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世界最高峰指揮者<訃報>クラウディオ・アバドさん80歳

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<訃報>クラウディオ・アバドさん80歳=指揮者
毎日新聞 1月20日(月)20時49分配信


アバド氏死去「良き友亡くし、悲しい」=小澤征爾さんがコメント
2014年1月20日(月)22:44
 クラウディオ・アバド氏死去で、親交のあった小澤征爾さんは20日夜、「クラウディオと私は、デビュー前から今日に至るまで、ずっと良き友人でした。彼も私も厄介な病気になってからは、お互いに心配しあってきました。クラウディオは自己管理がとても上手な人だったので、きっと病気を克服して良くなってくれると信じていました。良き友を亡くして本当に悲しいです」とのコメントを出した。 




クラウディオ・アバド氏=AP
 イタリアメディアによると、長年にわたって率いたベルリン・フィルをはじめ多くのオーケストラの近代化を図り音楽界に大きな影響を与えたクラウディオ・アバド氏が20日、亡くなった。80歳だった。病気のため療養を続けていた。

 ミラノ生まれ。ミラノとウィーンで指揮を学び、27歳でミラノ・スカラ座にデビュー、一躍注目を浴びた。その後、スカラ座、ウィーン国立歌劇場、ロンドン交響楽団など伝統の劇場、オーケストラの音楽監督を歴任する一方、若手の音楽学生を組織してECユース・オーケストラ、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラを創設するなど、新世代指揮者のトップとして活躍した。その地位を決定づけたのが1989年のベルリン・フィルの常任指揮者への就任。長年強大な権力を誇った“帝王・カラヤン”が没したあと、団員の全員投票によって行われた指揮者選びは、世界的に話題を呼んだ。その後ベルリン・フィルをカラヤン風豪華けんらんな音色から、切れの良い、機能的でインターナショナルな“新生ベルリン・フィル”へと体質転換させた。昨年10月にはルツェルン祝祭管弦楽団を率いて来日公演を予定していたが、健康上の理由で中止になっていた。【梅津時比古】

 安永徹・元ベルリンフィル第1コンサートマスターの話 アバド氏とはオーケストラを通じて10年近くの交流があった。特別な感覚を持った人で、偉大な指揮者というより偉大な音楽家。とても残念です。



世界最高峰の指揮者、クラウディオ・アバドさんが20日朝、伊北部ボローニャの自宅で死去した。80歳だった。胃がんを患い、闘病を続けていた。カラヤンの後継者としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を率い、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場といった世界に冠たる名門歌劇場の音楽監督を歴任。名実ともにクラシック音楽界の巨匠といえる存在だった。

トピックス「クラウディオ・アバド」
 1933年、イタリア・ミラノの著名な音楽一家に生まれた。地元のジュゼッペ・ベルディ音楽院やウィーン国立音大で学んだ後、イタリア国内を中心に指揮活動を開始。63年にミトロプーロス国際指揮者コンクールで優勝。ヘルベルト・フォン・カラヤンに見いだされて、65年のザルツブルク音楽祭で国際的に知られるようになった。

 68年にイタリアオペラの殿堂ミラノ・スカラ座の首席指揮者、72年には音楽監督に就任。79年にはロンドン交響楽団首席指揮者(のち音楽監督)に就いた。86年にはロリン・マゼールの後を継いでウィーン国立歌劇場の音楽監督になった。90年、カラヤンの後任として、ベルリン・フィル芸術監督に就任した。

 軽やかなイタリア音楽から重厚なドイツ音楽まで幅広いレパートリーを手中にしたが、色彩感に富むマーラーの交響曲でとりわけ名演を残した。ブーレーズをはじめ現代音楽の作曲家たちとも親交を結んだ。日本との縁も深く、73年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を率いて初来日。以来、何度もオペラや管弦楽を指揮した。

 2002年にベルリン・フィルを退任後、世界のトップ奏者を集めたルツェルン祝祭管弦楽団を率いた。04年には若手奏者によるモーツァルト管弦楽団を設立。後進育成にも力を注いだ。昨年10月に7年ぶりの来日公演と被災地慰問を予定していたが、健康上の理由で中止になった。「日本を再訪することを大いに心待ちにしていた。中止は誠に残念です」などとする談話を発表していた。(石田博士=ローマ、神庭亮介、吉田純子)

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アバド氏は「並外れた音楽家」 ベルリン・フィルが追悼


ベルリンフイルのベームの追悼演奏会
曲目/モーツァルト
Symphony N.25 in g minor K.183
1.Allegro con brio 8:04
2.Andante  4:17
3.Menuetto  3:45
4.Allegro  6:05
Symphony N.40 in g minor K.550*
5.Molto allegro  8:30
6.Andante - Mozart 8:05
7.Menuetto ( Alegretto) 4:40
8.Finale ( Allegro assai) 4:41


