2016年8月22日 田中 宇
http://tanakanews.com/160822nuke.htm
世界的な核廃絶を個人的な目標にして米大統領になったバラク・オバマが、政治的なしがらみを気にしなくてすむ任期の最後の半年間に、再び核廃絶の策を進めようとしている。今回のオバマの策は、多岐にわたっている。(1)核の先制不使用の宣言(米国自身の宣言とともに、国連安保理で、合法的に核保有を許されている5つの常任理事国のすべてが先制不使用を決議する形をおそらくめざしている)、(2)国連安保理で核実験の禁止を決議し、米議会などが批准を拒否している核実験禁止条約(CTBT)の実質的な発効を目指す、(3)米議会が可決してオバマもいったん承認した巨額予算の核兵器の近代化計画を大統領権限で縮小する、(4)限定核戦争を想定した新型ミサイル(LRSO)の開発を延期する、(5)米露の核ミサイル軍縮である新STARTの延長・・・などが盛り込まれている。最大のものは「核の先制不使用の宣言」だ。 (Obama plans major nuclear policy changes in his final months)
オバマは、大統領就任から2ヶ月後の09年4月のプラハ演説で、核廃絶の目標を発表した。10年4月には、ロシアと新STARTの軍縮を開始した。欧州人はオバマにノーベル平和賞を与えた。しかし、その後のオバマは、米議会など米国内外の軍産複合体に阻まれ、核廃絶を進められなかった。米国の核兵器は減らず、逆に米議会に巨額な核兵器の近代化計画を実施されてしまった。軍産にウクライナ危機を誘発され、米露関係も改善できなくなった。オバマは、今春に発表されたアトランティック誌のインタビューで、軍産が米政界全体、大統領府の内部まで席巻し、好戦策を続けていることに怒りを表明している。 (軍産複合体と闘うオバマ) (Obama will bypass Congress, seek U.N. resolution on nuclear testing)
今回オバマは、これまで核廃絶を妨害してきた軍産主導の米議会を迂回して、上記の新たな諸策を進めようとしている。今回の策の中心である核の先制不使用と核実験禁止は、いずれも国連安保理の決議とすることで、米議会の手の届かないところで話をまとめようとしている。安保理の常任理事国(P5)のうち、中国は1964年から、核の先制不使用を戦略として掲げている。中国は、P5なので核武装が事実上の国際義務だったが、その一方で中国は「非同盟諸国」の主導役なので先制不使用を掲げ、以前から、米国や世界に対し、核保有国のすべてが先制不使用を宣言して核戦争の可能性を減らすことを提案してきた。オバマの先制不使用案は、安保理で、米中共同の色彩を帯びる可能性がある(だから日本は反対している)。BRICSでは、インドも先制不使用を掲げている。 (No first use From Wikipedia)
▼世界を危険にしたブッシュの好戦策を廃止する
核の先制不使用は「他の国々が核兵器で攻撃してこない限り、米国は核兵器を使わない」という宣言だ。これにより、核戦争勃発の可能性は減る。しかし、北朝鮮やロシアなど米国の敵が「核兵器で攻撃されないのなら、通常兵器で攻撃してやれ」などと考え、米国が攻撃される可能性が増大し、米国の安全がむしろ脅かされるとの批判がある。核兵器は、先制使用するかどうか言わずに(もしくは先制使用しうることを示唆して)保有する「曖昧姿勢」を採ってこそ、敵を恐れさす「抑止力」を持つので、先制不使用の宣言は抑止力を低下させてしまい良くないと言って、米議会や日本などの同盟諸国(つまり軍産)は、オバマの案に反対している。 (Obama's Nuclear Farewell) (Keep America's foes guessing: Why Obama shouldn't curb U.S. nuclear options)
