どんどん癌になっていっているなあ。東京に自宅がある教員なんて、自分の弟がすい臓癌になったのは、「放射能のせいじゃないでしょ」なんて言っているし。気持ちは分かるが、そのせいに決まっているだろ。ストロンチウム89が沢山、降ったんだよ。認めたくない気持ちは分かるが、次はあんただ。
心臓が止まるだけじゃない。血管だって炎症を起こすし、血管がブチ切れて脳に血が溢れ出したりもする(脳溢血)。セシウムはまずは循環器系に悪影響だが、人々は、現在、魚を通じてストロンチウムを摂取している。こういう話を大学教員も一般人も、知っている人が少ない。知らぬが仏。
1リットル中、猛毒のストロンチウム90が5ベクレル含まれている水を大量に流すわけだ。地獄。終わったな。QT>福島原発の地下水放出を容認 漁協、検査や風評対策求める。基準値は地下水1リットル当たり11Bq▽ストロンチウム90など5Bq(ここにあったリンク先は削除されているので省略 注 : 兵頭)
今から、ストロンチウムやトリチウム等々、数十種類入った超高濃度の汚染水を太平洋に全部流すわけで、これから福島原発事故がクライマックスを迎える。残念ながら北海道の太平洋側の沿岸域もアウトだろうし、北方領土~アリューシャン列島~アラスカ~カナダもアウト。海の底に沈まない核種もあるから。
ジェイ・M・グールド博士:ストロンチウム90の娘核種であるイットリウム90は、「脳下垂体」に集まります(すい臓に集まるだけではありません)脳下垂体からの各種のホルモン分泌の指令が狂うと、免疫不全による病気を引き起こします。クルィシャノフスカ教授:放射能が脳に及ぼす影響が問題です」
実際、骨折の報告は多い。ツイッターで「骨折」「多」で検索すると、報告事例がたくさん出てくる。
わたしたちは、無臭、無色の猛毒に日々襲われている。真面目さや正直、精神的強さといった資質がなければ、放射能汚染の問題には立ち向かえない。その証拠に国会を見てみよ、ほんの一部の議員を除いて、我関せず焉である。
むしろ積極的に、日本を放射能の人体実験場と化していっている。
自民党が、米国のいうなりに地震の巣の上に、不必要な原発を54基も造った。これは角度を変えれば、いつでも人体実験をやれる状態を、日本に造ったのである。その報告をせっせと米国にしているわけだが、広島・長崎と同様に、治療はしない。避難はさせない。それでは正確なデータがとれないからだ。
最近、注目すべきは、人体実験の結果は、特許がとれて、莫大な利益が転がり込むということだ。福島の人体実験は、米国を初め、核保有国にとってはいくら払っても入手したいデータだろう。食物と空気との、両方から激しく被曝した場合の、民族単位の巨大なデータは、世界にはないからだ。
カードとしての人体実験(2)
2015年11月17日 [原発]
前号の「カードとしての人体実験(1)」では、「元米国調査団のフィリップ・ロジは、米国調査団が日本に到着すると、すぐに日本側から報告書を提出したいという申し入れがあった」という証言を書いたところで筆をおいた。
フィリップ・ロジはいう。
「日本は私たちが入手できない重要なデータを、原爆投下直後から集めてくれていたのです。まさに被爆国にしかできない調査でした」
そうではない。両国の上層部で取り交わされた密約に沿って、人体実験の成果は米国に送られることに決まっていたのだ。
それにしてもここまで他民族を見下した言葉には滅多にお目にかかれるものではない。「わたしたちのために原爆投下直後から人体実験の結果を集めてくれていてありがとう。これは被爆国にしかできない調査だからね」といっているのだ。
人体実験の成果を米国に渡すことによって、日本の上層部が得ようとしたのは何だったのか。
1 昭和天皇裕仁の戦犯免責と天皇制の存続
2 人体実験データの特許権の取得
この2点が入っていたのは間違いないだろう。
オーターソン大佐に報告書を渡していたのは、原爆調査を指揮する陸軍省医務局の小出策郎軍医中佐だった。しかし、なぜ小出は、敗戦前から軍が独自に調べていた情報を米国に渡したのか。その動機についても、このドキュメント(『封印された原爆報告書』)には重要な証言がある。
『封印された原爆報告書』2010年8月6日
なお『封印された原爆報告書』の文字起こしを見つけたので、感謝して引用させていただく。(一部の引用は、兵頭の方で表記を短くしてある。例 NHKインタヴュアー→インタヴュアー 三木さん→三木)
嘘だと思うなら見てくれ。NHKは東大が「被曝者を使ったある実験~を注射し~治療とは関係のない検査を毎日行って~」と言った 飯岡助五郎
このドキュメントには、陸軍の軍医少佐だった三木輝雄が出てきて、このように証言している。
「三木:いずれ(進駐軍から 注 : 兵頭)要求があるだろうと、その時はどうせ持っていかなくてはならない。て、いうんで、早く持っていった方が、いわゆる心証がいいだろうということで、まあ、要求が無いうちに持ってったが。
インタヴュアー:心証を良くするっていうのは、何のために心証をよくするんですか?
