のプラザ合意で決まったことは、日本が財政赤字を本格化させ、日本国内の一般市民が銀行に預金した資金を使って、バブルの発生とその崩壊の両方で大規模な投機をして日本から資金を引き出すということだった。つまり、日本の一般市民の銀行預金を、日本政府の国債を介して外資が巻き上げるということだ。そして、その資金がかなりの程度、ソ連崩壊の原資として使われた。
ソ連崩壊後の東欧の自由主義市場組み込みに伴うデフレで、円高と企業の海外進出が促された経緯を見ると、 1の事項は既にほとんど無意味化していると言っていい。つまり、いつでも本格的に円安誘導して石油を止め、日本の残っている生産力を陳腐化できるのだ。
2の米国債については、1ドル200円とか300円、または350円の時に買ったものがかなりあり、そういった米国債についてはまだ十分に円高なので今売れば為替差損が発生するという名目で売らせないことができる。しかし、そもそも、そういったレートの時に買った米国債の多くは既に何度か償還時期を迎えていて、買い直しをしているはずであり、それらの買い直しの時は1ドル200円かまたは150円程度になっていたはずなので、為替差損の程度は既に相当程度縮小している。
アメリカ政府がどうやって日本が持っている米国債を踏み倒すか、その準備は多分着々と進みつつある。やり方は単純だ。アメリカ政府の財政赤字額に制限を設け、故意に支出不能状態にして、米国債の償還をさせなければいいのだ。米国債の償還財源が出ない状況を半年程度続ければ、その間に、日本政府や日本の銀行に、自分たちの持っている米国債はただの紙になってしまったと言わせて投げ売りをさせることが出来る。ほとんどただみたいな金額で買い取ってしまえばそれで終わりだ。これをやるためには、日本が持っている米国債の償還期をほぼ同じ時期に集中させることが必要で、多分、今その工作がどんどん進んでいるのではないだろうか。
もともとアメリカの金融機関が売り出して、外国が持っている金融商品を一時的に無価値化させただみたいな金額で買い戻すということは既にリーマンショックの時に行われている。つまり、サブプライム証券組み込み証券だ。これと同じことを米国債についてやればいいのであり、その準備はどんどんと整いつつあると思う。だから2番の条件に付いても、ほぼ外れつつあると言っていい。
3番目についてだが、これは大規模な入試不正がそのための準備として行われているのだと思う。そして、地域住民の3割とか4割の人たちをひも付きにして、警察や役所、マスコミの人たちも同様に操ることで、相当程度の世論操作が既に可能になっている。現在マスコミで3日以上にわたって報道され続ける事件はまずでっち上げ事件であるといって間違えではなく、福島第一原発事故以降は本当にどんどんそういった体制が完成しつつある。
今回の秘密保護法もTPPも、究極的な狙いは日本を世界の核廃棄物処分場とするためのことであり、その準備は着々と進んでいる。
つまり、財政破たんはある意味既にいつ起こっても不思議ではない程度に条件が整いつつあるのだ。それにも関わらず、未だに日本の財政は盤石だと思い込んでいる人々が数多くいる。単に国債金利が低く抑えられているからだというのだ。しかし、例えば東電が原発作業員に支払っている日当がいくらになっているかは一切明らかにされていない。ところが、この金額は、毎日働いている人数が3000人としても、日当5万円とかなり低く考えてもひと月で1億5千万円となり、年間では18億円になる。この内10億円以上が途中でどこかへ消えているはずで、役員報酬の減額とか扶養不動産の売却などよりもずっと大きな項目であるはずなのに、監督官庁もマスコミもほとんど取り上げることはないし、反原発運動をしている人たちもほぼ取り上げることがない。つまり、日本国内の利害関係なら普通に常識を持って対処ができるが、アメリカの意向が絡んだことになると全く当事者として振る舞うことが出来ないのが日本政府であり、日本の大企業なのだ。つまり、本来なら、もうとっくの昔に償還の実現性のない日本国債など買値が付かないはずなのに、単にアメリカの意向に従って買い続けているだけなのだ。
日本の官僚や大企業の重役のかなりの人たちはこういった実態をよく知っているはずだが、そういった実態をさらけ出すことが出来ないでいる。多分、まだそういった実態を明らかにしないでも何とかなると思い込んでいるのだ。または、そういった実態を明らかにしてしまうと、せっかく築いた自分の地位が失われてしまうのが怖いのだろう。