しかし実のところ、従来の米国の核戦略は「曖昧姿勢」でなかった。01年の911事件後、ブッシュ政権は「悪の枢軸」(イラク、イラン、北朝鮮)など、テロ支援国、大量破壊兵器の不正保有国、独裁国、人権侵害する国、反米姿勢の国など、米国が(濡れ衣をかけて)任意に敵視した国に対し「核兵器を含む先制攻撃を行い、政権転覆する」という「ブッシュ・ドクトリン(単独覇権主義)」を掲げていた(一時明言し、その後引っ込めつつ維持していた)。このブッシュドクトリンの最初の適用例として、イラクに大量破壊兵器保有の濡れ衣を着せてフセイン政権を転覆するイラク侵攻が、03年に挙行された。05年からは、イランに核兵器開発の濡れ衣をかけて経済制裁し、政権転覆を図った。 (Bush Doctrine From Wikipedia) (TAKING FIRST-USE OF NUKES OFF THE TABLE: GOOD FOR THE UNITED STATES AND THE WORLD)
米政府は「核のバンカーバスター爆弾で、イランや北朝鮮の秘密の地下核施設をピンポイント攻撃する」という核の先制使用の案を、マスコミに頻繁にリークして書かせた。イラクのように転覆されることを恐れた北朝鮮は、公然と核実験やミサイル試射を繰り返し、急いで核武装する策をとった。米国はブッシュドクトリンで核の先制使用を強調し、それによって北朝鮮を新たな核保有国に仕立てた。軍産複合体としては、北朝鮮が核武装した方が、朝鮮半島の南北を固定化でき、韓国への米軍駐留を恒久化し、米韓日が中朝と対峙する好戦的な構図を維持できる。 (イスラエルがイランを核攻撃する?) (北朝鮮と世界核廃絶)
オバマ政権になってからは、核戦略は曖昧姿勢に戻ったが、米国はその後もシリアやリビアの政権転覆を試みており、世界から見た米国の印象は依然として「積極的に核を先制使用する」ブッシュドクトリンの姿勢だ。そうした中で、オバマが先制不使用を公式に宣言すると、世界に対する米国の好戦的な印象が大幅に減少し、世界的な緊張緩和につながる。 (End the First-Use Policy for Nuclear Weapons)
核の先制不使用を宣言すると、緊張緩和でなく、敵国が米国をなめてかかり、むしろ緊張が増すという軍産系の主張に対し、オバマ政権は「米国は通常兵器の分野において、世界で圧倒的な力を持っている。他の国が通常兵器で米国を攻撃しても、米国は通常兵器のみで十分対抗できる。核の先制不使用を宣言しても、敵が米国をなめてかかることはない」と反論している。 (In support of nuclear no first use)
▼中国やロシアはオバマに賛成しそう
安保理常任理事国(P5)は「世界の警察官」なので、他の「平民諸国」の好戦性を低下する抑止力として核兵器を持つことがNPT(核不拡散条約)などで事実上義務づけられてきた。P5の諸国どうしが対立(核戦争)することは、もともと想定されていない(あとから英国が冷戦を誘発し、米国が作ったP5の協調を意図的に破壊し、ソ連を共通の敵にして米英同盟を強化した)。発展途上諸国の主導役を目指した1960年代の中国が、他の途上諸国(つまり平民諸国)の不安を払拭するため核の先制不使用を宣言したように、冷戦がなかったら「P5だけ核武装するなんて不公平だ」という平民諸国の不満を解消するため、P5は全体として先制不使用を宣言していただろう。
しかし現実は、米ソ冷戦が40年続き、P5は分裂していた。ソ連側は戦車部隊など地上軍の通常兵器の分野でNATO(米英仏)より強かったため、米英仏は「ソ連の通常兵器の強さに対抗するため、NATOは核の先制使用を可能にしておかねばならない」という理屈で、先制不使用策を拒否し続けた。欧州やトルコのNATO軍基地には、ソ連の戦車部隊が攻めてきた時に発射するための小型の核兵器が今も貯蔵されている。冷戦終結をはさんだ80ー90年代に、米国は軍事開発で通常兵器の総力が急速に向上した半面、この時期のロシア(ソ連)は政治経済が破綻して軍事力が低下し、通常兵器の分野で米国はロシアよりはるかに強くなった。しかし、今もNATOは「ロシアの脅威があるので核の先制不使用を宣言できない」と言い、欧州やトルコに小型核兵器を配備している。完全に時代遅れな状況だ。オバマは、これを打破しようとしている。 (Obama's Dangerous Drive to Ban Nuclear Weapons Testing)
