原発地下水 最高の210万ベクレル
福島原発:井戸地下水から過去最高の210万ベクレル検出
福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールにある燃料のカバーで確認された3カ所のひび(矢印)(東京電力提供)
(共同通信) 東京電力は27日、福島第1原発の護岸に掘った観測用井戸の地下水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を、過去最高の1リットル当たり210万ベクレル検出したと発表した。井戸は1、2号機近くの護岸にあり、水は26日に採取した。この井戸では、濃度が上昇傾向にあり、19日採取分ではそれまでの最高値の同190万ベクレルだった。ただし、付近の観測用井戸は上昇傾向を示しておらず、東電は上昇した原因を調べている。【岡田英】
(毎日新聞) 2013年12月27日 22時02分
2013年12月27日
安倍晋三氏の「やりたい放題」に拍車がかかってきた。
背景にあるのは「数の論理」である。
衆参両院で安倍政権与党が過半数を確保した。
この状態さえ確保してしまえば、縦のものでも横にできる。
その慢心が支配している。
その象徴が特定秘密保護法の制定であった。
国会での論議も不十分、主権者の多数が法律制定に反対であることが示されているのに、問答無用。
国会の「数の論理」で法律制定を押し通した。
消費税増税も慎重に検討したとのアリバイ作りには熱心であったが、元より増税実施は既定路線だった。
高めの経済成長率の数値が発表されることを仕組んでおいて、そのタイミングで増税実施方針を公表した。
普天間の辺野古移設は、配下に置いた仲井真弘多沖縄県知事に埋め立て許可を出させるシナリオが準備され、計画通りに埋め立て許可を出させた。
仲井真弘多氏は安倍政権の支援によって2006年の知事選で当選を果たした人物である。
仲井真氏の当選を実現させたキーファクターが徳洲会の組織選挙であったことが専門家によって指摘されている。
徳洲会は対立候補の糸数慶子氏を支持していたが、2006年の知事選直前に仲井真支持に切り替わった。
徳洲会は生体腎移植問題で刑事告発寸前の状況に追い込まれ、このことでゆすられて、仲井真支持に転向したのではないかと思われる。
そして、徳洲会が組織選挙を展開して仲井真氏の当選が実現した。
今度は、その徳洲会が組織選挙で公職選挙法違反の罪に問われている。
この問題が仲井真氏に波及しかねないなかで、仲井真氏は埋め立て問題の回答を迫られた。
仲井真氏としては、辺野古埋め立て許可を出すしか道はないと考えたのだろう。
仲井真氏の変節を沖縄県民が容認するのか。
するわけがないと思われる。
名護市の市民は明年1月19日に市長選を迎える。
辺野古の海に基地を建設することを認めるのか。
名護市民の矜持が問われる局面である。
次の国政選挙まで、恐らく2年半の空白期が続く。
だから、安倍晋三氏はそれまでは、「やりたい放題」だと高を括っているのだろう。
憲法改正はハードルが高い。
憲法改正のハードルを一気に引き下げる方法が憲法96条の改正だ。
衆参両院で、それぞれ、3分の2の賛成がなければ憲法改正を発議できない現状を、衆参両院で、それぞれ過半数の賛成で憲法改正を発議できるように変える。
96条改正を実現してしまえば、憲法を根こそぎ改定することができる。
この目論見を安倍晋三氏は維持していると思われるが、さすがに、この提案には反対意見が強い。
憲法改定賛成派の憲法学者でさえ、96条の先行改定には反対の意見を表明する。
安倍晋三氏は96条改定の希望を維持していると思われるが、その実現が容易ではないことから、憲法を変えずに、実体を変える方針に転じたと思われる。
憲法を変えずに実体を変えるというのが、解釈改憲である。
ターゲットとされるのが、第9条である。
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更が目論まれている。
安倍晋三氏は、米国が創作する戦争に日本がいつでも加担できる憲法解釈を求め、これをごり押ししてくる可能性が高い。
米国が創作する戦争に日本が加担することに日本国民は強く反対するだろう。
そこで、国民には秘密にして、戦争への加担を決める体制を整えた。
それが、特定秘密保護法を日本版NSC設置法の制定である。
憲法のなし崩し実質改定が強行推進されつつある。
福島の原発事故を経て、原発の安全神話は崩壊した。
日本を滅亡させる原発事故は今後も発生し得る。
だから、大多数の国民が脱原発を主張している。
そのなかで、安倍政権は2014年の原発全面再稼働を指揮し始めている。
日本の国家主権を喪失させるTPP参加に突き進んでいる。
挙句の果ては靖国参拝だ。
原発・憲法・TPP・消費税・沖縄で大暴走を演じ、その暴走車が靖国神社に突入した。