三木:だからそれは、731(部隊)なんかのこともあるでしょう、ねえ」
興味深いのは、天皇から小出中佐クラスまで、もはや米国への憎悪など何もなくなっていることだ。ひたすら戦勝国の「心証」をよくして自己保身だけに、うつつを抜かしていた様がうかがわれる。証言に「731部隊」が出てきており、人体実験データが、特許絡みで莫大な富を生むことを知っていたことを物語る。
「三木:新しい兵器(原爆 注 : 兵頭)を持てば、その威力っていうのは誰でも知りたいもんですから。
カードで言えば、有効なカードはあんまりないんで、原爆のことはかなり有力なカードであったんでしょうね」
「原爆のことはかなり有力なカードであった」というのは、相当に的確な状況認識である。
広島・長崎への原爆投下は、自己保身と延命の有効なカードになっていたのである。
なるべく多くの人間を被曝させ、殺すこと。敗戦は決まっていた。後は米国に人体実験のカードを切ることで、支配層は死刑を免れることにしたのだ。
敗戦後の日本にやってきた元アメリカ調査団のフィリップ・ロジ(医師)は、日本側から、広島・長崎の原爆報告書を提出したいという申し入れを受けて、こう語っている。
「オーターソン大佐(マッカーサーの主治医で、終戦直後に来日したアメリカ原爆調査団の代表 注 : 兵頭)は大変喜んでいらっしゃいました。日本が直ぐに協力的な姿勢を示してくれたからです。日本は私たちが入手できない貴重なデータを原爆投下直後から集めてくれていたのです。まさに被爆国にしかできない調査でした」
また、日本は、爆心地で死んだ1700人を超す子供たちのデータも米国に渡している。それには、爆心地からの距離と死者の割合を示す死亡率曲線が描かれていた。この決定的に重要な人体実験のグラフは、米国核戦力の礎となった。
米国はこのデータをもとに、ソビエトの主要都市を攻撃するために、広島型の原爆が何発必要かを算出していた。
オーターソン大佐の研究を引き継いだジェームズ・ヤマザキは、こう語っている。
「革命的な発見でした。原爆の驚異的な殺傷能力を確認できたのですから。アメリカにとって極めて重要な軍事情報でした。まさに日本人の努力の”賜物”です。貴重な情報を提供してくれたのですから」
だから日本政府は避難民を帰還させたがる。また、「食べて応援」をさせたがる。わたしたちは、日本人は同胞を愛さない、といった特徴を、よく認識し、猛省しなければならない。
福島第一原発のすぐ近くには、福島県から宮城県にまで達する70キロメートルという長大な双葉断層があって、マグニチュード8近い巨大地震を起こすおそれが高い。
というのは、東日本大震災からちょうど一ヵ月後に、その周辺断層が動いて1メートルを超えるズレを起こしたからである。
今後も、ここで大きな地震が発生すれば、福島第一原発に何が起こるか分らないのである。
その現場では、毎日6000~7000人の作業者が、汚染地帯で身を削って働いている。
ここから漏れ出している放射能汚染水は、ハンパな量ではない。
しかもそのメルトダウンした燃料の放射能を洗い出した水が、地下に流れこんで、そこから外洋にどんどん流れ出している。
海岸線の地下水は、太平洋の沖合とつながっているからである。
しばしば報道されてきた「汚染水の大量漏洩」は、陸上で漏れ出している話だけで、地下から漏れ出している大量の汚染水については、まったく無視している。
報道内容には、あきれるほかない。
そこで、自称専門家のバカな学者連中は、海側の地下まで巨大な壁を築いて外洋への漏水を止めなければならない、などと言っているが、トンデモナイ話だ。
