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TPPは棄民の最終章 TPP交渉で考えていることは、米国企業の利益である。 

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小泉、竹中、安倍はその路線を承継していますが、ますます国の経済はおかしくなっています。そのリバタリアニズムを象徴するのが、維新の会の橋下とみんなの党の渡辺でしょう。みんなの党のみんなとは資本家のみんなを意味して国民全体を意味しません。


僕は50代だが30年日本をみてきて同感だ。

まずもって官僚は劣化がはなはだしい。アメリカ崇拝という近視眼的な思考しかしなくなったのはほんとうに誤りというか、誤った道をきてしまった感がある。

大資本家の企業が中小の企業を食いつぶしてきて、中小の企業の正社員たちがいなくなって大企業にはパートばかりが増えてきて今では契約や派遣社員ばかりの時代になってしまった。中間層をなくしてしまい負の連鎖、デフレが止まらなくなってしまったわけだ。

新自由主義という考えが誤りだということをいつ官僚がきがつき、政治家が気がつくのだろうか?まあなんらかの騒乱がおきるまで続くのかもしれない。




TPPは棄民の最終章
2013年04月27日 [USA]



Fibrodysplasia が4月19日に次のようにツイートしている。

「見殺し。棄民。QT>「福島の子どもは26万人、半分嚢胞ができてる、悪性腫瘍になるのは30%。4万人じゃないですか。

未曾有の大惨事が目の前で起ころうとしているんですよ。なんで見殺しにできるんですか。すぐに避難をさせないと一刻を争うんです。
http://bit.ly/Z3YTkt 」
(引用終わり)


原発事故で福島県民は棄民される。

米軍基地で沖縄県民は棄民される。

このふたつの棄民とも米国が大きな影を落としている。

これで棄民は終わったのだろうか。まだ続くのではないだろうか。

それを考えてみるのに、4月18日、テレ朝での、孫崎享と古賀茂明とのTPP論争をきっかけにしてみよう。

TPP参加に関する論争は、毎回、相場が決まっている。 TPP参加賛成論者は実に適当で、いい加減であり、 TPP参加反対論者が、圧倒的に論理的で現実的な論を展開する。
この番組も孫崎がよく準備してきており、この種のテレビ番組には不釣り合いなほど真面目で緻密な反対論を展開していた。

わたしは、古賀が目からウロコといった発想を見せるのかと、かすかな期待をしていたが、やはり無惨に裏切られた。

古賀が語ったことで目新しいものは何もなかった。要は、TPPは交渉でどうにでもなる、日本の官僚は米国にやられっぱなしではない、過去の自分の経験からも米国と頑張って交渉してきた、交渉には米国の方が正しいものもあり、そのように交渉の場で米国案に賛成して自分は叱られたことさえある、今回も交渉も大丈夫だ、といった楽観論を展開した。

面白かったのは、古賀が、自分が通産官僚のときの交渉の体験を語ったことである。それによると、交渉で米側の言い分が正しいと発言し、後で叱られたという。

古賀には哲学がない。国家観がない。想像力がない。これに百歩譲って我慢するとしても、困るのは古賀に状況観がないことだ。

古賀は、米国との交渉の場で米国の言い分の方に理があり、米国が正しいではないか、と発言したという。このエピソードほど古賀なる人物を物語るものはない。どうしてもいいたいことがあったとしても、相手国への賛同は会議の後で、身内の席でいうべきなのだ。

こういうのは偏差値とは全く関係がない。多分にセンスが関係している問題だ。わからない人間にはいくら説諭してもわからない類いの問題である。

いずれにしてもTPPのようなスケールの大きな問題では、古賀の、政治音痴の状況知らず、といった限界が露呈されてしまう。

現在、安倍晋三や甘利明などが行っている交渉とは、米国の機嫌を伺って国を売り、その見返りとして我が身の保身を図るものだ。

孫崎の反論で貴重だったのは、ISD条項について、これは国家間の訴えではなくて、投資家(企業)が企業利益を唯一の基準にして外国の政府を訴えるものである、と指摘したことである。

