BSプレミアム クラシック倶楽部 2014年1月6日
久しぶりに質の高いアンサンブルだなと思いました
楽曲はピアノトリオをモチーフにして、若き日のブラームスと天才メンデルスゾーンから
この三者のバランス感ある、質の高い演奏に久しぶりに酔いしれました
休日の午後に、好い音楽を聴くとほっとします
タラタラランから帰ってきて、好い響きの豊饒な余韻が身体全体を揺さぶります
1991年頃、諏訪内ブームでした
名器"ドルフィン"が好く響いてました
諏訪内晶子 ピーター・ウィスペルウェイ 江口玲 アンサンブル
ピアノ三重奏曲 ロ短調作品8第1楽章 ブラームス作曲
ピアノ三重奏曲 ロ短調作品8第4楽章 ブラームス作曲
この「ピアノ三重奏曲 第一番」は1854年、ブラームスがなんと21歳の若さで作曲しています。その後、亡くなる6年前にあたる1891年、58歳の時に改訂され、現在ではこの改訂されたものが演奏されることがほとんどになっています。
私が持っている譜面にはその両方が掲載されていますが、時をへだてて改訂されたものは、最初のものよりぐんと複雑で、大きな曲になっています。37年の間にコンチェルト、交響曲など数多くの作品を書いてきたブラームスの筆の力が集積されているようにも思われます。
だからでしょうか、例えばここはピッコロが聞こえてくるとか、弦楽器が束になって響いているところだとか、金管楽器が高らかに歌っているところだとか、ピアノを弾きながら、私にはそんな風に感じられるところがたくさんあります。そしてつくづくピアノはオーケストラのようだと思わずにはいられませんでした。
また、ブラームスは20歳の時に、リストやロベルト&クララ・シューマン夫妻に出会っています。そしてその年にシューマンは論説「新しい道」を書いて、ブラームスを新世界の巨匠として世の中に紹介しています。その翌年、シューマンはライン川に身を投じて一命はとりとめたものの精神病院に送り込まれますが、この頃からブラームスのクララ・シューマンへの想いは恋の情熱へと高まっていきます。
そんなことを思い浮かべると、この曲の各楽章の流れ、全体を通して見た時の流れは、なんだかもう溢れ出るロマンティシズムと、期待、不安、喜び、失望などが交錯する色彩をにわかにおびてくるように感じます。揺れ動いている気持ちがそのまま音になっているような気さえしてきます。
そしてその時の自分自身を、37年後のブラームスが力強い筆で再構築している姿が見えてきます。作品全体を通した曲の流れ、揺るがない骨組み・構造力の強さ。メロディーの美しさ。ヴァイオリン、チェロ、ピアノの拍がずれながら屹立し、交錯する緊張感。ここのところでグッときちゃうのよと感じざるを得ないような持っていき方など、感嘆するところがたくさんあります。
ピアノ三重奏曲 第1番二短調作品49 メンデルスゾーン作曲
バイオリン:諏訪内晶子
チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ
ピアノ:江口玲
[収録:2013年2月16日/横浜みなとみらいホール・大ホール]
諏訪内晶子
1972年東京出身。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。
(第1位、同コンクール史上最年少、日本人初、満場一致)当時この大ニュースがテレビで突然流れてきたことを昨日の事のように記憶しております。それもこのコンクールの様子の一部までビデオ録画で放映されました。しかも驚くことに、このコンクールの直前に彼女は風邪をひいていた事もあり非常に体のコンディッションが悪かった時の事だったのです。
桐朋女子高等学校音楽科卒、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを修了。その後、ジュリアード音楽院本科、および、コロンビア大学に留学。
1994年 ジュリアード音楽院修士課程修了。同学でドロシー・ディレイに師事。
ピーター・ウィスペルウェイ
オランダのハールレム生まれ。アンナー・ビルスマに師事し後、ポール・カッツ、ウィリアム・プーリスに学ぶ。1985年、おらんダで最も将来性のある演奏家に2年に一度与えられるエリザベス・エヴァーツ賞を受賞。1992年には、優れた若手オランダ人音楽家に贈られる最高のオランダ音楽賞をチェリストとして初めて受賞している。
作品の様式と音楽に対する独創的で深い洞察力、それに超絶的なテクニックが伴い、古楽器と現代楽器の双方を最高の演奏水準で弾き分けるという前人未踏の境地に達したチェリスト、ウィスペルウェイは、今や世界最高のチェリストの一人として注目されている。
ヨーロッパやアメリカで、その演奏は聴衆と批評家の双方から最高の評価を受けており、日本においても、前回2005年の来日では各新聞・雑誌から絶賛されている。
チャンネル・クラシックからリリースされている多数のCDは、世界中の批評家から称賛され、多くの賞を受賞している。最近は若手の逸材であるアレクサンドル・メルニコフと組んで、息の合った名演奏で楽しませてくれている。