オバマの核先制不使用宣言は、米国だけでなくP5を中心とする核保有国の全体で宣言することをめざしている。P5のうち、中国はすでに述べたように、以前から先制不使用を宣言しており、オバマの案に賛成だろう。中国は2011年まで、国防白書で核先制不使用の戦略を維持していることを明記していたが、13年以降、この明記をやめて「曖昧姿勢」の方に傾いている。中国は先制不使用をやめたのでないかとの見方を米国の軍事関係者が発している。時期的に見て、中国は、米国が11年に中国包囲網の戦略を強化した後、先制不使用の宣言をやめているので、中国が曖昧戦略に転じたのは、米国が中国敵視を強めたからだ。オバマが「米国は先制不使用を宣言するので中国も宣言してほしい」と提案すれば、それは米国の中国敵視策の縮小を意味するので、中国は賛成するだろう。 (China's No-First-Use Policy Promotes Nuclear Disarmament) (中国が核廃絶する日)
中国に関連した動きとして、北朝鮮は、今年5月の労働党大会で、核の先制不使用を宣言している。北朝鮮はエネルギーと食料のかなりの部分を中国からの輸入に頼っており、中国に手綱を握られているが、中国は北の核武装に反対している。中国は、北がすでに持っている核兵器を廃棄させることが困難なので、現実策として、まずは核の先制不使用を宣言しろと北に圧力をかけ、党大会で宣言させた。北の経済的な中国依存が変わらない限り、北は中国の圧力で、核の先制不使用を維持するだろう。 (Kim Jong Un says Pyongyang won't use nukes first) (北朝鮮の政権維持と核廃棄)
P5でのオバマの策が成功するかどうかは、ロシアにかかっている。冷戦終結時、米国のレーガン大統領は、ソ連が東欧への支配を手放しても、米国が東欧をNATOに加盟させることはないとゴルバチョフに約束した。だがその後の米国はこの約束を反故にし、東欧諸国を次々とNATOに加盟させ、ロシアを敵視し、ロシアに脅威を与えている。プーチンのロシアは、これに対抗し、核兵器の近代化を進めている。ソ連はかつて通常兵器で米国にまさっていたため、核の先制不使用を宣言していたが、冷戦後のロシアは、通常兵器で米国に劣っているため、先制不使用の宣言をしていない。 (Why Obama should declare a no-first-use policy for nuclear weapons)
しかし、昨年以降のロシアは、純粋な軍事力でなく、シリアなどをめぐる国際政治上の競争において、米国を打ち負かし続けている。トルコも、ロシアと親しくして米国やNATOを嫌う姿勢を強めている。ロシアにとって、米国との軍事競争は重要でなくなっている。今のロシアの隆盛ぶりから考えて、オバマから核の先制不使用のP5での共同宣言を持ちかけられたら、プーチンは賛成しそうだ。米露双方が核先制不使用を宣言したら、NATOなど軍産によるロシア敵視がにぶり、これまで軍産に阻まれてロシア敵視をやめられなかったEUもロシアと協調でき、全体的にロシアにとって有利になる。 (ロシア・トルコ・イラン同盟の形成)
このほかの核保有国として、インドはすでに先制不使用を宣言している。パキスタンは宣言していないものの、経済や安保面で中国への依存度が強く、中国が圧力をかければ先制不使用に同意するだろう。イスラエルも核保有国だが、国家存続が何らかの形で保証されるなら、先制不使用に応じるだろう。
▼核廃絶を希望するふりして希望してない日本
こうして見ると、オバマの世界的な核先制不使用の計画に反対するのは、中露など非米諸国でなく、日韓英仏といった米国の同盟諸国の方である。オバマの計画が7月初旬にマスコミへのリークで表面化した後、日本、韓国、英国、フランスが、連名で計画に反対した。英仏はP5だ。日韓と英仏では、反対する動機が異なる。英仏は、オバマが、同じく核保有するNATOの同盟国なのに、英仏に何も事前に知らせずに、先制不使用の宣言を計画したことに危機感を持っている。英仏は、オバマがNATOの結束を乱していることに不満なのであり、核先制不使用そのものに反対しているのでない。 (U.S. allies oppose facet of Obama's nuclear `legacy' - Winston-Salem Journal)