つまりこの訴えでは、その外国の国民の、健康や安全、命と暮らしが考慮されないのである。あくまでも投資家(企業)が儲からなかった、という視点のみでわが方は訴えられるわけだ。

古賀の論で気になったのは、現在米国がいっていることをそのまま信じきっていることだ。つまり米国はISD条項の対象として投資とサービスをあげている、他の分野は米国が議論しないといっている、と語ったのである。

つまり発想が状況的でないのだ。古賀は、米国の圧力に対しては世界の常識がある、と語ったが、こののんきさ、楽天家ぶりを見ると、既に米国に魂を売った人ではないかとわたしは思った。

米国はそれほど甘い国であろうか。イラクには大量の破壊兵器が存在し、フセインはタリバンと内通していると宣伝して、世界と国連をだまし、ブッシュがイラクに戦争を仕掛けたのはまだ10年前のことだ。古賀はもう忘れたのだろうか。

現在、日本の馬鹿メディアは、連日、ボストンマラソン爆破事件を同情たっぷりに報道している。わたしの念頭によぎるのは、ブッシュの偽りの大義で祖国を破壊されたイラクの人々の怒りと悲しみであり、それの同情が日本の馬鹿メディアにはほとんどないということだ。

米国人もイラク人も同じ人間である。

単純に数で比較することはできないが、ブッシュのイラク侵攻で、450万人以上のイラク人が祖国から強制退去させられている。殺害された一般市民は100万人以上に及ぶ。

ブッシュがイラクを破壊することで火がついたスンニ派とシーア派との血みどろの戦いはいつ収束するともしれない。

夫を殺害された妻。妻を凌辱された夫。子供や老父母を殺害された男や女たち。両手両足を失った子供たち。劣化ウランによる奇形児。精神的疾患を負ったイラク人は、ほぼ全国民といっていいだろう。

世界で真っ先にブッシュのイラク侵略に賛成した小泉純一郎には、反省の意識は皆無であり、連日ブッシュの嘘のプロパガンダを繰り返した日本のマスメディアにも反省の意識は皆無である。

TPP参加交渉に臨むには、最低限度イラク侵攻に当たってブッシュが、世界と国連に向かって吐いた嘘の記憶があるべきだ。あの米国と交渉しているという認識があるべきなのである。

わたしはTPP参加に反対している。その反対の理由については、これまでも多く論じてきたが、ここではTPP参加によって有名無実化する国民皆保険について述べておく。

TPP参加後の日本の公的医療保険制度は破壊されると思われる。今までのように病気になっても医者には頼れなくなる。医療に経済格差が持ち込まれるためである。

古賀は交渉の中では米国の言い分に理があることもあると、のんきなことを語っていた。しかし、TPP参加交渉で米国資本が考えていることは、米国企業の利益である。そこでは日本国民の健康や安全、生活や暮らしの幸せは全く考えられていないのである。

TPP参加の後に日本の医療がどのように破壊されるかは、現在の米国の医療現場を見るのが最も良い。


捨てられた国家日本
2013年11月28日 [政局]


日本民族には、中国のように権力を監視してその動向をつぶさに書き言葉に残した文化も歴史もない。

むしろ権力に都合の悪い重要文書は「紛失」や廃棄によって、闇から闇へ隠滅してきたのが日本の為政者たちである。

それは現在の為政者(官僚・政治家)にも牢固として受け継がれている。情報公開法が施行されたのは2001年4月1日である。わずか12年ほど前のことだ。

先進国としての、この異様なまでの情報公開の遅さは、日本の為政者に、国民に自分たちの為政の情報を与える文化がまったくなかったからである。情報公開法はできても、少しでも為政者に都合の悪い情報は公開されていない。ほとんど情報公開法の意味がないような、ほぼ全面にわたって墨で消された「公開情報」を、読者も御覧になったことがあると思う。

