Quantcast
Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2772

東京電力は原発事故の責任などとらずに,澄ました顔でいまも電力会社を運営している

$
0
0
2015年12月26日22:01
カテゴリ勝手に拝借しましたm(__)m福島・原発関係
東電福島第1原発事故現場,おシメのとれない「放射能物質ダダ漏れ」状態は,いったいいつまで続くのか?
社会科学者の随想さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1048410960.html
<転載開始>
東電福島第1原発事故現場,おシメのとれない「放射能物質ダダ漏れ」状態は,いったいいつまで続くのか?
『朝日新聞』2015年12月26日朝刊11面電気料金改定表
【21世紀中にはたして,片がつくのか,つかないのか? 誰にも確言はおろか,予想すらできないのが原発事故現場の惨状であり,その体たらくである】

【悪魔的化学物質:「原子力という悪童」が遊戯・乱舞する原発事故現場】

【東京電力は原発事故の責任などとらずに,澄ました顔でいまも電力会社を運営している(右側記事は本日『朝日新聞』朝刊11面)】

【泥沼に深くはまっていながら,銭湯につかっているかのような仮装の演技ぶり?】


 ①「おしめが永久にとれない」ような「汚染水ダダ漏れ」(駄々っ子)の深刻さ
 本日〔2015年12月26日〕『朝日新聞』朝刊3面に掲載されていた記事は,見出しを「汚染水,1日200~300トン増 基準超え,海に流せず 福島第1」とかかげて,こう報道していた。

 --東京電力福島第1原発で〔2015年〕11月以降,高濃度汚染水の発生量が大幅に増えている。新たな汚染水対策として護岸近くの井戸でくみ上げ始めた地下水が,想定以上に多く放射性物質を含み,海へ流すことができないためである。( ↓ 画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2015年12月26日朝刊3面汚染水問題画像
 1日平均200~300トンの地下水が高濃度汚染水の発生源である建屋内に移送され,これまでの汚染水対策の効果が打ち消されるかたちになっている。
 きっかけは汚染地下水の海への流出を抑えるため10月26日に完成した海側遮水壁。1~4号機付近の護岸沿いに長さ30メートルの鋼管を埋めこんで,地下水をせき止める。地下水位が上がり過ぎないように護岸近くで地下水をくみ上げ,浄化処理して海に流す計画だった。

 ところが5本ある井戸のうち4本で,除去が難しいトリチウム(三重水素)の濃度が海への排水基準(1リットルあたり1500ベクレル)を上回った。地下水位も想定以上に上がり,くみ上げ量が予定の数倍に。結果,溶けた核燃料に触れた高濃度汚染水がたまる建屋内しか行き場がなくなった。護岸近くの汚染土壌に地下水が触れたのが原因とみられる。

 東電は建屋での汚染水増加を抑えるため,建屋周辺の井戸で地下水をくみ上げ,処理して海へ流す対策を9月から本格稼働させ,建屋に流入する地下水を1日約300トンから約200トンへ減らせたとしていた。海側遮水壁の完成で,海へ流出する汚染地下水は抑えられたが,この対策は帳消しになった格好である。増えた汚染水は濃度を下げる処理の後タンクにためられる。

 東電は今後,建屋周辺でのくみ上げ量をさらに増やす計画。そうすれば地下水位が下がり,護岸近くでのくみ上げ量を減らせると見込む。ただ,汚染水増加を解消できる時期はまだ見通せないという。

 --この記事の左側横欄には,以前より長く続いている連載記事『〈プロメテウス;No. 1487〉立地屋:8 原発事故に『衝撃』」(『朝日新聞』2015年12月26日朝刊3面)が出ている。この連載記事のには,有名なというべきか,なんどもみたことのある写真「事故後の福島第1原発(米デジタルグローブ提供)」も添えられている。つぎに参照する画像資料のうち,上の画像がそれである。
3・11直後東電福島事故画像デジタルグローブ提供
出所)http://blog.livedoor.jp/instantcafe/archives/50581075.html

 ②「〈プロメテウスの;No.1487〉冒頭部分の記述」(『朝日新聞』2015年12月26日朝刊3面)

 〔2011年〕「3・11」の明くる日から,九州電力OBの徳田勝章(78歳)はテレビ画面に釘づけになった。防災訓練の視察のため福島第1原発へ出張したことがある。川内(せんだい)原発1号機の運転開始の前年,九電の立地担当だった1983年であった。

 あの1,3号機が水素爆発を起こし,原子炉建屋が吹き飛ぶ。原子炉が溶け落ちるメルトダウンに至っているであろうことは,徳田には容易に想像がついた。「スリーマイル島やチェルノブイリのような重大事故は技術力の高い日本ではありえない」。

 現役の立地屋のころ,徳田は地域住民に説き,原発建設への理解を求めてきた。だが。「反対派がいったとおりだった。非常な衝撃でした」。

 --東電福島第1原発事故における核燃料の溶融は,発生当初より,原子炉の圧力容器からさらに格納容器も破壊し,地中(地下)に到達するところまで進展していた。
 チャイナ・シンドローム図解画像2 チャイナ・シンドローム図解画像
出所)http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/345.html
原子炉構造図解原子炉格納容器画像原子炉写真
出所)http://nagomi-web.com/hotnews/genpatu/genpatu_7.html