だから、例えば海外依存度が高い石油に代わる資源として、地熱開発をするべきであるのに、それがなかなか進まない。OPECが生産量を絞ったり、投機資金が大規模に入ったり、または戦争などで物理的に輸入が止まったりすれば、日本経済は短期間で崩壊してしまう。その意味で、原発再稼働をしたいという自民党の政策はもっともなのだが、反面、それは、原発事故を起こさせることを呼び込むことでもあり、日本の今の状況を考えたら、日本は原発再稼動よりも全国的に地熱開発をして、原発廃炉を急ぐ方がいい。
まして、今の日本は沿岸工業地域が大きな地震に直撃される時期に入っていて、今後は首都機能分散だけでなく、京浜工業地帯などの分散が必要であり、そのためには地方都市の再開発が必要で、地熱開発と同時にそれをやれば、今後の超高齢化社会対策にも、震災対策にもなる。
日本経済の本質は基本的にアメリカのリモコンが付いていて、自主的には動くことが出来ないので、まずは、そういった状況なのだと一般市民に伝えるべきであり、それをやらなければ結局、日本全体が破滅するしかないと思う。このまま行けば、2016年度が終わるまでには財政破たんとかなりのインフレに直撃されるだろう。2013年12月07日20時20分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:39909
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コメント
01. taked4700 2013年12月07日 21:09:40 : 9XFNe/BiX575U : MzprqpBmSI
付け加えておくと、当初のアメリカの計画は、日本で苛酷な原発事故を起こし、日本の国土全体をかなりの程度放射能汚染させて居住不可能にし、それによって実質的に日本国民の大部分を海外移住させることを狙っていたはず。移民を受け入れる代わりに日本が持っていた米国債をチャラにしろと要求するはずだったはずだ。
ただ、そこまで苛酷な原発事故をやると地球的な被曝影響が出てきてしまい、それが困るということになって、方針転換。
現在は、本当はあまり大したことのない原発事故を起こし、日本国民だけをひどく被曝させて病気にさせるなどして経済困窮化を誘導し、それによって日本政府自らが、世界中の核廃棄物を受け入れるようになることをねらっているはず。
02. 2013年12月07日 23:00:50 : Azy2RZKHho
いや、わざと破綻させれば破綻する
その事が誰かの利益になるのなら
日銀と財務省、政府はつるんで企んで
わざと日本を破綻させるだろう
破綻処理には日本国民の資産が強制的に使われる
たとえば預金封鎖とかになる
日本がわざと財政破綻を宣言する
その危険性については認識しておいて欲しい
そしてなぜワザと破綻するのかを
それは、それが誰かの利益になるからだ
03. 2013年12月07日 23:03:52 : Azy2RZKHho
そしてもう一つ
戦争を起こせば
それを理由に国の借金を踏み倒せる
そう考える連中もいるかもしれない
04. 2013年12月08日 06:48:15 : U6UXO5dcbU
大企業の倒産劇を見ていて理解できないのか。
すでに破たんしているが表面化していないのが日本の財政。
表面化させないと破たんもできない。破たんはまだましなほうだ。
人がジャンプするには一端、体を大きく地面に近づけるだろう。
この動作が破たんだ。破たんを恐れる必要はない。
05. taked4700 2013年12月08日 12:23:50 : 9XFNe/BiX575U : MQi0BP0zdo
なお、日本が持っている米国債には、政府部門が持っているものと銀行や生保など民間部門が持っているものがあり、両方とも統計が公表されていない。2011年にどういうわけか突然マスコミ報道でアメリカ政府が日本と中国が持っている米国債の金額がほぼ同じであると言い出していた。しかし、これ自体がとてもおかしなことであり、日本は昭和40年代から大規模な対米黒字があり、その頃は日本単独で米国が発行する米国債の半分を買っていた。中国が対米貿易を大規模に始めたのは平成に入ってからであり、それも大規模にやりだしたのはこの10年程度だ。対米貿易の歴史が違っていて、日本と中国で、同じ程度の金額の米国債を持っているというのは不自然だと言ってもいい。
日本政府が持っている外国為替会計の米国債は一応金額が公開されている。ただし、日本政府や日銀が持っている全体での金額は公開されていないし、民間部門も外国債券という分類で金額が公開されているだけで、米国債がいくらかは分からないし、そもそも、金融機関や生保から別の民間企業に売却されている可能性もある。
06. 2013年12月09日 09:32:05 : 2rJJlSaJeI
何を言っているんでしょう?