指揮/カール・ベーム*
演奏/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


録音/1982/10/03 
   1976/09/14 フィルハーモニー、ベルリン


ANF LCB003





 今はユニヴァーサルといっていますが、1990年代はポリグラムといいました。その時代はカール・ベームはほとんど忘れられた存在でした。LP時代はカラヤンと競うようにベームのレコードは発売され話題になりました。そのレコード時代に完成されたレコードアカデミー賞を取ったウィーンフィルとのベートーヴェンの交響曲全集はCD時代になってもカラヤンのものは何度も再発売されましたがカール・ベームの全集は中々発売されませんでした。それほど人気がなかったのです。でも、彼が亡くなった1980年代にはこの指揮者の偉業を讃えて著名な指揮者はこぞって追悼演奏会を開催しました。それらの中で一番有名なのはカルロス・クライバーのものでしょう。何しろ、正規録音の少ない指揮者でしたから、ベートーヴェンの交響曲第4番7番のライブは。超ど級の演奏として今でも語り継がれていますし、カラヤン、ヨッフム、バーンスタインも追悼演奏会を開催していてライブも少なからず発売されていますが、今ではほとんど話題になりません。そういう者の中にこの演奏も含まれるのでしょう。これはベームが振る予定だったベルリンフィルの定期を指揮者無しで演奏しした記録です。


 ただ、どういう経緯でこの録音が世の中に出たのかは知りません。ANFというメーカーから発売されたシリーズの中に含まれています。ANFは元々はANFコーポレーションという会社が有り、CD初期は輸入盤に日本語解説書を付けて結構面白いソフトを発売していました。社長がオペラに造詣が深かった関係で結構レアなオペラものを輸入販売していたと記憶しています。まあ、この当時から海賊盤に近いものも扱っていました。手元に「舞踏音楽300年」なんていう「VIVACE」というレーベルの6枚組のセットが有りますが、今考えると結構怪しい演奏が含まれています。暫くして倒産したらしく、その後「ANFソフト」と名前が変わり本格的に海賊盤を発売し出しました。前者は正規ルートでレコード店で扱っていましたが、後者は駅売りやスーパーのワゴンセールでしか見かけませんでした。で、この一枚はそのワゴンセールで販売されていたものです。多分エアチェックのライブ音源をシリーズ化したものでしょう。ただし、今となっては大変貴重な音源といえるのではないでしょうか。このCDのうたい文句は、
「これは最も優れた指揮者を讃えて行われた指揮者なしによるベルリン・フィル唯一のライヴ録音である。」
でした。


 ここで収録されているのはモーツァルトの交響曲第25番だけです。この日の演奏会、他にどんな曲が演奏されたのかは調べてもちょっと分りませんでしたが、この曲が指揮者無しで演奏されたというのは事実のようです。まあ、世界一のスーパーオーケストラですから、こういう芸当は手慣れたものなんでしょうが、一流の指揮者だけが登場するオーケストラですから、確かにこういう機会は無いのが普通でしょう。ベームはベルリンフィルで唯一モーツァルトの交響曲全集を完成した指揮者ですから、そのベルリンフィルがベームに敬意を表して指揮者無しで演奏したというところがこの演奏の特色であり、この演奏の価値が有ります。


 この1982年はコンサートマスターとしてはまだミシェル・シュワルベが在籍していました。多分、この演奏会をリードしたのも彼の様な気がします。もちろん、彼はベームの指揮のもと交響曲全集の録音にも参加したコンサートマスターですからベームの演奏の特徴は知り尽くしていたことでしょう。



バーンスタインの録音 (1985年)


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○1985年5月29日〜6月3日ライヴ

マーラー:交響曲第9番

アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団
(アムステルダム、コンセルトへボウ音堂、独グラモフォン・ライヴ録音)

テンポは79年のベルリン・フィルとの演奏よりずっと遅くなっています。コンセルトへボウ管の音は弦が透明で柔らかいのが魅力的で、テンポが遅くても・音楽が粘らず重くならないのが素晴らしいと思います。旋律はニュアンス豊かに歌われ、バーンスタインの意図がよく反映されていると思います。特に第2・3楽章のリズムの活力のある楽章でオーケストラのダイナミックで軽やかな動きが楽しめます。ただバーンスタインのマーラーの捉え方は基本的にネアカであって、テンションは高いのですが・健康的に過ぎる感じがします。第1楽章や第4楽章はじっくりと情感豊かに演奏されていて・フィナーレの弦のピアニシモなどは息が詰まるようであり・それ自体に不満はないのですが、その美しさの果てにある感性の歪みのようなものまでは見えてこないのです。そうしたロマン主義の延長線上にマーラーを見るのならば十分に美しい演奏ではありますが。


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○1985年11月3日ライヴー1

シューマン:劇付随音楽「マンフレッド」序曲

ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウイーン、ウイーン音楽友協会大ホール、カール・ベーム追悼演奏会)

テンポを早めに取って・疾走するようなオケの動きが緊張感と悲劇性を高めますが、その一方でリズムの打ち方がやや浅く・聴き手を急き立てるような感じがないでもありません。このテンポでは旋律が十分に息長く歌えず・感銘が薄くなるのはやむを得ないところです。バーンスタインは気合いが入っていて・時折りうなり声を上げています。ウイーン・フィルはバーンスタインの棒によくついていますが、弦は線が強過ぎてキンキンする感じが若干します。