 事故発生直後においてはその事故現場が直接のぞけないだけに,東電や国側の都合のいいように,つまり深刻・重大な段階にまでは至っていないかのように, それも手前勝手な解釈ばかりが情宣されていた。だが,事故発生からまもなく溶融にまで至っていた事実経過は,いまとなってはあらためて指摘するまでもない事実であった。

 東電原発事故の結果発生したままいまもなお,解決(適切な処分)をもたらす技術的な措置ができないでいる。高濃度汚染水の途切れなく発生している困難な現状に置かれている。

 この汚染水の問題について本ブログはなんどかとりあげてきた。

 結局,「魔法使いの弟子」の1人(電力会社のことだから1社か)に過ぎない者が,原子力という魔力的な電源用エネルギーの爆発事故を体験してから,早5年近くもの年月が経過してきた。

 だが,事故現場の解決策としてまともに有効である決定打を示しえないままでいる。いまのところ,いったいあと何年(何十年?)経ったらその「解決のメド」がつくそうなのかさえ,さっぱり不明・不詳である。 
魔法使いの弟子画像
出所) https://www.youtube.com/watch?v=ONJykiG2L_g

 汚染水のダダ漏れに講じた対策は,いままでのところをなにをやっても〈元の木阿弥〉である。なにせ,溶融した「核燃料の汚染」は地下水の流路にまで到達しており,いままでのところ,これに対して十分な対策が立てられず,追いついてもいない〈常態〉であった。

 通常での物理・科学的な危険物質とは根本的に異質である放射能汚染物質である。人力ではもちろんのこと,機械力でとりのぞく工事法を採用して除去しようとするにしても,非常な困難に直面させられつづけている。

 しかも,以上の技術的な至難事が指示するのは,この爆発事故を起こした原子炉と付設施設〔圧力容器・格納容器・建屋〕の全体を,『廃炉工程作業の段階』にまでもっていくその前の段階における問題として,さきに解決・処理しておかねばならない事実である。

 だから本ブログ筆者は,この「廃炉までの全工程」を後始末できて,東電福島第1原発事故現場がきれいに片づいたといえる日が,いったいいつの日になるのかは全然不透明であり,むしろ21世紀を超え出ていく難事業になるかもしれないとまで予測している。

 ③ チェルノブイリ原発事故はあと何年(何十年)後に「始末できた」といえるようになるのか?-東電福島第1原発事故も同じに考えねばなるまい-

 そうした予測(展望)はなんらおおげさではなく,チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)の現況をみるまでもなく,そのように深刻に考えねばならず,事前に十分に覚悟しておく必要がある。

 結局,東電福島第1原発事故現場における地下汚染水問題は,あふれ出ていてしまい浄化処理できない分については,これをただタンクを増設しながら溜めこんでいる。いまのような〈困った状況〉にあっては,まともに対処できていない。それでは,今後はどうしていくというのか? 浄化処理もできないまま,海に流しこんでごまかすほかなくなる。これがもっとも可能性の高い選択肢でありうる。

 むろん,そのときがもしも現実の事態になったときは,きっとこういうかもしれない。浄化処理をできるだけほどこしてみたが,万やむをえず海に放流したと〔か〕。しかし,事故現場は東電という私企業の敷地内である。技術的な限界もあって,マスコミがきちんと現場の内部をこまかに監視できるわけなどない。なにがどうのように対策されているかをしるのも,東電側の一方的な発表に頼っている。
安倍晋三画像32
出所)画像は,http://www.oracity.net/resbbs3/resbbs3.php?cate=1&kijino=1209261348650085

 国の責任? 安倍晋三はいっていた。 “under control” なのだと。冗談にもならない迷文句であった。しかしなんといっても,under control されているのは,実は,人間の側における「未熟な原発利用技術」であり,東京電力〔などすべて〕の原子力発電所であり,安倍晋三自身である。

 先頭に立って平然と虚言を吐く安倍晋三も含めて,原子力村利害共同体諸集団全体が,実際には「原子力という悪魔力」に振りまわされているだけなのである。これがその “under control” をとりしきっている《本当の主》が,どこの誰であるかを教えている。それにしても安倍晋三は,罪な発言をした。日本における原発史に銘記されるべき迷文句を吐いてくれた。罪な男というほかあるまい。

 ④ 2013年9月7日の記事-「汚染水漏れ『Nature(ネイチャー)』が日本政府の福島第1原発の対応を批判」(『The Huffington Post』2013年09月07日)

 この記事はいまから2年と4ヶ月前に報道されていた。この記事の指摘があってから,東電福島第1原発事故現場はいかほど改善されていたか,あるいは問題が除去されていたか? この「2年と4ヶ月」という時間の単位が,これからも何回・何十回でも反復されていくのではないか? この種の重大な懸念を否定できる人はいない。