国際収支や、円建て国債のことを、全く理解していない。
↓参照のこと
「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
07. taked4700 2013年12月09日 10:21:53 : 9XFNe/BiX575U : VMvo8qlXbA
>>06
>何を言っているんでしょう?
>国際収支や、円建て国債のことを、全く理解していない。
だから、何がおかしいかを具体的に述べていただきたい。
なお、円建て国債とは???
日本国債なら普通は円建てだし、米国債ならドル建てが普通。「全く理解していない」のは誰??
そもそも、サブプライムローンの全体像を調べましたか。あれは、アメリカ政府や財界が一体となった壮大な詐欺。そのことはかなりきちんと立証できる。
>↓参照のこと
>「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
これもリンク先のURLが記されていない。
08. 2013年12月13日 13:56:01 : dmjSmrI4jg
>07
>だから、何がおかしいかを具体的に述べていただきたい。
>なお、円建て国債とは???
日本国債なら普通は円建てだし、米国債ならドル建てが普通。「全く理解していない」のは誰??
>↓参照のこと
>「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」
これは、本だから。読めば?ちゃんとわかるように書いてあったから。
09. taked4700 2013年12月14日 23:01:37 : 9XFNe/BiX575U : OIWKjuPywo
>>08
何か、意味不明のコメントですね。自分の投稿と関係のある国際収支や国債についてある程度述べておきます。
1.通貨は経済規模に従って発行されるのです。通貨がないと、労働の成果の物々交換になり、とても不便なので、経済規模に従って新たに供給されたり、または、削減されるのです。現実的には日銀がいろいろな企業の社債などを買ったり売ったりすることで通貨量の調整がされます。日銀が社債を買えば、社会に流通する通貨量が増え、社債を売れば通貨量は減るわけです。その意味で、経済規模が一定程度あれば、それに見合った通貨量があって特におかしくはないのです。社債は会社が発行する借金証書ですから、会社のやっている事業によって利益が将来上がって、借りたお金を返せると考えるから発行するわけですし、社債を買う側も利子がついて償還されると考えるから買うわけです。この意味で、まさしく、社会の経済活動の規模を表しています。
2.通貨だけではないのですが、通貨には労働の成果の取引を円滑化するだけではなく、それを貯蓄する働きがあります。簡単に言えば貯金です。しかし、これはすぐに労働の成果と言う実物と交換するわけではなく、将来使うことができるという意味で貯めているわけです。ここに信用の問題が出てきます。将来、物価が10倍になるとき、利子がほとんどつかなければ誰も貯金をしようとは思わないわけです。つまり、信用性とは物価の値上がり予測と現実の利子率とのバランスによって裏打ちされるのです。
3.ところが、国債とか県債、市債のような公債は、一般的な社債のように事業を行って借りた金よりも多くの利益を上げるというものではありません。国も地方自治体も単に将来税金を集めて国債や県債、市債の償還をするわけです。しかし、現実には、どんどんと借金額が積みあがっているだけで、減っていくことがありません。
4.国や自治体が公共事業を行って景気を下支えすることは、それなりに効果があるとされています。ニューディール政策が典型ですが、現状はそれが曲解され、悪用されていると思います。
5.経済成長に役立たない財政支出が国債や県債などによって大規模に賄われていて、本来税負担をするべき階層に対して、課税が行われていないのです。
6.富裕層の中には、自分たちの払った税金がまともに働くこともしない貧困層のために使われるのは嫌だという主張がある様子です。しかし、富裕層の富の源泉は一般的な市民層にあるわけで、一般的な市民層の一部である貧困層について、その存在を無視するのはおかしいのです。別の言い方では、もし、富裕層が一般市民と関係なく富を生み出せるのであれば、絶海の孤島に行って事業や商売をすればいいのです。
7.富裕層に減税をし、国債や県債を発行することで国や自治体の財政を賄うというのはアメリカのレーガン大統領時代に大規模に始まったことです。