壁を築けば、地下に水がたまって、原子力発電所ごと水の中に浮いてしまい、大きな浮力を受けて、最後には建物ごとひっくり返ってしまう。
要するに、打つ手がないのである。
カリフォルニア州ローレンス・リヴァモア国立核研究所での研究(1991~1993年)では、トリチウムによる催奇形性(奇形を生じさせる性質)の確率は、致死性癌の確率の6倍にものぼるのだ。
つまり、次世代に奇形を生み出す影響が非常に大きいと、重大な警告が出されている。
フクシマ原発事故現場から大量に放出されているトリチウムは、ほとんどの人が無意識に体内に取りこんでいる危険な状態にある。
特に人体の有機物と結合したトリチウムは、容易に代謝されずに、その分子が分解されるまで15年以上もベータ線を出し続ける。15年とは、生まれたばかりの赤ん坊が、中学を卒業するまでの長さだ。
このトリチウムは、化学的には容易に除去することができないので、福島第一原発では、どんどんたまっている。
そこで、原子力規制委員会の田中俊一委員長と、委員の田中知《さとる》は、福島第一原発の事故現場で大量に発生しているトリチウムを、「薄めて海に放流してしまえ」と、苦しまぎれの暴言を吐いている。
■大量の海水を持ってきて薄めれば、流していいだって?
放流するトリチウムの量は変らないだろう!
そんなことが分らないのか。実に、おそるべき犯罪者たちである。
3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。
不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。
最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?
同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情にはじめて触れた。
『日本はなぜ原発を輸出するのか』(鈴木真奈美/平凡社)には、その恐るべき背景が描かれている。
そもそも原子力プラント輸出は1980年代から国の方針として掲げられてきた。特に小泉政権が2005年に「原子力政策大綱」を閣議決定して以降、それは加速していったという。その前提が2030年以降も原子力の割合を30~40%以上を維持することにあった。これを実現するには、国内での新規原発建設が低迷する2010年からの約20年間で、技術と人材が流失するのを防ぐ必要がある。ゆえに需要の少ない国内ではなく、輸出事業の展開が必要不可欠だったのだ。そして、きたる2030年から始まるであろう国内原発の立て替えに備える──。
しかしその矢先に起こったのが福島原発事故だった。そのため一時は輸出政策の根本からの見直しを迫られたが、安倍政権が発足するとその方針はあっさり放棄された。事故以前よりも積極的とさえ思える輸出政策が展開されているのは、冒頭に示したとおりだ。もちろんその背景には国・電力会社・メーカーの利権と相互依存関係がある。
「原子力プラントの受注契約を先行させ、その上で自国の今後の原子力政策と中長期計画を検討するというのは、『原子力発電を維持するために原子力産業を維持』するのではなく、『原子力産業を維持するために原子力発電を維持する』という逆転をもたらすことにある」
ようするに現在の原発輸出は、原発事故後も、日本の原発産業を維持・発展させるためのものであり、「日本が核エネルギー利用から脱却しないように、その外堀を埋めようとしている」のだという。