フランスは、ドイツとの軍事統合を進めている。独仏は、核を時代遅れな兵器と見る点で一致している。フランスは、核廃絶の前段階としての先制不使用に反対でない。長期的に、フランスはEU軍事統合でNATOを離れる方向なので、オバマがNATOの結束を乱していることも、短期的な問題でしかない。 (英離脱で走り出すEU軍事統合)
潜水艦搭載の核兵器を持つ英国では、コービンの労働党が核廃絶を党是として掲げている。保守党政権は先日、潜水艦の更新を決定し、今後しばらく英国が核兵器を持ち続けることが確定した。だが、潜水艦の基地はスコットランドにあり、EU離脱の中、スコットランドが英国から独立したら、英国内で他の潜水艦基地を確保できないまま、核廃絶を余儀なくされる可能性もある。全体として、EUと同様、英国も核兵器を時代遅れと考える傾向が強い。英国が先制不使用に強く反対することは考えにくい。 (Labour facing prospect of three-way split over Trident vote) (A tempest tears through British politics)
トルコでは、米軍の50発の小型核兵器が配備されているインジルリク空軍基地が7月下旬のクーデター騒動の拠点の一つになり、エルドアン大統領らトルコ政府がインジルリクの米軍を敵視する傾向になり、米国では「インジルリクの核兵器を他に移すべきだ」という主張が出ている。そこから発展して「そもそも米軍がトルコや欧州に配備している小型核兵器は、旧ソ連の地上軍侵攻に備えたものであり、今や時代遅れだ。トルコだけでなく全欧から米国の核兵器を撤去した方が良い」という主張も出ている。トルコが米国に喧嘩を売る姿勢は今後も長く続きそうだし、EUも軍事統合で対米自立していくので、長期的に、トルコや欧州に米国が置いている核兵器は撤去される方向だ。 (Report: US Nukes in Turkey at Risk of Seizure by Terrorists) (中東を反米親露に引っ張るトルコ)
長期的に対米従属からの脱却傾向である英仏と対照的に、日本と韓国は、対米従属を続けられなくなることをいやがって、オバマの核先制不使用に反対している。韓国は、南北和解・在韓米軍撤収・中国との協調(従属)といった、対米従属以外の道があるが、日本は、対米従属以外の道を用意していない。日本政府は、ブッシュドクトリン(核の積極的な先制使用宣言)を脅威に感じて北が核武装し、北の脅威が増して在日と在韓の米軍が恒久駐留し、日本が対米従属を永続できることを歓迎してきた。日本政府は、表向き核廃絶を希求しているように見せかけてきたが、実のところ核廃絶など望んでおらず、米国が核の先制使用を振り回し、北が核武装する事態を歓迎していた。オバマの主導で世界が核先制不使用を宣言すると、北朝鮮や中国との緊張が緩和され、米国が「米軍がいなくても日本は自衛できる」と考える流れになり、在日米軍が撤退傾向となり、対米従属を続けられなくなる。だから日本はオバマの計画に反対している。戦後日本の平和主義は対米従属のためのものであり、偽善だった。
かつてオバマは、核廃絶に向けた日本政府の意欲に期待していた。オバマはプラハ宣言の後、日本と豪州という同盟諸国に、世界核廃絶の音頭をとってほしいと頼み、日本政府は川口順子・元外相を立て、豪政府はエバンス元外相を立てて、川口とエバンスが主導する国際組織ICNND(核不拡散・核軍縮に関する国際委員会)が作られた。だがその後、日豪政府が核廃絶に本腰を入れることはなく、ICNNDは大した動きをしていない(今回のオバマの計画には歓迎の意を示したが)。オバマは日本政府のウソの姿勢を見抜けず、一時日本に期待して裏切られた末に、今回は中国など非米側の諸国に頼って先制不使用を計画することにしたようだ。今から思うと、5月末のオバマの広島訪問は、今回の先制不使用などの計画の先駆となる象徴的な動きだった。オバマは、安倍首相とともに広島を訪問することで、安倍(や後ろで操っている日本外務省)に「口だけでなくちゃんとやれよ。俺はやるぜ」というメッセージを送ったともいえる。 (オバマの核廃絶策の一翼を担う日本) (オバマの広島訪問をめぐる考察)
▼オバマが望む後継者はトランプ?