公文書管理法ができたのは、 2009年7月1日(最終改正は2012年1月26日)である。つい最近のことだ。

公文書管理法は、行政機関等の公文書を対象としており、司法・立法の公文書は含まれていない。また、地方公共団体の公文書は努力規定となっている。非常に不十分なものだ。

消えた年金や、小沢一郎裁判で明らかになった司法の闇などは、すべて情報公開と公文書管理文化の立ち遅れを物語るものである。

例えば、3.11以降、原発関係の重要事項を決めてきた「原子力災害対策本部」の議事録も作成されていなかった。これは原発事故以降の最大の隠蔽工作であろう。

自明のことを述べるが、会議は司会者と書記の存在を確認してから始まる。それを21回も見逃してたというのは、意図的な情報隠蔽工作である。

また、東日本大震災関連15会議のうち10会議の議事録が「廃棄」された。このうち3会議は議事概要さえない。

民主党政権のだらしのない政治姿勢を浮き彫りにするものである。これはなんと公文書管理法ができた後の2012年のことだ。つまり公文書管理法の制約などほとんど意味がないことがわかる。

このとき、政府は、会議で記録をとられると話しにくいから、と弁解した。もし国際会議でこれをいえば、その幼稚さは物笑いの種になるだろう。

もともと記録を残して教訓化する政治文化がないのであり、政治家が無責任で、保身だけに走っているのである。3.11には何も起こらなかった。政治家に失政はなかった。為政者たちはそういいたいかのようだ。それで福島第1原発事故のあと、原発の維持のみならず、外国への原発輸出が続く。

日本の官僚政治が様々な基準値を緩めるのは、まるで子供の成績を「優」だけに操作する学校現場のようだ。日本の技術はすばらしく、日本人はすばらしい。朝から晩まで犬HKを初めメディアはそのことを繰り返す。

家が燃え盛っている最中に祭り(東京オリンピック)を行う現実無視は、棄民政策の上に成り立ち、政治貴族たちの、保身と利権を保障するのである。観念領域の非常な頽落、言葉に関わる者の退嬰が、70年代から進捗している。民主党や自民党のみならず、日本の政治家たちのマニフェスト無視、理念の軽視は、強烈な愚民観に基づいている。わたしたちは、愚民観が理念を嗤笑する時代に生きているのである。

この日本の体たらくに対して、米国原子力規制委員会は、福島原発事故発生直後の、3月11日から10日間にわたる、詳細な3000ページ超の議事録を公表した。これによると、米当局は最初からメルトダウンを想定して対応していた。彼我の何たる違いであろうか。

日本側には議事録がないので、世界は今後、米側議事録で日本の福島第1原発事故を研究することになる。

これほど恥ずかしいことはないのだが、マスメディアが行政と一体化しているので、国民はその意味を知らないのである。

情報公開もそうであって、今まで日本の官僚・政治家が国難を救おうと、誰も知らない情報を公開したことなどないのである。すべて米国で公開された日本関係の情報で、日本が大騒ぎしているだけのことだ。



国民は、国家に公にできない情報が存在することくらいわかっている。しかし、永遠に闇に隠される情報は、あってはならないのである。

なぜなら、それを許せば、ひとりの大臣の恣意的な、あるいは党派的な利権のために、秘密に指定され、60年後に廃棄される情報が出てくるからである。

しかも、そのときの大臣が、非常に愚かであった場合、個人的な理由で秘密に指定し、あるいは廃棄する可能性が出て来る。現在の政治を見ると、その危惧は100%現実化するだろう。

はっきりいうが、「特定秘密保護法案」が狙っているような権限を特定の大臣にもたせるというのは、とんでもない間違いである。

自国民には情報を隠蔽し、知ろうとした者には重罰を課する。しかし宗主国には進んで情報を提供する。

これは、菅政権によるSPEEDIシステムによる核拡散予測情報を想起させる。菅政権は、SPEEDI情報を、米軍には3月14日には提供していた。にもかかわらず、国民に情報を提供したのは3月23日だった。9日間の時間差は何を物語るのか。

これは、「下々の皆さん」(麻生太郎)は、情報を知る必要はなく、まして政治に関与する必要はなく、政治は自分たちがやる、というグローバリストの宣言なのだ



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