これが日本の危機、アベノリクスである。
2013年12月27日
どうにも、この人物の外交姿勢が判らない。幼稚さと奢りの象徴だと思えば、理解出来ないこともないのだが、官邸で孤立しているわけでもないのだろうから、周辺の人々の考えくらい聞いたに違いない。到底、全員が国益より、首相への阿りに徹した人物ばかりがいるわけではないだろう。それとも、安倍首相に対しては、“もの言えば唇寒し”、な雰囲気が蔓延しているのだろうか。
7年前には、小泉純一郎が靖国を参拝しているが、当時、中韓との関係は小康状態で、特に善くも悪くもなかった。米国とは、ブッシュのイケイケと手を結び、蜜月に近い関係を構築し、日本売りをしていたわけだから、日米関係は極めて良好であった。当時に比べた場合、現在は中国とは尖閣や航空識別圏における鞘当が頻発しており、何らかのキッカケ一つで戦火を交えるセンシティブな緊張関係が存在する。韓国の慰安婦を含む戦中の歴史認識問題も、彼の国のヒステリー症状をカウントするとしても、最悪に限りなく接近した状況にある。
欧米露も、一様に安倍首相の靖国参拝に対し、温度差はあるが、批難の声明をあげている。安倍政権の改憲を懐刀に行われている一連の法案成立は、一見、米軍と自衛隊の共同体構築の必要悪のように理解されているし、アメリカのたっての要望のような装いをしているが、安倍の腹にイチモツが隠し持たれている疑念をオバマ米大統領は理解しているだろう。その意味で、アメリカの苛立ちは相当のものだ。官邸は、安倍の靖国訪問を受けて、アメリカ政府が懸念や憂慮の意を示す程度と考えていた節があるが、現実は「失望」と云うメッセージが出されている。時事通信は以下のように伝えている。
≪ 靖国参拝「中国への贈り物」=いら立つオバマ政権−米紙
【ワシントン時事】26日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は社説で、安倍晋三首相の靖国神社参拝について「日本の軍国主義復活という亡霊を自国の軍事力拡張の口実にしてきた中国指導部に対する贈り物になった」と論評した。
オバマ政権はこれまで域内安定を重視し、日本側にさまざまなレベルで参拝の自制を求めてきたが、こうした努力が公然と無視されたことにいら立ちを隠せないでいる。
同紙はまた、靖国参拝は「日韓関係の改善に行動を起こすのを拒否してきた韓国の朴槿恵大統領の姿勢を鮮明に正当化するものだ」 と指摘する識者の見解を掲載した。米政府内では最近、朴大統領のかたくなな姿勢が日韓関係の障害になっているとの見方が強まっていただけに、政権内の知日派ははしごを外された格好となっている。
国務省のサキ報道官は同日、「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに失望している」とする談話を発表。在日米大使館が発表した声明と同じ内容だが、国務省の立場として改めて世界に向けて表明された。
≫(時事通信)
中国では、安倍晋三の入国禁止の是非が問われたり、韓国では、日本との軍事交流は考え直さなければならない等の話も聞こえてくる。例の弾薬1万発について、即刻返却するとは言わず、補充完了次第返却、となんだかコチラも当たり前のことを意味深く語っている(笑)。安倍シンパな人々や、保守というより右翼に近い論者たちも、大いに安倍の参拝を評価しているのだが、日本政府の本質が再び現れたと見る向きも多いのが最大の懸念となるだろう。日米同盟重視、或いは基軸と云う表現が可能だった状況から、一歩退くリスクも抱えたようだ。デフレからの脱却、強い日本を取り戻すと云う“アベノミクス”への評価も変質するだろう。
現在進行形の安倍首相の経済政策“アベノミクス”は、政策の善悪は別にして、世界の金融資本からは好評価(稼げるネタ)を受け、特に異次元の金融緩和は、為替誘導と知りつつ、その行為を容認する欧米の後押しがあっての、影響力だった。しかし、この評価は必ず後退する。おそらく、年明けに、その姿が表れるに違いない。株価が紆余曲折を伴いながらも上昇していた動力源が海外のファンド資金である事は自明なわけで、これら資金の撤退が早まるリスクを安倍は“私情”の貫徹により犯したことになる。軍事上も、経済上も、“私情”のために“国益”を後退させた靖国参拝と云うことになる可能性が極めて高くなった。
安倍晋三が珍しく、公約を実行した。まぁ靖国を参拝するなら、26日は絶好のタイミングだったのだろう。内閣総理大臣に私的とか、個人的信仰の問題とか云う詭弁は通用しないのが国際社会、その影響についても、彼が全面的に受け入れなければならない。筆者は、安倍晋三が行きたかったのであれば、行くのは勝手だと思う。特に、是々非々の感情は湧かない。しかし、我が国が、中韓との関係改善を望むとするのであれば、子供じみた愚挙と言えるだろう。米国のたび重なる警告を無視した点は、個人的には評価する。しかし、その結果責任は安倍自身にとって貰わない事には、あまりにも東シナ海周辺をキナ臭いものになる。一旦、火を噴いた時に、日米同盟が真っ当に機能するかどうか、当てにはならない情勢だ。