オバマの今回の計画が、上記のようにうまくいくとは限らない。今回の分析は、オバマの計画がうまくいくとしたらこんなシナリオでないかという考察だ。私は、以前のオバマの核廃絶の動きに関しても、うまくいくとしたらこんなシナリオだろうという考察を書いて何度か配信しているが、その後の展開はうまくいかず、核廃絶は全く進んでいない。今回も、国連のP5諸国の賛同が得られるとしても、米国内の議会などからの横やりで、話が潰されるかもしれない。 (いよいよ出てくるオバマの世界核廃絶) (オバマの核軍縮) (核の新世界秩序)
オバマの任期は来年1月までだ。今回の核をめぐる策のいくつかは、オバマの任期の間に終わらず、次の政権に引き継がれる。次の大統領がクリントンになった場合、彼女は軍産へのすり寄りが激しいので、おそらくオバマの核廃絶策を無効にしていこうとするだろう。対照的にトランプは、日本など同盟諸国が米国にぶら下がっていることを非難し続ける一方、ロシアとの緊張緩和に積極的だ。オバマの策が維持されるとしたら、それはオバマと同じ民主党のクリントンでなく、政敵のはずの共和党のトランプが大統領になった場合だ。 (Blowing Up America's Nuke Policy)
オバマは前出の今春のアトランティック誌のインタビューで、クリントンの軍産の一員としての好戦性を批判している。オバマは、公式には、クリントンを支持し、トランプを非難している。現職の大統領が、次期大統領を決める選挙期間中に、候補を名指しして非難することは、米国で珍しい。オバマは選挙直前の10月に公務を減らしてクリントンを支援する姿勢まで打ち出している。だが、オバマのこれまでのひねくれた戦略から考えて、オバマが非難するほどトランプの支持が増え、オバマが応援するほどクリントンの支持が減るような構造を持った策でないかと疑われる。この件に関しては、改めて詳しく書くつもりだ。 (トランプ台頭と軍産イスラエル瓦解) (Trump `unfit,' Obama says, challenging GOP to end backing)
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オバマの邪魔しているの日本でしょうか?(笑)
核廃絶の世界的な流れは、確かにありそうです。
田中のウーさん記事は、期待を込めて載せておこう。
原発を止めたくない理由か↓
核廃絶を先頭切って走るべき日本政府が、本音では、 核武装したいと願っている欺瞞。
正直に主張すると、国民から反発があるので、嘘のオブラートに包んで現在推進中であった。
安倍首相のワシントンポスト報道否定こそ大嘘だ! 過去にも核武装発言を「発言してない」と虚偽の弁明
2016.08.21 リテラ
http://lite-ra.com/2016/08/post-2513.html
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自民党HPより
オバマ大統領が現在、検討しているとされる「核兵器の先制不使用宣言」をめぐって、安倍首相がハリス米太平洋軍指令官に反対の意向を示していたことを先週、各紙が報じた。元となったのは15日付けのワシントンポストの報道だ。
だが、昨晩、安倍首相は記者団に対し、「ハリス司令官との間において米の核の先制不使用についてのやりとりは全くない。どうしてこういう報道になったか分からない」と、ワシントンポストの報道を全否定した。
しかも、この安倍首相の否定を受けてネット上では安倍応援団が、ワシントンポストにそういうくだりはなく報道を後追いした朝日や毎日が記事を捏造した、などとわめき立て始めた。
「ワシントンポストの原文を読んできて下さい。反対を示す言葉はどこにも書かれていません」「朝日は英語も読めないのか」「完全にマスゴミの仕業だな」「反日どもがいつものように大嘘を喚いているだけ」
まったく、バカに構うと日が暮れるとはこのことか。調べればすぐわかるのに嘘ばかり垂れ流すネットの安倍応援団は、元となったワシントンポストの記事をとくと読めばいい。以下が原文と翻訳したものだ。
〈Japan, in particular, believes that if Obama declares a “no first use” policy, deterrence against countries such as North Korea will suffer and the risks of conflict will rise. Japanese Prime Minister Shinzo Abe personally conveyed that message recently to Adm. Harry Harris Jr., the head of U.S. Pacific Command, according to two government officials.〉
〈もしもオバマが核の「先制不使用」を宣言したら、北朝鮮のような国に対する抑止力が損なわれ紛争のリスクが高まると、日本は信じている。2人の政府官僚によると、日本の安倍晋三首相は、このメッセージを最近ハリス太平洋司令官に直接、伝えた。〉