国・電力会社・メーカーが原発を推進するのは、決して電力維持といったエネルギー問題が本質ではない。現在、全ての日本の原発が止まっているにも関わらず、必要な電力を供給できていることからもそれは明らかだ。原発推進は原発産業の生き残り、そして発展こそが重要であり、そのためのひとつの方法が原発輸出なのである。
「日本政府が原子力輸出へと大きく舵を切ったのは、内需だけでは自国の原子力産業を維持するのが難しくなったことによる」
それは皮肉なことに原発事故で加速度を増した。
「福島原発事故後は、発電比率や将来の原子力ビジョンは不明確なまま、原子力産業維持そのものが目的となっていった」
ある意味、原発事故があったからこそ、輸出の重要性がさらに増すというパラドックス。では、日本政府がそこまでして原子力産業を維持する目的はなにか。本書はその本質にこう切り込む。
「世界から非難されないように気をつけながら潜在的核兵器製造能力を保持する」
日本は戦後原子力に関わる一切の活動が禁止された。しかし1952年のサンフランシスコ講和条約でこれが解禁されるや、中曽根康弘を始めとする政治家主導で、原子炉導入が進められていく。いわゆる「核の平和利用」だ。そして1964年の中国核実験の政権を受け、佐藤栄作政権下では米国政府と交渉を重ね、1968年には米国の「傘の下」に入り、日本の国是として「非核」を選んだ。今から約40年以上前、核拡散防止条約(NPT)をめぐる協議で外務省はこんな内部文章をまとめていたという。
「NPTに参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器の製造の経済的。技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対する掣肘をうけないように配慮する。又、核兵器の一般についての政策は国際政治・経済的な利害損失の計算に基づくものであるとの趣旨を国民に啓発する」
原子力は「平和利用」で、核は「軍事」とのイメージが強いが、実は、両者の原理・工程・技術には大きな違いはない。
現在の安倍政権の言う「原発再稼働、輸出推進」は決してエネルギー問題だけでも、原発産業利権だけでもない。いつでも核を製造する能力を保持するため、原子力発電所を、そして原発産業を維持発展させていく──その方針の背後には「核兵器製造技術の維持」という恐るべき野望さえ見え隠れしているのだ。
心臓が止まるだけじゃない。血管だって炎症を起こすし、血管がブチ切れて脳に血が溢れ出したりもする(脳溢血)。セシウムはまずは循環器系に悪影響だが、人々は、現在、魚を通じてストロンチウムを摂取している。こういう話を大学教員も一般人も、知っている人が少ない。知らぬが仏。
1リットル中、猛毒のストロンチウム90が5ベクレル含まれている水を大量に流すわけだ。地獄。終わったな。QT>福島原発の地下水放出を容認 漁協、検査や風評対策求める。基準値は地下水1リットル当たり11Bq▽ストロンチウム90など5Bq(ここにあったリンク先は削除されているので省略 注 : 兵頭)
今から、ストロンチウムやトリチウム等々、数十種類入った超高濃度の汚染水を太平洋に全部流すわけで、これから福島原発事故がクライマックスを迎える。残念ながら北海道の太平洋側の沿岸域もアウトだろうし、北方領土~アリューシャン列島~アラスカ~カナダもアウト。海の底に沈まない核種もあるから。