 --科学雑誌の『ネイチャー』(Nature)が,2013年9月3日に掲載した福島第1原発に関する論説が話題になっている。日本政府の行動の遅さと,情報公開のおそまつさを指摘する厳しい内容である。思想家の内田 樹氏,「自然科学のジャーナルが一国の政府の政策についてここまできびしい言葉を連ねるのは例外的なこと」と,同記事の内容を紹介している。

 ネイチャーの指摘する内容はどのぐらい厳しいものなのか。

 記事は「Nuclear error」と題され,「日本はもっと世界に助けを求めるべきだ」という副題がついている。福島第1原発事故の事故は東京電力の手に負えないほどのものとしたうえで,政府が先頭に立って対応するということを決めた時期が遅すぎると非難している。この内容を記述した段落の冒頭のみ,直接,英文で引用しておく。
“ Nuclear error ”

 Japan should bring in international help to study and mitigate the Fukushima crisis. The radioactive water leaking from the site of the wrecked Fukushima Daiichi nuclear power plant in Japan is a stern reminder that we have not seen the end of the world’s largest nuclear crisis since the Chernobyl meltdown in Ukraine in 1986.

 After an earthquake and tsunami crippled the Fukushima plant in March 2011, it became clear that efforts to decontaminate the area would be long-lasting, technically challenging and vastly expensive. Now it turns out that the task has been too big for the owner of the plant, Tokyo Electric Power Company (TEPCO). The Japanese government on 3 September announced a plan to take over the clean-up, but its intervention is overdue.
 Note)http://www.nature.com/polopoly_fs/1.13667!/menu/main/topColumns/topLeftColumn/pdf/501005b.pdf,pp. 5-6.
 また,漏れた汚染水の放射線量が,最初に報道されていた状況よりも18倍も高かったことや,報道が遅れたこと,監視体制の甘さなどを挙げ,情報に精通した海外の専門家に助けを求めるべきと助言している。

 日本が海外の力を借りるべきとする意見を出しているのは,『ネイチャー』だけではない。

 ドイツ出身のエネルギーコンサルタント,マイケル・シュナイダー氏は,ハフィントン・ポストUK版の取材について,「現在の課題は,彼ら(日本政府)の現実逃避的な姿勢を崩すことだ。これは組織的な現実逃避だ。ここでは日本のもつプライドが問題になっているが,プライドが現実逃避の態度へと変わってしまうと,このような問題は本当に危険なものとなる。彼らは人びとを,高まりつづけるリスクにさらしている」と述べている。

 アメリカの科学者,チャールズ・ファーガソン氏も,ロシアやノルウェーには,汚染水が海洋生物にどのように影響があるかを調べる専門家がいることなどを挙げ,日本が他の国から多くの専門家を呼びこむべきだということに同意している。

 また,ロシアの国営原子力発電所操業会社ロスエネルゴアトムの第1副社長,ウラジミール・アスモロフ氏は,「原子力業界はグローバル化しており,事故が国内でとどまることはない。国際的な問題だ」と述べ,ロシアとしても支援する用意があると述べたという。

 『ネイチャー』は,福島沖の海洋汚染の問題を挙げ,安倍首相がかかげる科学振興に言及して,つぎのように述べている。
    安倍首相と政権は,科学振興を推進すると述べている。世界中の研究者が,(汚染された海洋データを)調査しシェアしていくことを支援するべきではないか。チェルノブイリの事故後にはこのような機会がなかった。しかし,福島ではまだ遅くはない。
 註記)前掲『ネイチャー』2013/09/03「Nuclear error」より。
 東京電力は,相澤善吾副社長が2013年8月21日の記者会見において,海外を含む国内外の叡智を結集して汚染水の対応にあたると話している。一刻も早い対応が期待される。
 註記)http://www.huffingtonpost.jp/2013/09/07/nuclear_error_nature_n_3884364.html

 こう論じられた東電福島第1原発の事故現場,はたしていかほどに「海外を含む国内外の叡智を結集して汚染水の対応にあたる」ことができており,そして事態を改善なり収拾なりいかほどできているのか?

 ★-1 2012年2月1日のある記述。--「東電,大幅に変更」「『6リットル』→『 8.5トン』4号機原子炉から漏れた高レベル汚染水」。

 ★-2 2014年8月19日のある記述。--「高濃度汚染水漏れるタンクから120リットル←いつの間にか 300トンに変更される」。

 ★-3 2015年12月6日『東京新聞』朝刊の報道。--「福島第1汚染水漏れ続く 機器劣化も進行 トラブル温床に」。 東京電力東京新聞20151206画像福島第1原発で,配管の劣化や工事ミスにより,汚染水が漏洩するトラブルが相次いでいる。

 いずれも漏れた量は多くはなく,周辺の堰(せき)内で食い止められた。ただ,事故から5年近くが経ち,機器の劣化が進むことから,大きなトラブルが起きる前に芽を摘んでおく必要がある。

 以上,★-1・2・3の〈時間の流れ〉のなかにあっては,ほかにも関連する報道がたくさんあった。そして,本日〔2015年12月26日〕にとりあげた記事「汚染水,1日200~300トン増 基準超え,海に流せず 福島第1」(『朝日新聞』朝刊)も,その時系列上に出現したひとつの報道であった。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2772

Trending Articles