ワシントンポストは、安倍首相が直接、ハリスに「抑止力が損なわれ紛争のリスクが高まる」と伝えた、しかも、2人の政府官僚が証言したとはっきり書いているのだ。これを読んで「反対とは書いていない」と言うのは、もはや英語力以前の問題だろう。これでもまだ捏造と言うのなら、寝言は寝てから言え、という話である。
だいたい、怪しいのは「ハリス司令官との間において米の核の先制不使用についてのやりとりは全くない」という安倍首相のほうだ。
実は、安倍首相が7月26日にハリス司令官と会談し、反対の意志を伝えたことは、日本の官邸、外務省関係者も一部のメディアにオフレコで認めていた。日本のメディアは自主規制して報道しなかったが、今回はアメリカ側がそれを報じたため後追いしたのである。
さらにいえば、日本は国連で一貫して「核兵器禁止条約」の交渉開始決議に棄権しており、核軍縮の進展を目指す国連作業部会の会合でも、佐野利男軍縮大使は安全保障上の問題を理由に核が必要とし「核兵器を削減・廃絶するのはほとんど非現実的」と主張。「核兵器禁止条約」の締結に対して反対し続けている。オバマ大統領が打ち出そうとしている核兵器の先制不使用宣言についても、外務省や政府高官は非公式に反対の意志を示してきた。
また、安倍首相自身も、2006年に「核兵器であっても、自衛のための必要最小限度にとどまれば、保有は必ずしも憲法の禁止するところではない」と答弁書に記すなど、積極的な核武装論者であることは論を待たない。
ワシントンポストの記事以前に、こうした事実を総合するだけでも、安倍首相が直接、ハリス司令官に反対の意志を伝えていたと可能性は極めて高いといえるだろう。ようするに、安倍はワシントンポストの報道で、世論から予想外の批判を受けたため、慌てて「発言していない」など得意の二枚舌で否定しただけではないのか。ましてや背後でこれだけの動きをしておきながら、「どうしてこういう報道になったか分からない」などと嘯くのはサイコパスとしか言いようがない。
実は、安倍は、以前も“核武装”をめぐって発言したことを「発言していない」と大嘘をついたことがある。発端は、官房副長官時代の2002年、早稲田大学で開かれた田原総一朗氏との学生向けシンポジウムのなかで、こんなことを語ったことだった。
「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」
まさに明確な核武装を肯定する発言で、「サンデー毎日」(毎日新聞出版)がこれをスクープしたのだが、安倍はなんとそんな発言はしていないと完全否定したのだ。「サン毎」編集部はこの講演会の録音テープを入手しており、そのテープの内容を詳細に公開していた。にもかかわらず、この発言を追及された国会では、安倍は「使用という言葉は使っていない」と主張しながら、こんなことを言いはじめたのだ。
「本来静かな学びやであるべき大学の教室にサンデー毎日が盗聴器とまた盗撮ビデオを仕掛けて、そしてそれによってセンセーショナルな話題にするということは、私はそれは学問の自由を侵すことにはならないかと、強い私は危惧を持つものでございます」
自分にとって不都合な報道には「盗聴器と盗撮ビデオを仕掛けられた」とメディアを一方的に犯罪者扱いする──。もちろん、「サン毎」が盗聴器や盗聴カメラを仕掛けていたという事実はまったくなく、この発言もまた大きな問題になったのだが、保身のためならどこまでも嘘をつき通し、卑劣な罵倒を繰り出す性格は、このころから何も変わっていないのだ。今回のワシントンポストの報道を否定しているのも、それで逃げ切れると考えているのだろう。
しかし、先日も夏季休暇中に日枝久フジテレビ会長とゴルフに興じていた安倍首相だが、海外メディアを国内メディアのようにゴルフや会食で手なずけることも、官邸が圧力をかけることもできない。実際、国内と違い安倍政権を“忖度しない”海外メディアは安倍首相の極右思想を客観的事実に基づいて冷静に分析、報道してきた。
だが、そんな報道に対して、首相は「捏造された」と言わんばかりの態度をとっている。今回の問題だって、記事を否定するのであれば核兵器の先制不使用に対する自身の考えをあきらかにするべきだが、それさえしていないのだ。そして、ネット右翼が「反日の捏造だ」と沸き返り、反知性主義丸出しの安倍首相擁護を繰り出す──。つくづく、この国のレベルはどうなっているのか、と溜息をつくほかない。
(編集部)
2016年08月10日06:38
カテゴリGhost Riponの屋形(やかた)
日本会議は国賊集団である 小林よしのり
ゴーストライポンさんのサイトより
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-12188852523.html
<転載開始>
日本会議は国賊集団である
2016年08月04日 小林よしのり
http://blogos.com/article/185975/
週刊文春の記事「天皇生前退位に『日本会議』が猛反発」という記事を読んで、猛烈に腹が立った。
日本会議は自分たちの方が天皇陛下より偉いと思っている!