ジェイ・M・グールド博士:ストロンチウム90の娘核種であるイットリウム90は、「脳下垂体」に集まります(すい臓に集まるだけではありません)脳下垂体からの各種のホルモン分泌の指令が狂うと、免疫不全による病気を引き起こします。クルィシャノフスカ教授:放射能が脳に及ぼす影響が問題です」
実際、骨折の報告は多い。ツイッターで「骨折」「多」で検索すると、報告事例がたくさん出てくる。
わたしたちは、無臭、無色の猛毒に日々襲われている。真面目さや正直、精神的強さといった資質がなければ、放射能汚染の問題には立ち向かえない。その証拠に国会を見てみよ、ほんの一部の議員を除いて、我関せず焉である。
むしろ積極的に、日本を放射能の人体実験場と化していっている。
自民党が、米国のいうなりに地震の巣の上に、不必要な原発を54基も造った。これは角度を変えれば、いつでも人体実験をやれる状態を、日本に造ったのである。その報告をせっせと米国にしているわけだが、広島・長崎と同様に、治療はしない。避難はさせない。それでは正確なデータがとれないからだ。
最近、注目すべきは、人体実験の結果は、特許がとれて、莫大な利益が転がり込むということだ。福島の人体実験は、米国を初め、核保有国にとってはいくら払っても入手したいデータだろう。食物と空気との、両方から激しく被曝した場合の、民族単位の巨大なデータは、世界にはないからだ。
カードとしての人体実験(2)
2015年11月17日 [原発]
前号の「カードとしての人体実験(1)」では、「元米国調査団のフィリップ・ロジは、米国調査団が日本に到着すると、すぐに日本側から報告書を提出したいという申し入れがあった」という証言を書いたところで筆をおいた。
フィリップ・ロジはいう。
「日本は私たちが入手できない重要なデータを、原爆投下直後から集めてくれていたのです。まさに被爆国にしかできない調査でした」
そうではない。両国の上層部で取り交わされた密約に沿って、人体実験の成果は米国に送られることに決まっていたのだ。
それにしてもここまで他民族を見下した言葉には滅多にお目にかかれるものではない。「わたしたちのために原爆投下直後から人体実験の結果を集めてくれていてありがとう。これは被爆国にしかできない調査だからね」といっているのだ。
人体実験の成果を米国に渡すことによって、日本の上層部が得ようとしたのは何だったのか。
1 昭和天皇裕仁の戦犯免責と天皇制の存続
2 人体実験データの特許権の取得
この2点が入っていたのは間違いないだろう。
オーターソン大佐に報告書を渡していたのは、原爆調査を指揮する陸軍省医務局の小出策郎軍医中佐だった。しかし、なぜ小出は、敗戦前から軍が独自に調べていた情報を米国に渡したのか。その動機についても、このドキュメント(『封印された原爆報告書』)には重要な証言がある。
『封印された原爆報告書』2010年8月6日
なお『封印された原爆報告書』の文字起こしを見つけたので、感謝して引用させていただく。(一部の引用は、兵頭の方で表記を短くしてある。例 NHKインタヴュアー→インタヴュアー 三木さん→三木)
嘘だと思うなら見てくれ。NHKは東大が「被曝者を使ったある実験~を注射し~治療とは関係のない検査を毎日行って~」と言った 飯岡助五郎
このドキュメントには、陸軍の軍医少佐だった三木輝雄が出てきて、このように証言している。
「三木:いずれ(進駐軍から 注 : 兵頭)要求があるだろうと、その時はどうせ持っていかなくてはならない。て、いうんで、早く持っていった方が、いわゆる心証がいいだろうということで、まあ、要求が無いうちに持ってったが。
インタヴュアー:心証を良くするっていうのは、何のために心証をよくするんですか?