安倍晋三の頭の中は、奇妙奇天烈な計算式が存在し、対米中韓関係に於いて、彼の国に対し、足し算引き算が成り立っているものと想像する。つまり、あれこれアッチの主張を取り入れ、その行動を補佐した。故に、コチラの都合も偶には聞いて貰うとか、見逃して貰うのが筋論、と云う数式が成立しているのだと思う。小学生の口げんかのような論法だ。辺野古埋め立てで、沖縄県知事をねじ伏せたご褒美のようなもの、一つくらい好き勝手させて貰って、何処がイケナイの?外交的にでも、そのような“ボッチャン家庭の情”の世界が存在すると思っているのだろう。この調子だと、間違いなくソチ冬季五輪の開会式に出席するのだろう。そして、北方領土問題の前進を画策し、米中を牽制しようと思っているようだが、プーチンが世界情勢を無視して、安倍の幼稚な遊びにつき合うとは思えない。
安倍首相は、日本国家のためというより、全く個人的な主義でしか靖国参拝を考えていない。今まで悉く、中国、韓国にあてつけるような態度、所業を行い、感情を逆なでしている。その内に、中国からの挑発で事が起きるのではないかと考えている。ある意味、安倍氏の心の中には、国民の意識を国防に集中させ、憲法改正を狙っていると思われる。
これに対して、マスコミは野党の安倍批判の報道をかなり抑制していると感じている。相当な圧力がマスコミ、特にテレビ報道に掛っているようだ。
「不正選挙を仕掛けたのは一体誰か」(EJ第3702号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/383593794.html
2013年12月27日 Electronic Journal
7月1日から6ヶ月間、124回にわたって書き続けてきた今
回のテーマは、年末でもあり、今日で一応終了します。しかし、
まだまだ書くべきことが残っています。
―――――――――――――――――――――――――――――
仕掛け人候補その1 「政治家」
仕掛け人候補その2 「官僚」
仕掛け人候補その3 「財界」
仕掛け人候補その4 「巨大メディア」
仕掛け人候補その5 「ジャパンハンドラー」
──平野貞夫著/ビジネス社刊
『真説/小沢一郎謀殺事件/日本の危機は救えるか』
―――――――――――――――――――――――――――――
上記の順に書いてきましたが、結局「官僚」のところで終って
しまいました。残るは、「財界」「巨大メディア」「ジャパンハ
ンドラー」──肝心の、一番重要なところにはメスが入れられて
いないのです。いずれ機会を見て取り上げます。
考えたくないことですが、どうやら不正選挙は間違いなく行わ
れているようです。それでは、誰がそんなことを行っているので
しょうか。自民党でしょうか。
それは違います。自民党が関与していないとはいいませんが、
自民党単独でこのようなことができるはずがないのです。これに
は、仕掛け人候補その3〜5が深くかかわっています。はっきり
いうと、自民党と公明党が政権を担っていないと、不利益を被る
勢力が仕掛けているのです。
これについては、植草一秀氏の次の書籍の第3章を参照される
ことをお勧めします。きわめて的確に現在の日本という国のかた
ちが述べられています。
―――――――――――――――――――――――――――――
植草一秀著/飛鳥新社刊
「日本の独立/主権者国民と『米・官・業・政・電』利権複
合体の死闘」/? この国のかたち
―――――――――――――――――――――――――――――
ことは明治維新まで遡るのです。そのためにEJでは、かつて
明治維新をテーマに取り上げて書いています。84回連載したも
のの、まだ完結していません。 http://bit.ly/1e9HFGj
戦後に転機が訪れたのですが、米国によって官僚機構はそのま
ま温存され、現在では強固な岩盤となって、厳然と存在していま
す。そのバックには米国がいるのです。植草氏は、同書で次のよ
うに述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
米国と官僚と大資本。この三者が日本の支配者であり続けた。
米・官・業のトライアングルは、その代理人である利権政治屋
(=政)と一般民衆を操縦する主体であるマスメディア(電波
=電)を動員して、巨大な利権複合体を形成して日本支配を続
けてきた。これが米・官・業・政・電=悪徳ペンタゴンによる
日本政治支配の基本構造である ──植草一秀著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