「天皇陛下の好きにはさせない」というこの傲岸不遜の態度は、あきらかに「国民主権」の最悪の病いの発症である。
「承詔必謹」のひとかけらもない、国賊そのものである。
日本会議が「男系男子」にこだわるのなら、その人物を国民に紹介すればいいではないか!
「いない者」を皇族にしろと、この場に及んで主張するとは、頭がイカレてるのか!?
小泉政権での女系継承を認める法案を潰してから、何年になる?
なぜ日本会議は男系男子を見つけないのか?
「いない者」をいると妄想して、男系しか許さんと言うのは異常すぎる!
日本会議の中に極左が入り込んで、皇統断絶のために策動しているのではないかとしか思えない。
お言葉を表明される天皇陛下のご意向は、断じて「私心」ではない!
それが「公」のためだからだ!
日本の未来のため、あらゆる方面に配慮した結果として、悩みに悩んで表明される「ご意向」である。
ある宮内庁幹部は「これは天皇陛下からの最後のメッセージともいえる、大きなものだから」と呟いたという。
日本会議は天皇陛下を奴隷と思っているのか?
これほどまでに「尊皇心」をなくすとは、極左以上!
日本会議は国賊集団である!
週刊文春の記事らしいが・・・
これぞ右翼(笑)
日本会議と命名されているが、国賊であったと。
国賊なので、偽日本会議でお願いします(笑)
似たようなサンプルは他にもあり、
「天皇陛下を”彼”呼ばわりする宮家邦彦の発言が怖い。基本的人権の制限とか」
忠誠誓っているのが、日本国民や天皇ではなく、ネオコンなのかユダ金なのか?
そう考えると、彼らの言動&行動の説明がつく。
中身はガイジンです↓
なぜ天皇の生前退位がそれほど大問題なのか
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-12182470557.html
天皇陛下を”彼”呼ばわりする宮家邦彦の発言が怖い。基本的人権の制限とか
2016 年 7 月 18 日 まるこ姫の独り言
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/687.html
この中で、宮家邦彦が天皇陛下を”彼”と呼んで、慌てて天皇
陛下と言い直していたが、この発言には本当にビックリした。
ベストセラー『日本会議の研究』の著者、菅野完氏に聞く!日本会議の正体とは?