ウィスペルウェイはウイグモアホール、シャトレ座、コンセルトヘボウ、コロン劇場、ウオルト・ディズニーホール、リンカーンセンターなどで定期的にリサイタルを開催しており、ソリストとしては、エサ=ペッカ・サロネン、ヘルベルト・ブロムシュテット、ワシリー・シナイスキー、パーヴォ・ベルグルンド、ルイ・ラングレ、マルク・ミンコフスキー、トム・コープマン、リボル・ペシェック、ロジャー・ノリントンといった著名な指揮者とも共演、バストン響、ロサンジェルス・フィル、サンパウロ室内管、ロッテルダム・フィル、ハレ国立フィル、BBC響、ゲヴァントハウス管、オーストラリア室内管、ロンドン響、カメラータ・ザルツブルクといった世界中の主要なオーケストラと協奏曲の公演を行なっている。
今後多くの期待を持って楽しみにしたいチェロ演奏家の一人である。
江口玲
東京に生まれ、東京芸大附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノを故ハーバート ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル サンダース、作曲を佐藤眞、故北村昭、物部一郎の各氏に師事。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。2006年より洗足学園音楽大学大学院の客員教授を務める他、2011年4月より東京芸藝術大学ピアノ科の准教授に就任。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。
クラシック倶楽部 ロータス・カルテットによるブラームス ウェブ検索
1/14 (火) 6:00 〜 6:55 (55分) この時間帯の番組表
NHK BSプレミアム(Ch.3)
音楽 - クラシック・オペラ , 音楽 - ライブ・コンサート 番組概要ロータス・カルテットによるブラームス▽【演奏曲】弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51 第1(ブラームス作曲)ほか
番組詳細【出演】弦楽四重奏…ロータス・カルテット,バイオリン…小林幸子,マティアス・ノインドルフ,ビオラ…山碕智子,チェロ…齋藤千尋「弦楽四重奏曲 イ短調 作品51 第2」ブラームス:作曲,(作曲)ブラームス,(弦楽四重奏)ロータス・カルテット,「弦楽四重奏曲 ハ短調 作品51 第1から第3、第4楽章」ブラームス:作曲,(作曲)ブラームス,(弦楽四重奏)ロータス・カルテット
久しぶりに質の高いアンサンブルだなと思いました
楽曲はピアノトリオをモチーフにして、若き日のブラームスと天才メンデルスゾーンから
この三者のバランス感ある、質の高い演奏に久しぶりに酔いしれました
休日の午後に、好い音楽を聴くとほっとします
タラタラランから帰ってきて、好い響きの豊饒な余韻が身体全体を揺さぶります
1991年頃、諏訪内ブームでした
名器"ドルフィン"が好く響いてました
諏訪内晶子 ピーター・ウィスペルウェイ 江口玲 アンサンブル
ピアノ三重奏曲 ロ短調作品8第1楽章 ブラームス作曲
ピアノ三重奏曲 ロ短調作品8第4楽章 ブラームス作曲
この「ピアノ三重奏曲 第一番」は1854年、ブラームスがなんと21歳の若さで作曲しています。その後、亡くなる6年前にあたる1891年、58歳の時に改訂され、現在ではこの改訂されたものが演奏されることがほとんどになっています。
私が持っている譜面にはその両方が掲載されていますが、時をへだてて改訂されたものは、最初のものよりぐんと複雑で、大きな曲になっています。37年の間にコンチェルト、交響曲など数多くの作品を書いてきたブラームスの筆の力が集積されているようにも思われます。
だからでしょうか、例えばここはピッコロが聞こえてくるとか、弦楽器が束になって響いているところだとか、金管楽器が高らかに歌っているところだとか、ピアノを弾きながら、私にはそんな風に感じられるところがたくさんあります。そしてつくづくピアノはオーケストラのようだと思わずにはいられませんでした。
また、ブラームスは20歳の時に、リストやロベルト&クララ・シューマン夫妻に出会っています。そしてその年にシューマンは論説「新しい道」を書いて、ブラームスを新世界の巨匠として世の中に紹介しています。その翌年、シューマンはライン川に身を投じて一命はとりとめたものの精神病院に送り込まれますが、この頃からブラームスのクララ・シューマンへの想いは恋の情熱へと高まっていきます。
そんなことを思い浮かべると、この曲の各楽章の流れ、全体を通して見た時の流れは、なんだかもう溢れ出るロマンティシズムと、期待、不安、喜び、失望などが交錯する色彩をにわかにおびてくるように感じます。揺れ動いている気持ちがそのまま音になっているような気さえしてきます。
そしてその時の自分自身を、37年後のブラームスが力強い筆で再構築している姿が見えてきます。作品全体を通した曲の流れ、揺るがない骨組み・構造力の強さ。メロディーの美しさ。ヴァイオリン、チェロ、ピアノの拍がずれながら屹立し、交錯する緊張感。ここのところでグッときちゃうのよと感じざるを得ないような持っていき方など、感嘆するところがたくさんあります。