米国と官僚と大資本──ここに、今回私が書き残した「財界」
「巨大メディア」「ジャパンハンドラー」のすべてが出てくるの
です。戦後の日本の政権は、「対米従属」か「自主独立」かに二
分されますが、自主独立を主張する政権は徹底的な米国からの攻
撃を受けて潰されてきた歴史があります。
しかし、2009年に奇跡が起こり、小沢一郎氏が率いる対米
従属でない民主党政権が誕生したのです。おそらく米国にとって
最大の危機が訪れたということができます。それがどうなったか
いうまでもないでしょう。彼らは、不正選挙であろうと手段を選
ばない方法で現在の安倍政権を誕生させたのです。
戦後の政権で米国が最も待望したのが岸政権です。この政権に
対して米国は秘密裏に選挙資金提供を行ったことが、米外交文書
によって明らかになっています。そして時を経て、現在は岸の血
筋を継ぐ安倍政権です。政権発足後1年になりますが、米国は陰
ながら、アベノミクスを支えています。景気が回復すると、国民
は政権を批判しなくなるからです。このことについては次のEJ
のテーマで明らかにしていきます。
しかし、本当に自民党でいいのでしょうか。1年経過して、安
倍政権の本性が見えてきています。安倍政権は、前の菅、野田政
権が劣悪過ぎたためにトクをしている面がありますが、安倍政権
には大きな問題がいくつもあるのです。
第1次安倍政権の2006年12月の国会答弁で、「全電源喪
失など起こらない」といったのは安倍首相その人です。しかし、
福島事故が起きてからも一向に反省せず、経営者・株主・貸し手
責任を一切問わずに東京電力を温存させ、1兆円の公的資金を返
却しなくてもよいとし、原子力賠償支援機構からの交付金を9兆
円に増額しているのです。その一方で、福島原発の廃炉費用を電
気料金に上乗せすること許し、さらに東京電力の負担を軽減する
ために、除染まで放棄しようと画策しています。
国内の処理も満足にできないのに、トルコなど海外に原発を売
り込み、夫人の反発まで買っています。しかし、安倍政権は高い
支持率にもかかわらず、多くの地方選で負け続けています。その
ため安倍首相は現在選挙をとても恐れています。
植草氏は、諸悪の根源である企業献金を廃止すれば、利権共同
体は崩壊するとして、次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
これまでの自民党政治が国民に苛酷である一方、企業を優遇し
続けてきた最大の原因は、自民党の政策が巨大な資金を提供す
る企業の方向に向いていたからである。市場原理主義の経済政
策、国民の生活に冷酷な政策は、巨大な企業献金に原動力があ
ったのだ。 ──植草一秀著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
── [自民党でいいのか/最終回/124]
≪画像および関連情報≫
●「対米従属という宿痾」/飛鳥新社
―――――――――――――――――――――――――――
植草一秀氏は自ら、「人物破壊工作によって社会的生命を
抹殺された」と述べている。しかし、彼の日本論は極めて鋭
い。一見に値する。『鳩山由紀夫/孫崎享/植草一秀/対米
従属という宿痾』おわりにの部分で、植草一秀氏の書いた部
分を紹介する(孫崎亨氏のツイート)。
人物破壊工作によって社会的生命を抹殺された私が、鳩山
由紀夫元首相、孫崎享元防衛大学教授と共著を出させていた
だくことに戸惑いがなかったかと言えばウソになる。私が名
前を連ねることが両氏に無用なご迷惑をお掛けしてしまうこ
とに思いを馳せた。ただし、私自身は天に誓って無実潔白で
ある。しかしながら、社会的にはいささか名誉を傷つけられ
た。2009年8月の総選挙で鳩山民主党は歴史的な勝利を
収め、日本の歴史上初めて、民衆の民衆による民衆のための
政権が樹立された。無血の平成維新の名にふさわしい新しい
政権が誕生した。この政権が基盤を強化し、2010年の参
院選で勝利を重ねれば、日本に新しい時代が到来していたは
ずである。しかし、主権者政権の前途は甘いものではなかっ
た。日本の政治を支配し続けてきた既得権益である米官業の
トライアングル、そして、その手先を含む米官業政電のペン
タゴンは、事態の転覆に向けて猛烈な巻き返し工作に打って
出た。このことを私は『日本の独立―主権者国民と「米・官
・業・政・電」利権複合体の死闘』に記述した。現に、既得
権益は民主党の小沢‐鳩山ラインが主導する主権者政権を転
覆するために、文字通り、目的のためには手段を選ばぬ猛攻
撃を繰り返したのである。 http://bit.ly/1dBFAlX
福島原発:井戸地下水から過去最高の210万ベクレル検出