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○1985年11月3日ライヴー2

チェロ協奏曲

ミッシャ・マイスキー(チェロ独奏)
ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウイーン、ウイーン音楽友協会大ホール、カール・ベーム追悼演奏会)

マイスキーのチェロはやや細身で低音が不足の感じですが引き締まった音で・中音域はまろやかで豊かな響きです。素晴らしい技巧を生かして・まるでヴィオラのように軽やかで口当たりが良い音楽になっていると思います。しかし、巧過ぎると言って不満を言うようですが・何となくこの楽器が持つ不器用な魅力が生きてこない感じもします。全体のテンポは早め。オーケストレーションに難点があるせいか・オケの印象が淡く・全体としては薄味な感じの演奏に思えます。


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○1985年11月3日ライヴー3

シューマン:交響曲第2番

ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウイーン、ウイーン音楽友協会大ホール、カール・ベーム追悼演奏会)

バーンスタインはシューマンの交響曲では第2番を最も好んでいたと思いますが、それも納得できる力演です。リズムがきびきびしていること・高弦の旋律線がきつい感じがしますが、活気がある演奏に仕上がっています。全体を早めのテンポで引き締めています。特に前半第1〜2楽章はウイーン・フィルの斬れのある見事な演奏を見せます。バーンスタインは要所要所でテンポを微妙に動かし・音楽にメリハリをつけていますが、それもわざとらしさがなくて・自然に感じられます。ロマンティックな柔らかい感触より、さらりとして・爽やかなラテン的感性を感じさせるところにバーンスタインの特徴があるのだと思います。


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○1985年11月25日〜12月3日ライヴ

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール、独グラモフォン・ライヴ録音)

バーンスタインらしく熱くのめりこみの強い演奏です。まったくバーンスタイン的な世界であるといえます。響きが濃厚で、リズムがずっしりと重めです。これは両端楽章において顕著です。ニューヨーク・フィルはバーンスタインの意図をよく理解して、緊張感ある演奏を展開しています。旋律はねっとりとしたテンポで濃厚に歌い上げられ、時としてリズムは叩き付けるように鮮烈です。この両端楽章は聴きものですが、過剰なくらいにロマンティックな解釈だと思います。熱い主張はありますが、引き裂かれるようなアンビバレントな感情は聴こえてきません。この演奏の問題は中間の3楽章にあるかも知れません。この交響曲全体をロマンティックな流れの上に捉えており・第3楽章の舞曲風リズムもワルツへの憧れを熱く歌うのですが、それがワルツになり切れないことの哀しさは聴こえて来ません。その辺りがバーンスタインのマーラーの評価の分かれるところかと思います。第4楽章の夜曲も確かにここに安らぎはあるのですが、実はマーラーは眠れないのではないか・と感じさせるところがバーンスタインの演奏ではありません。しかし、第5楽章冒頭のリズムの刻み方など興味深い箇所が随所にあり、聴く価値がある演奏であることは間違いありません。


カラヤン・メモリアル・コンサート


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウディオ・アバド カリタ・マッティラ , サラ・ミンガルド , ミヒャエル・シャーデ , ブリン・ターフェル チケットを購入してこのコンサートを観る

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
《墓標の音楽》K. 42より〈この心を見て私に問え〉・《証聖者の荘厳晩課》K. 339より〈ラウダーテ・ドミヌム〉 (10:49)
ラヘル・ハルニッシュ(ソプラノ), スウェーデン放送合唱団, マリア・ヴィースランダー(合唱指揮)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
レクイエム(フランツ・バイヤーとロバート・レヴィンによる校訂版) (51:31)
カリタ・マッティラ(ソプラノ), サラ・ミンガルド(メゾ・ソプラノ), ミヒャエル・シャーデ(テノール), ブリン・ターフェル(バリトン), スウェーデン放送合唱団, マリア・ヴィースランダー(合唱指揮)
プログラム30年以上にわたりベルリン・フィルの首席指揮者を務めたヘルベルト・フォン・カラヤンは、1989年7月16日に逝去しました。当演奏会では、カラヤンの没後10周年を記念し、後継者クラウディオ・アバドがモーツァルトのレクイエム等、宗教曲3作品を指揮しています。モーツァルト、カラヤンの双方にとってゆかりの深いザルツブルクの大聖堂におけるライブ映像です。

カラヤンは1965年、当時新進指揮者だったアバドをザルツブルク音楽祭に招聘し、キャリアの進展を援助しています。当演奏会は、そうした音楽家間のつながりをドキュメントするものとも言えるでしょう。レクイエムでは、フィンランドの名ソプラノ、カリタ・マッティラ等、ソリスト陣も敬虔な歌いぶりを見せています。

この曲は、未完の大作として知られていますが、ここでは音楽学者フランツ・バイヤー、ロバート・レヴィンによる校訂版スコアが使用され、モーツァルトの意図に近付く試みがなされています。

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