三木:だからそれは、731(部隊)なんかのこともあるでしょう、ねえ」
興味深いのは、天皇から小出中佐クラスまで、もはや米国への憎悪など何もなくなっていることだ。ひたすら戦勝国の「心証」をよくして自己保身だけに、うつつを抜かしていた様がうかがわれる。証言に「731部隊」が出てきており、人体実験データが、特許絡みで莫大な富を生むことを知っていたことを物語る。
「三木:新しい兵器(原爆 注 : 兵頭)を持てば、その威力っていうのは誰でも知りたいもんですから。
カードで言えば、有効なカードはあんまりないんで、原爆のことはかなり有力なカードであったんでしょうね」
「原爆のことはかなり有力なカードであった」というのは、相当に的確な状況認識である。
広島・長崎への原爆投下は、自己保身と延命の有効なカードになっていたのである。
なるべく多くの人間を被曝させ、殺すこと。敗戦は決まっていた。後は米国に人体実験のカードを切ることで、支配層は死刑を免れることにしたのだ。
敗戦後の日本にやってきた元アメリカ調査団のフィリップ・ロジ(医師)は、日本側から、広島・長崎の原爆報告書を提出したいという申し入れを受けて、こう語っている。
「オーターソン大佐(マッカーサーの主治医で、終戦直後に来日したアメリカ原爆調査団の代表 注 : 兵頭)は大変喜んでいらっしゃいました。日本が直ぐに協力的な姿勢を示してくれたからです。日本は私たちが入手できない貴重なデータを原爆投下直後から集めてくれていたのです。まさに被爆国にしかできない調査でした」
また、日本は、爆心地で死んだ1700人を超す子供たちのデータも米国に渡している。それには、爆心地からの距離と死者の割合を示す死亡率曲線が描かれていた。この決定的に重要な人体実験のグラフは、米国核戦力の礎となった。
米国はこのデータをもとに、ソビエトの主要都市を攻撃するために、広島型の原爆が何発必要かを算出していた。
オーターソン大佐の研究を引き継いだジェームズ・ヤマザキは、こう語っている。
「革命的な発見でした。原爆の驚異的な殺傷能力を確認できたのですから。アメリカにとって極めて重要な軍事情報でした。まさに日本人の努力の”賜物”です。貴重な情報を提供してくれたのですから」
だから日本政府は避難民を帰還させたがる。また、「食べて応援」をさせたがる。わたしたちは、日本人は同胞を愛さない、といった特徴を、よく認識し、猛省しなければならない。
福島第一原発のすぐ近くには、福島県から宮城県にまで達する70キロメートルという長大な双葉断層があって、マグニチュード8近い巨大地震を起こすおそれが高い。
というのは、東日本大震災からちょうど一ヵ月後に、その周辺断層が動いて1メートルを超えるズレを起こしたからである。
今後も、ここで大きな地震が発生すれば、福島第一原発に何が起こるか分らないのである。
その現場では、毎日6000~7000人の作業者が、汚染地帯で身を削って働いている。
ここから漏れ出している放射能汚染水は、ハンパな量ではない。
しかもそのメルトダウンした燃料の放射能を洗い出した水が、地下に流れこんで、そこから外洋にどんどん流れ出している。
海岸線の地下水は、太平洋の沖合とつながっているからである。
しばしば報道されてきた「汚染水の大量漏洩」は、陸上で漏れ出している話だけで、地下から漏れ出している大量の汚染水については、まったく無視している。
報道内容には、あきれるほかない。
そこで、自称専門家のバカな学者連中は、海側の地下まで巨大な壁を築いて外洋への漏水を止めなければならない、などと言っているが、トンデモナイ話だ。
壁を築けば、地下に水がたまって、原子力発電所ごと水の中に浮いてしまい、大きな浮力を受けて、最後には建物ごとひっくり返ってしまう。
要するに、打つ手がないのである。
カリフォルニア州ローレンス・リヴァモア国立核研究所での研究(1991~1993年)では、トリチウムによる催奇形性(奇形を生じさせる性質)の確率は、致死性癌の確率の6倍にものぼるのだ。
つまり、次世代に奇形を生み出す影響が非常に大きいと、重大な警告が出されている。
フクシマ原発事故現場から大量に放出されているトリチウムは、ほとんどの人が無意識に体内に取りこんでいる危険な状態にある。
特に人体の有機物と結合したトリチウムは、容易に代謝されずに、その分子が分解されるまで15年以上もベータ線を出し続ける。15年とは、生まれたばかりの赤ん坊が、中学を卒業するまでの長さだ。
このトリチウムは、化学的には容易に除去することができないので、福島第一原発では、どんどんたまっている。
そこで、原子力規制委員会の田中俊一委員長と、委員の田中知《さとる》は、福島第一原発の事故現場で大量に発生しているトリチウムを、「薄めて海に放流してしまえ」と、苦しまぎれの暴言を吐いている。
■大量の海水を持ってきて薄めれば、流していいだって?