福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールにある燃料のカバーで確認された3カ所のひび(矢印)(東京電力提供)
(共同通信) 東京電力は27日、福島第1原発の護岸に掘った観測用井戸の地下水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を、過去最高の1リットル当たり210万ベクレル検出したと発表した。井戸は1、2号機近くの護岸にあり、水は26日に採取した。この井戸では、濃度が上昇傾向にあり、19日採取分ではそれまでの最高値の同190万ベクレルだった。ただし、付近の観測用井戸は上昇傾向を示しておらず、東電は上昇した原因を調べている。【岡田英】
(毎日新聞) 2013年12月27日 22時02分
2013年12月27日
安倍晋三氏の「やりたい放題」に拍車がかかってきた。
背景にあるのは「数の論理」である。
衆参両院で安倍政権与党が過半数を確保した。
この状態さえ確保してしまえば、縦のものでも横にできる。
その慢心が支配している。
その象徴が特定秘密保護法の制定であった。
国会での論議も不十分、主権者の多数が法律制定に反対であることが示されているのに、問答無用。
国会の「数の論理」で法律制定を押し通した。
消費税増税も慎重に検討したとのアリバイ作りには熱心であったが、元より増税実施は既定路線だった。
高めの経済成長率の数値が発表されることを仕組んでおいて、そのタイミングで増税実施方針を公表した。
普天間の辺野古移設は、配下に置いた仲井真弘多沖縄県知事に埋め立て許可を出させるシナリオが準備され、計画通りに埋め立て許可を出させた。
仲井真弘多氏は安倍政権の支援によって2006年の知事選で当選を果たした人物である。
仲井真氏の当選を実現させたキーファクターが徳洲会の組織選挙であったことが専門家によって指摘されている。
徳洲会は対立候補の糸数慶子氏を支持していたが、2006年の知事選直前に仲井真支持に切り替わった。
徳洲会は生体腎移植問題で刑事告発寸前の状況に追い込まれ、このことでゆすられて、仲井真支持に転向したのではないかと思われる。
そして、徳洲会が組織選挙を展開して仲井真氏の当選が実現した。
今度は、その徳洲会が組織選挙で公職選挙法違反の罪に問われている。
この問題が仲井真氏に波及しかねないなかで、仲井真氏は埋め立て問題の回答を迫られた。
仲井真氏としては、辺野古埋め立て許可を出すしか道はないと考えたのだろう。
仲井真氏の変節を沖縄県民が容認するのか。
するわけがないと思われる。
名護市の市民は明年1月19日に市長選を迎える。
辺野古の海に基地を建設することを認めるのか。
名護市民の矜持が問われる局面である。
次の国政選挙まで、恐らく2年半の空白期が続く。
だから、安倍晋三氏はそれまでは、「やりたい放題」だと高を括っているのだろう。
憲法改正はハードルが高い。
憲法改正のハードルを一気に引き下げる方法が憲法96条の改正だ。
衆参両院で、それぞれ、3分の2の賛成がなければ憲法改正を発議できない現状を、衆参両院で、それぞれ過半数の賛成で憲法改正を発議できるように変える。
96条改正を実現してしまえば、憲法を根こそぎ改定することができる。
この目論見を安倍晋三氏は維持していると思われるが、さすがに、この提案には反対意見が強い。
憲法改定賛成派の憲法学者でさえ、96条の先行改定には反対の意見を表明する。
安倍晋三氏は96条改定の希望を維持していると思われるが、その実現が容易ではないことから、憲法を変えずに、実体を変える方針に転じたと思われる。
憲法を変えずに実体を変えるというのが、解釈改憲である。
ターゲットとされるのが、第9条である。
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更が目論まれている。
安倍晋三氏は、米国が創作する戦争に日本がいつでも加担できる憲法解釈を求め、これをごり押ししてくる可能性が高い。
米国が創作する戦争に日本が加担することに日本国民は強く反対するだろう。
そこで、国民には秘密にして、戦争への加担を決める体制を整えた。
それが、特定秘密保護法を日本版NSC設置法の制定である。
憲法のなし崩し実質改定が強行推進されつつある。
福島の原発事故を経て、原発の安全神話は崩壊した。
日本を滅亡させる原発事故は今後も発生し得る。
だから、大多数の国民が脱原発を主張している。
そのなかで、安倍政権は2014年の原発全面再稼働を指揮し始めている。
日本の国家主権を喪失させるTPP参加に突き進んでいる。
挙句の果ては靖国参拝だ。
原発・憲法・TPP・消費税・沖縄で大暴走を演じ、その暴走車が靖国神社に突入した。
これが日本の危機、アベノリクスである。
2013年12月27日