以下、次のコメントに続きます。
10. taked4700 2013年12月15日 00:05:02 : 9XFNe/BiX575U : OIWKjuPywo
09からの続きです。
8.レーガン大統領は1981年に就任しています。1973年のオイルショック、1979年のスリーマイル島原発事故の後のことで、この時代、日本の団塊世代、および、世界中の戦後ベビーブームで生まれた世代が30代になり、世界中の経済活動が活発化した時代です。この時期にレーガン大統領は富裕層減税をやり、その一方で軍備増強をしたのです。当然、アメリカの財政は赤字で、そのため、米国債を大量に発行しました。それを大量に背負わされたのが日本だったのです。
9.日本の金融機関などが大量に米国債を買い込んだわけですが、アメリカの財政は依然として赤字です。日本が買った米国債はすべて買い替えが行われていて、日本へは資金が返ってきていません。たとえば、1970年に買った10年米国債は1980年に満期になりますが、その満期になったお金で新たにまた米国債を買っているのです。こういったことを正当化しているのが戦後継続している円高です。円高は1973年の変動相場制移行によって起こりました。1973年は1960年代の高度成長期を通じてかった米国債の買い替え時期に入っていた時で、変動相場制移行はある意味、円高を演出して資金が日本へ戻らないようにしたのです。この仕組みは次のようなものです。
1970年は1ドル350円でした。ことのとき、350億円で1億ドル分の米国債を購入します。
1980年、1ドルはおおよそ200円ぐらいでした。1億ドル分の米国債を日本円に替えると、200億円にしかなりません。実際には10年分の利子がつくのですが、それでも150億円分の損をカバーできません。そのため、将来、円安になることを期待して、そのまま米国債をもう一度買うわけです。
10.上のような経緯で日本の銀行は大量の米国債をため込みました。このことを一つの理由として、国際決済銀行という国際的な機関がある規則を決めます。それは、国債や県債などの公債は100%安全な債権であると会計規則で決めたのです。銀行が普通の企業に貸し出すときは、貸出先企業の業績などを評価して、安全貸出先とか、多少危険であるとか、かなり危険であるとかの分類をし、それに応じて、貸出利率も変えるのです。安全貸出先と評価されれば、低い利率で借りることができますが、危険な貸出先と評価されると、その企業は非常に高い利子を払わないと借金ができません。別の見方をすると、危険な貸出先がちゃんと借金を返してくれれば、銀行としてはもっとも儲かるわけです。そのため、一部の銀行が暴走し、危険な貸出をやりすぎて、結局倒産したことがあるのです。このことを逆手に取って、国際決済銀行は、自己資本規制と言うことを始めました。つまり、貸出金の中で勝手に危険な貸出を多くできないようにしたのです。しかし、この規制の結果、実際には、100%危険性のない貸し出しだけを行うということがやられ、特に日本の金融機関は国債などの公債をどんどん買い込むことになりました。
以下、次のコメントに続きます。
11. taked4700 2013年12月15日 01:32:13 : 9XFNe/BiX575U : EfHOomzVEQ
10からの続きです。
11.国際決済銀行が国債などを安全債権と会計処理上区分すると決めたことにより、アメリカも日本も富裕層に対して課税を強化しなくても、社会保障などを国債発行に頼ることで賄えることになりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E にある、「所得税の税率の推移」を見ていただければわかりますが、1974年から1983年の間に1億円の収入があった場合、75%の所得税がかかりましたが、今では40%しかかかりません。それどころか、住民税は18%から10%へ、そのほか、株でもうけた場合は、特別にそれだけ別に課税して10%にするなど様々な形で富裕層優遇が進められたのです。この結果、いわゆる富裕層が新たに形成され、彼らが自分たちの地位を失いたくないと考え、さまざまな形で植民地化の実質的な手先となってしまっているのです。
12.ただ、皮肉なことに、第二次世界大戦後のベビーブーム世代が高齢化し、ある意味世界中の経済活動が停滞し、社会保障費がどんどんと高額化する時期にちょうど、日本もアメリカも財政赤字が本格化し、これ以上は赤字を積み上げるのは無理であると言われだしたのです。簡単に言えば、民間銀行が集めている預金額がかなりの程度国債の額に近づいてしまっていて、これ以上民間金融機関が国債を買えなくなってしまっているのです。これが、日本でもアメリカでも中央銀行が大規模にそれぞれの政府の発行する国債を買い込んでいる理由です。