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-12180933960.html
日本会議が「生前退位」の最大障壁となる可能性
2016.07.25 NEWSポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20160725_432403.html
天皇を敬うことと天皇の意向に同意することが必ずしも一致しないところに、皇室典範改正問題の難しさがある。
保守系民間団体「日本会議」は、実はこれまで皇室典範改正に反対してきた。もしかしたらこの巨大組織が、生前退位の最大障壁となるのかもしれない。生前退位の意向が報じられると、東大名誉教授で日本会議副会長の小堀桂一郎氏は産経新聞(7月16日付)でこうコメントした。
「天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。全てを考慮した結果、この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善だ、との結論になる」
まり、「摂政」一つとっても、日本会議(安倍政権)と天皇が、対立してるのが良くわかるのであった。
他には、憲法問題も、原発事故の件もあります。
さまざまなブロガーの、天皇が、憲法改正、未来の日中戦争を止めたと言う直感は、希望的観測ではなく、当たっているような気がしますね。
テレパシーが働いたか?(笑)
リテラに詳しい解説ありました↓
天皇が「お気持ち」で生前退位に反対する安倍政権や日本会議へ反論! 象徴天皇を強調して戦前回帰けん制も
2016.08.08 リテラ
http://lite-ra.com/2016/08/post-2481.html
本日、公表された天皇自身の「お気持ち」を表したビデオメッセージだが、その中身は予想以上に踏み込んだものとなった。
たんに高齢で天皇としての務めが十分に果たせなくなる懸念を表明しただけでなく、各地に出かけ国民の傍に寄り添うことこそが象徴天皇の役割であり、単純に公務を縮小するのは「無理があろう」と明言。「摂政」をおくという措置に対しても違和感を表明した。また、昭和天皇の崩御のときに起きた自粛が再現されることへの懸念を示し、大々的な葬儀についても「避けることは出来ないものか」とはっきり意思を表した。
これは、明らかに安倍政権の周辺から出てきている「生前退位反対論」を牽制する意図があってのものだろう。
実は7月にNHKが「生前退位ご希望」の第一報を打った際、菅義偉官房長官は報道に激怒し、そのあとも政府関係者からは「生前退位は難しい」という慎重論ばかりが聞こえてきていた。「国務を減らせば済む話」「摂政で十分対応できる」、さらに「天皇が勝手に生前退位の希望を口にするのは、憲法違反だ」という声も上がっていた。
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安倍首相の周辺や日本会議が生前退位をヒステリックに否定したがるのは、それが彼らの極右思想の根幹と真っ向から対立するものだからだ。
そもそも生前退位というのは、江戸時代後期以前の皇室では、しばしば行われていた。ところが、明治になって、天皇を頂点とする国家神道を国民支配のイデオロギー装置にしようと考えた政府は、大日本帝國憲法と皇室典範によって、この生前退位を否定、天皇を終身制にした。「万世一系」の男性血統を国家の基軸に据え、天皇を現人神と位置づける以上、途中で降りるなどということを許すわけにはいかない。終身制であることは不可欠だった。
それは、この大日本帝國憲法の復活を最終目標にしている安倍首相と日本会議も同様だ。周知のように、自民党の憲法改正草案でも、日本会議の「新憲法の大綱」でも、天皇は「国家元首」と規定されている。彼らが天皇を神話的な存在に戻し、国民支配の装置として再び政治利用しようという意図をもっているのは明らかであり、生前退位を認めるというのは、その目論見が水泡に帰すこととイコールなのだ。
しかし、天皇は今回のメッセージで、こうした日本会議や安倍首相が狙う戦前的な天皇制復活、天皇の国家元首化をきっぱりと否定した。
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「安倍首相やその周辺の右翼連中はもともと、天皇陛下のことを『ヴァイニング夫人に洗脳されている、国体の破壊者だ』と言っていたくらいで、天皇陛下のお気持ちなんて一顧だにしていなかった。生前退位や女性宮家の問題もずっと裏で要望を出されていたのに無視されていた。それが今回、天皇に『国民へのメッセージ』というかたちで、問題を顕在化されてしまったうえ、憲法と象徴天皇制のありようまで語られてしまったわけですからね。いまごろ、はらわたが煮えくりかえってるんじゃないでしょうか」(ベテラン皇室記者)
天皇が今回、この「お気持ち」を公表した裏には、単純に高齢化への不安から生前退位を実現したいという以上に、天皇という存在が皇太子の代になっても政治利用されないよう「日本国憲法における象徴としての天皇のありかた」を伝えておきたいという気持ちがあったと言われている。
戦前回帰を企図する安倍政権がすんなりと生前退位を認めるとは思えないが、少なくとも国民にはその思いは伝わったのではないだろうか。
(エンジョウトオル)
映像見つけたので、これも追加で。
東日本大震災について、「天皇陛下のおことば」のノーカット版↓
天皇陛下とローマ法王の脱原発発言
2012年3月12日 田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/2012/03/0003879
「原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」。
11日、国立劇場で行われた「東日本大震災・追悼式典」で天皇陛下が述べられた、原発事故に関するお言葉だ。NHKは追悼式典をライブで伝えた。生放送であるため陛下のお言葉は一言も漏らさず伝わった。
ところが同じNHKでも編集作業が加わるニュースでは「原発事故」の部分はカットされていた。民放もこの部分は省いた。