どうにも、この人物の外交姿勢が判らない。幼稚さと奢りの象徴だと思えば、理解出来ないこともないのだが、官邸で孤立しているわけでもないのだろうから、周辺の人々の考えくらい聞いたに違いない。到底、全員が国益より、首相への阿りに徹した人物ばかりがいるわけではないだろう。それとも、安倍首相に対しては、“もの言えば唇寒し”、な雰囲気が蔓延しているのだろうか。
7年前には、小泉純一郎が靖国を参拝しているが、当時、中韓との関係は小康状態で、特に善くも悪くもなかった。米国とは、ブッシュのイケイケと手を結び、蜜月に近い関係を構築し、日本売りをしていたわけだから、日米関係は極めて良好であった。当時に比べた場合、現在は中国とは尖閣や航空識別圏における鞘当が頻発しており、何らかのキッカケ一つで戦火を交えるセンシティブな緊張関係が存在する。韓国の慰安婦を含む戦中の歴史認識問題も、彼の国のヒステリー症状をカウントするとしても、最悪に限りなく接近した状況にある。
欧米露も、一様に安倍首相の靖国参拝に対し、温度差はあるが、批難の声明をあげている。安倍政権の改憲を懐刀に行われている一連の法案成立は、一見、米軍と自衛隊の共同体構築の必要悪のように理解されているし、アメリカのたっての要望のような装いをしているが、安倍の腹にイチモツが隠し持たれている疑念をオバマ米大統領は理解しているだろう。その意味で、アメリカの苛立ちは相当のものだ。官邸は、安倍の靖国訪問を受けて、アメリカ政府が懸念や憂慮の意を示す程度と考えていた節があるが、現実は「失望」と云うメッセージが出されている。時事通信は以下のように伝えている。
≪ 靖国参拝「中国への贈り物」=いら立つオバマ政権−米紙
【ワシントン時事】26日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は社説で、安倍晋三首相の靖国神社参拝について「日本の軍国主義復活という亡霊を自国の軍事力拡張の口実にしてきた中国指導部に対する贈り物になった」と論評した。
オバマ政権はこれまで域内安定を重視し、日本側にさまざまなレベルで参拝の自制を求めてきたが、こうした努力が公然と無視されたことにいら立ちを隠せないでいる。
同紙はまた、靖国参拝は「日韓関係の改善に行動を起こすのを拒否してきた韓国の朴槿恵大統領の姿勢を鮮明に正当化するものだ」 と指摘する識者の見解を掲載した。米政府内では最近、朴大統領のかたくなな姿勢が日韓関係の障害になっているとの見方が強まっていただけに、政権内の知日派ははしごを外された格好となっている。
国務省のサキ報道官は同日、「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに失望している」とする談話を発表。在日米大使館が発表した声明と同じ内容だが、国務省の立場として改めて世界に向けて表明された。
≫(時事通信)
中国では、安倍晋三の入国禁止の是非が問われたり、韓国では、日本との軍事交流は考え直さなければならない等の話も聞こえてくる。例の弾薬1万発について、即刻返却するとは言わず、補充完了次第返却、となんだかコチラも当たり前のことを意味深く語っている(笑)。安倍シンパな人々や、保守というより右翼に近い論者たちも、大いに安倍の参拝を評価しているのだが、日本政府の本質が再び現れたと見る向きも多いのが最大の懸念となるだろう。日米同盟重視、或いは基軸と云う表現が可能だった状況から、一歩退くリスクも抱えたようだ。デフレからの脱却、強い日本を取り戻すと云う“アベノミクス”への評価も変質するだろう。
現在進行形の安倍首相の経済政策“アベノミクス”は、政策の善悪は別にして、世界の金融資本からは好評価(稼げるネタ)を受け、特に異次元の金融緩和は、為替誘導と知りつつ、その行為を容認する欧米の後押しがあっての、影響力だった。しかし、この評価は必ず後退する。おそらく、年明けに、その姿が表れるに違いない。株価が紆余曲折を伴いながらも上昇していた動力源が海外のファンド資金である事は自明なわけで、これら資金の撤退が早まるリスクを安倍は“私情”の貫徹により犯したことになる。軍事上も、経済上も、“私情”のために“国益”を後退させた靖国参拝と云うことになる可能性が極めて高くなった。
安倍晋三が珍しく、公約を実行した。まぁ靖国を参拝するなら、26日は絶好のタイミングだったのだろう。内閣総理大臣に私的とか、個人的信仰の問題とか云う詭弁は通用しないのが国際社会、その影響についても、彼が全面的に受け入れなければならない。筆者は、安倍晋三が行きたかったのであれば、行くのは勝手だと思う。特に、是々非々の感情は湧かない。しかし、我が国が、中韓との関係改善を望むとするのであれば、子供じみた愚挙と言えるだろう。米国のたび重なる警告を無視した点は、個人的には評価する。しかし、その結果責任は安倍自身にとって貰わない事には、あまりにも東シナ海周辺をキナ臭いものになる。一旦、火を噴いた時に、日米同盟が真っ当に機能するかどうか、当てにはならない情勢だ。