13.しかし、中央銀行が国債を買い込むのは、単に輪転機を回して資金を政府に供給していることになりますから、労働の裏付けがありません。つまり、本来価値のないお金がどんどんと市場に供給されているわけで、将来のインフレ期待がどんどんと高くなっていますし、もう一つは、円安とドル安の競争が起こっているのです。
14.第二次世界大戦で戦勝国は敗戦国から賠償金を取っていません。別の言い方では、戦後日本が買った大量の米国債はアメリカから見れば、戦争賠償金のつもりであり、日本に償還するつもりはないのです。
15.このことに関連し、戦後日本が工業化されたのはとても巧妙なアメリカの戦略でした。原爆を持つことにより軍事的な優位を保ちたいが、核廃棄物の問題が生じて下手をすればアメリカ国内から核反対運動が起こってしまう。そのため、平和利用と称して原子力発電所を世界に広めることで、核廃棄物の問題をごまかし、日本に原発を作らせることで地震国日本で事故が起こり、国土が汚染されれば、そこを世界の核廃棄物処分場として利用できる。そればかりか、日本の国土がほとんど汚染されれば居住不可能になり、日本人を移民としてアメリカやその他の国が大規模に受け入れる代わりに、日本が持っている米国債をチャラにさせることができる。しかも、日本の工業化の過程で米国債をどんどんと買わせることができる。つまり、アメリカは二重の意味でぼろ儲けをたくらんだわけです。
16.しかし、当然、こういった都合のいい話はうまく行かず、地震国日本で全国を汚染するほどの事故を起こせば、地球的な被ばく影響が出てきてしまい、その影響は数十年経っても収まらないことが次第に明らかになってきました。
17.そのため、作戦変更がされ、普遍的な社会の劣化を狙い、単に政府が行っていることは何でもそのまま受け入れるという社会を作ろうとしているのです。それが、いわゆる公務員優遇の意味であり、大規模な入試不正でした。そのための世論コントロールの道具がインターネットであり、秘密保護法なのです。
18.すでに公務員のかなりの部分はひも付きの人に置き換わり、いくらでも嘘を言うようになってしまっているので、今後は、急激に社会が悪化していくでしょう。今まで借金で暮らしていた分、その反動が出てくるのです。現実に、例えば、年金の物価スライド制は実質的に取りやめになり、今後は物価が上がっても数割程度年金が目減りするまでは実質的に年金増額はされないようになってしまっています。
19.ただし、アメリカのこういった政策は基本的に不当なものですから、結局はうまく行かないのです。とても大がかりな社会破壊をした結果、結局駄目だったと分かり、方針変更がされるのでしょうが、それまでには、多くの犠牲が出ることになるのでしょう。
20.アメリカの政策の不当性はかなりはっきりしています。本来なら、富裕層はもっと税負担をし、彼らの富の源泉である一般社会全体をささえる必要があるのです。ところが、単に個々の政策による受益者負担と言う話しかされず、その結果、富裕層は税金負担のし過ぎだという考えがされてしまっています。世界中で富裕層から貧困層まで携帯電話を使っていて、その代金を払っているのに、その結果儲けている富裕層は自分たちだけの街を作り、その街の維持費だけしか負担したくないと言い出しているのです。
21.つまり、本来であれば、「何が本来の税制なのか」とか「公平性とは何か」とか、「公平な税制とはどうあるべきか」とか、「富の源泉は何か」といった議論がもっと社会全体でされなければいけないのですが、残念ながら、自分がどうしたらもっと金持ちになれるかと言うような議論しかされないのです。これでは、一部の超富裕層がますます権力を握り、社会は全体としてより歪み、結局は全体で破局を迎えることになるはずです。
22.もっと身近なレベルで税制の根本的な意味の検討しなおしが必要であり、市議会議員レベルでどんどんそういった討論が必要だと思います。また、マスコミもそういったことを取り上げて、社会全体としてどんな税制が本来の姿であるのかを考え直すべきなのです。しかし、マスコミの幹部はすでに高給取りで自分たちの地位を失いたくないと思っているため、そういった動きをなかなかできない様子です。
23.結局、戦後体制の総決算をするべき時が今来ているのです。