ピアノ三重奏曲 第1番二短調作品49 メンデルスゾーン作曲
バイオリン:諏訪内晶子
チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ
ピアノ:江口玲
[収録:2013年2月16日/横浜みなとみらいホール・大ホール]
諏訪内晶子
1972年東京出身。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。
(第1位、同コンクール史上最年少、日本人初、満場一致)当時この大ニュースがテレビで突然流れてきたことを昨日の事のように記憶しております。それもこのコンクールの様子の一部までビデオ録画で放映されました。しかも驚くことに、このコンクールの直前に彼女は風邪をひいていた事もあり非常に体のコンディッションが悪かった時の事だったのです。
桐朋女子高等学校音楽科卒、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを修了。その後、ジュリアード音楽院本科、および、コロンビア大学に留学。
1994年 ジュリアード音楽院修士課程修了。同学でドロシー・ディレイに師事。
ピーター・ウィスペルウェイ
オランダのハールレム生まれ。アンナー・ビルスマに師事し後、ポール・カッツ、ウィリアム・プーリスに学ぶ。1985年、おらんダで最も将来性のある演奏家に2年に一度与えられるエリザベス・エヴァーツ賞を受賞。1992年には、優れた若手オランダ人音楽家に贈られる最高のオランダ音楽賞をチェリストとして初めて受賞している。
作品の様式と音楽に対する独創的で深い洞察力、それに超絶的なテクニックが伴い、古楽器と現代楽器の双方を最高の演奏水準で弾き分けるという前人未踏の境地に達したチェリスト、ウィスペルウェイは、今や世界最高のチェリストの一人として注目されている。
ヨーロッパやアメリカで、その演奏は聴衆と批評家の双方から最高の評価を受けており、日本においても、前回2005年の来日では各新聞・雑誌から絶賛されている。
チャンネル・クラシックからリリースされている多数のCDは、世界中の批評家から称賛され、多くの賞を受賞している。最近は若手の逸材であるアレクサンドル・メルニコフと組んで、息の合った名演奏で楽しませてくれている。
ウィスペルウェイはウイグモアホール、シャトレ座、コンセルトヘボウ、コロン劇場、ウオルト・ディズニーホール、リンカーンセンターなどで定期的にリサイタルを開催しており、ソリストとしては、エサ=ペッカ・サロネン、ヘルベルト・ブロムシュテット、ワシリー・シナイスキー、パーヴォ・ベルグルンド、ルイ・ラングレ、マルク・ミンコフスキー、トム・コープマン、リボル・ペシェック、ロジャー・ノリントンといった著名な指揮者とも共演、バストン響、ロサンジェルス・フィル、サンパウロ室内管、ロッテルダム・フィル、ハレ国立フィル、BBC響、ゲヴァントハウス管、オーストラリア室内管、ロンドン響、カメラータ・ザルツブルクといった世界中の主要なオーケストラと協奏曲の公演を行なっている。
今後多くの期待を持って楽しみにしたいチェロ演奏家の一人である。
江口玲
東京に生まれ、東京芸大附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノを故ハーバート ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル サンダース、作曲を佐藤眞、故北村昭、物部一郎の各氏に師事。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。2006年より洗足学園音楽大学大学院の客員教授を務める他、2011年4月より東京芸藝術大学ピアノ科の准教授に就任。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。
クラシック倶楽部 ロータス・カルテットによるブラームス ウェブ検索
1/14 (火) 6:00 〜 6:55 (55分) この時間帯の番組表
NHK BSプレミアム(Ch.3)
音楽 - クラシック・オペラ , 音楽 - ライブ・コンサート 番組概要ロータス・カルテットによるブラームス▽【演奏曲】弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51 第1(ブラームス作曲)ほか
番組詳細【出演】弦楽四重奏…ロータス・カルテット,バイオリン…小林幸子,マティアス・ノインドルフ,ビオラ…山碕智子,チェロ…齋藤千尋「弦楽四重奏曲 イ短調 作品51 第2」ブラームス:作曲,(作曲)ブラームス,(弦楽四重奏)ロータス・カルテット,「弦楽四重奏曲 ハ短調 作品51 第1から第3、第4楽章」ブラームス:作曲,(作曲)ブラームス,(弦楽四重奏)ロータス・カルテット