安倍晋三の頭の中は、奇妙奇天烈な計算式が存在し、対米中韓関係に於いて、彼の国に対し、足し算引き算が成り立っているものと想像する。つまり、あれこれアッチの主張を取り入れ、その行動を補佐した。故に、コチラの都合も偶には聞いて貰うとか、見逃して貰うのが筋論、と云う数式が成立しているのだと思う。小学生の口げんかのような論法だ。辺野古埋め立てで、沖縄県知事をねじ伏せたご褒美のようなもの、一つくらい好き勝手させて貰って、何処がイケナイの?外交的にでも、そのような“ボッチャン家庭の情”の世界が存在すると思っているのだろう。この調子だと、間違いなくソチ冬季五輪の開会式に出席するのだろう。そして、北方領土問題の前進を画策し、米中を牽制しようと思っているようだが、プーチンが世界情勢を無視して、安倍の幼稚な遊びにつき合うとは思えない。
安倍首相は、日本国家のためというより、全く個人的な主義でしか靖国参拝を考えていない。今まで悉く、中国、韓国にあてつけるような態度、所業を行い、感情を逆なでしている。その内に、中国からの挑発で事が起きるのではないかと考えている。ある意味、安倍氏の心の中には、国民の意識を国防に集中させ、憲法改正を狙っていると思われる。
これに対して、マスコミは野党の安倍批判の報道をかなり抑制していると感じている。相当な圧力がマスコミ、特にテレビ報道に掛っているようだ。
「不正選挙を仕掛けたのは一体誰か」(EJ第3702号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/383593794.html
2013年12月27日 Electronic Journal
7月1日から6ヶ月間、124回にわたって書き続けてきた今
回のテーマは、年末でもあり、今日で一応終了します。しかし、
まだまだ書くべきことが残っています。
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仕掛け人候補その1 「政治家」
仕掛け人候補その2 「官僚」
仕掛け人候補その3 「財界」
仕掛け人候補その4 「巨大メディア」
仕掛け人候補その5 「ジャパンハンドラー」
──平野貞夫著/ビジネス社刊
『真説/小沢一郎謀殺事件/日本の危機は救えるか』
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上記の順に書いてきましたが、結局「官僚」のところで終って
しまいました。残るは、「財界」「巨大メディア」「ジャパンハ
ンドラー」──肝心の、一番重要なところにはメスが入れられて
いないのです。いずれ機会を見て取り上げます。
考えたくないことですが、どうやら不正選挙は間違いなく行わ
れているようです。それでは、誰がそんなことを行っているので
しょうか。自民党でしょうか。
それは違います。自民党が関与していないとはいいませんが、
自民党単独でこのようなことができるはずがないのです。これに
は、仕掛け人候補その3〜5が深くかかわっています。はっきり
いうと、自民党と公明党が政権を担っていないと、不利益を被る
勢力が仕掛けているのです。
これについては、植草一秀氏の次の書籍の第3章を参照される
ことをお勧めします。きわめて的確に現在の日本という国のかた
ちが述べられています。
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植草一秀著/飛鳥新社刊
「日本の独立/主権者国民と『米・官・業・政・電』利権複
合体の死闘」/? この国のかたち
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ことは明治維新まで遡るのです。そのためにEJでは、かつて
明治維新をテーマに取り上げて書いています。84回連載したも
のの、まだ完結していません。 http://bit.ly/1e9HFGj
戦後に転機が訪れたのですが、米国によって官僚機構はそのま
ま温存され、現在では強固な岩盤となって、厳然と存在していま
す。そのバックには米国がいるのです。植草氏は、同書で次のよ
うに述べています。
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米国と官僚と大資本。この三者が日本の支配者であり続けた。
米・官・業のトライアングルは、その代理人である利権政治屋
(=政)と一般民衆を操縦する主体であるマスメディア(電波
=電)を動員して、巨大な利権複合体を形成して日本支配を続
けてきた。これが米・官・業・政・電=悪徳ペンタゴンによる
日本政治支配の基本構造である ──植草一秀著の前掲書より