放流するトリチウムの量は変らないだろう!
そんなことが分らないのか。実に、おそるべき犯罪者たちである。
3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。
不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。
最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?
同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情にはじめて触れた。
『日本はなぜ原発を輸出するのか』(鈴木真奈美/平凡社)には、その恐るべき背景が描かれている。
そもそも原子力プラント輸出は1980年代から国の方針として掲げられてきた。特に小泉政権が2005年に「原子力政策大綱」を閣議決定して以降、それは加速していったという。その前提が2030年以降も原子力の割合を30~40%以上を維持することにあった。これを実現するには、国内での新規原発建設が低迷する2010年からの約20年間で、技術と人材が流失するのを防ぐ必要がある。ゆえに需要の少ない国内ではなく、輸出事業の展開が必要不可欠だったのだ。そして、きたる2030年から始まるであろう国内原発の立て替えに備える──。
しかしその矢先に起こったのが福島原発事故だった。そのため一時は輸出政策の根本からの見直しを迫られたが、安倍政権が発足するとその方針はあっさり放棄された。事故以前よりも積極的とさえ思える輸出政策が展開されているのは、冒頭に示したとおりだ。もちろんその背景には国・電力会社・メーカーの利権と相互依存関係がある。
「原子力プラントの受注契約を先行させ、その上で自国の今後の原子力政策と中長期計画を検討するというのは、『原子力発電を維持するために原子力産業を維持』するのではなく、『原子力産業を維持するために原子力発電を維持する』という逆転をもたらすことにある」
ようするに現在の原発輸出は、原発事故後も、日本の原発産業を維持・発展させるためのものであり、「日本が核エネルギー利用から脱却しないように、その外堀を埋めようとしている」のだという。
国・電力会社・メーカーが原発を推進するのは、決して電力維持といったエネルギー問題が本質ではない。現在、全ての日本の原発が止まっているにも関わらず、必要な電力を供給できていることからもそれは明らかだ。原発推進は原発産業の生き残り、そして発展こそが重要であり、そのためのひとつの方法が原発輸出なのである。
「日本政府が原子力輸出へと大きく舵を切ったのは、内需だけでは自国の原子力産業を維持するのが難しくなったことによる」
それは皮肉なことに原発事故で加速度を増した。
「福島原発事故後は、発電比率や将来の原子力ビジョンは不明確なまま、原子力産業維持そのものが目的となっていった」
ある意味、原発事故があったからこそ、輸出の重要性がさらに増すというパラドックス。では、日本政府がそこまでして原子力産業を維持する目的はなにか。本書はその本質にこう切り込む。
「世界から非難されないように気をつけながら潜在的核兵器製造能力を保持する」
日本は戦後原子力に関わる一切の活動が禁止された。しかし1952年のサンフランシスコ講和条約でこれが解禁されるや、中曽根康弘を始めとする政治家主導で、原子炉導入が進められていく。いわゆる「核の平和利用」だ。そして1964年の中国核実験の政権を受け、佐藤栄作政権下では米国政府と交渉を重ね、1968年には米国の「傘の下」に入り、日本の国是として「非核」を選んだ。今から約40年以上前、核拡散防止条約(NPT)をめぐる協議で外務省はこんな内部文章をまとめていたという。
「NPTに参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器の製造の経済的。技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対する掣肘をうけないように配慮する。又、核兵器の一般についての政策は国際政治・経済的な利害損失の計算に基づくものであるとの趣旨を国民に啓発する」
原子力は「平和利用」で、核は「軍事」とのイメージが強いが、実は、両者の原理・工程・技術には大きな違いはない。
現在の安倍政権の言う「原発再稼働、輸出推進」は決してエネルギー問題だけでも、原発産業利権だけでもない。いつでも核を製造する能力を保持するため、原子力発電所を、そして原発産業を維持発展させていく──その方針の背後には「核兵器製造技術の維持」という恐るべき野望さえ見え隠れしているのだ。