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米国と官僚と大資本──ここに、今回私が書き残した「財界」
「巨大メディア」「ジャパンハンドラー」のすべてが出てくるの
です。戦後の日本の政権は、「対米従属」か「自主独立」かに二
分されますが、自主独立を主張する政権は徹底的な米国からの攻
撃を受けて潰されてきた歴史があります。
しかし、2009年に奇跡が起こり、小沢一郎氏が率いる対米
従属でない民主党政権が誕生したのです。おそらく米国にとって
最大の危機が訪れたということができます。それがどうなったか
いうまでもないでしょう。彼らは、不正選挙であろうと手段を選
ばない方法で現在の安倍政権を誕生させたのです。
戦後の政権で米国が最も待望したのが岸政権です。この政権に
対して米国は秘密裏に選挙資金提供を行ったことが、米外交文書
によって明らかになっています。そして時を経て、現在は岸の血
筋を継ぐ安倍政権です。政権発足後1年になりますが、米国は陰
ながら、アベノミクスを支えています。景気が回復すると、国民
は政権を批判しなくなるからです。このことについては次のEJ
のテーマで明らかにしていきます。
しかし、本当に自民党でいいのでしょうか。1年経過して、安
倍政権の本性が見えてきています。安倍政権は、前の菅、野田政
権が劣悪過ぎたためにトクをしている面がありますが、安倍政権
には大きな問題がいくつもあるのです。
第1次安倍政権の2006年12月の国会答弁で、「全電源喪
失など起こらない」といったのは安倍首相その人です。しかし、
福島事故が起きてからも一向に反省せず、経営者・株主・貸し手
責任を一切問わずに東京電力を温存させ、1兆円の公的資金を返
却しなくてもよいとし、原子力賠償支援機構からの交付金を9兆
円に増額しているのです。その一方で、福島原発の廃炉費用を電
気料金に上乗せすること許し、さらに東京電力の負担を軽減する
ために、除染まで放棄しようと画策しています。
国内の処理も満足にできないのに、トルコなど海外に原発を売
り込み、夫人の反発まで買っています。しかし、安倍政権は高い
支持率にもかかわらず、多くの地方選で負け続けています。その
ため安倍首相は現在選挙をとても恐れています。
植草氏は、諸悪の根源である企業献金を廃止すれば、利権共同
体は崩壊するとして、次のように述べています。
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これまでの自民党政治が国民に苛酷である一方、企業を優遇し
続けてきた最大の原因は、自民党の政策が巨大な資金を提供す
る企業の方向に向いていたからである。市場原理主義の経済政
策、国民の生活に冷酷な政策は、巨大な企業献金に原動力があ
ったのだ。 ──植草一秀著の前掲書より
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── [自民党でいいのか/最終回/124]
≪画像および関連情報≫
●「対米従属という宿痾」/飛鳥新社
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植草一秀氏は自ら、「人物破壊工作によって社会的生命を
抹殺された」と述べている。しかし、彼の日本論は極めて鋭
い。一見に値する。『鳩山由紀夫/孫崎享/植草一秀/対米
従属という宿痾』おわりにの部分で、植草一秀氏の書いた部
分を紹介する(孫崎亨氏のツイート)。
人物破壊工作によって社会的生命を抹殺された私が、鳩山
由紀夫元首相、孫崎享元防衛大学教授と共著を出させていた
だくことに戸惑いがなかったかと言えばウソになる。私が名
前を連ねることが両氏に無用なご迷惑をお掛けしてしまうこ
とに思いを馳せた。ただし、私自身は天に誓って無実潔白で
ある。しかしながら、社会的にはいささか名誉を傷つけられ
た。2009年8月の総選挙で鳩山民主党は歴史的な勝利を
収め、日本の歴史上初めて、民衆の民衆による民衆のための
政権が樹立された。無血の平成維新の名にふさわしい新しい
政権が誕生した。この政権が基盤を強化し、2010年の参
院選で勝利を重ねれば、日本に新しい時代が到来していたは
ずである。しかし、主権者政権の前途は甘いものではなかっ
た。日本の政治を支配し続けてきた既得権益である米官業の
トライアングル、そして、その手先を含む米官業政電のペン
タゴンは、事態の転覆に向けて猛烈な巻き返し工作に打って
出た。このことを私は『日本の独立―主権者国民と「米・官
・業・政・電」利権複合体の死闘』に記述した。現に、既得
権益は民主党の小沢‐鳩山ラインが主導する主権者政権を転
覆するために、文字通り、目的のためには手段を選ばぬ猛攻
撃を繰り返したのである。 http://bit.ly/1dBFAlX