TPP参加は植民地化と国民の奴隷化
2013年02月27日 [USA]
わたしたちは、1%の既得権益層のために放射能まみれの国土を子供たちに残すのか。ドイツのように敢然として脱原発に向かうのか。大量の自殺者を生む消費税増税を廃止するか。それとも実行するか。TPPで完全な米国の植民地になるか。独立に向かうか。未来からバカたちの時代と総括されるか。それとも敬意を持って書かれるか。
この既得権益支配層に仕える第1極に対抗するのが国民連合である。
国民の生活が第一、社民党、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本、新党日本、改革無所属で構成される。次期衆院選で、消費税増税廃止・凍結、脱原発、TPP反対を共同公約として掲げる。
我が国にはふたつの対米隷属政党がある。ひとつは自・公の勢力である。もうひとつは「民・維新・みんな」の勢力である。
ひとつの勢力が苛政を行い、売国を進める。怒った国民がその勢力から他の勢力に政権を渡す。
しかし待ち受けているのは、同じ売国の、苛政の勢力である。国民の人権を奪い、宗主国のために国民を奴隷化し、売国を進める実態は何も変わらないわけだ。
まったく本質の変わらない二大政党時代が、民主党の菅直人によって定着したのである。
亡国(植民地化)という観点から切り取れば、他にも幾つか念頭に浮かんだ課題があり、紙幅の都合で割愛したものがあった。そのひとつが原発の廃棄物処理場の問題である。
さて、日本の政治状況は亡国(米国の植民地化)の完成度を強めている。
1月7日の『朝鮮日報』が「日本が韓国の使用済み核燃料受け入れか 日本で原発縮小の動きが広まる中、再処理施設を維持するため韓国やベトナムなどに注目」と題して次のように報じた。 ただしこの報道は、日本に、放射性廃棄物の処理能力がないことを押さえたうえで読む必要がある。
「日本政府は韓国やベトナムなど、アジア各国の原子力発電所から排出される使用済み核燃料を、日本の青森県・六ケ所村にある再処理工場で処理する方向で検討を進めていることが分かった。これは東京新聞が6日付で報じた。日本は核兵器を保有していないが、使用済み核燃料の再処理施設は保有している。
昨年5月には当時政権与党だった民主党の細野豪志・原発事故担当相の私的諮問機関も「廃棄物処理の期待に応えることは、東アジアでのわが国の外交、安全保障、経済にまたがる国際戦略基盤の強化と核不拡散、原子力の平和利用の取り組みに貢献する」という趣旨の報告書をすでに提出している。
東京新聞は「再処理施設の国際利用の試金石になりそうなのが、来年期限切れを迎える米韓原子力協定の改定交渉」とした上で「そこで浮上するのが核保有国以外で唯一、再処理施設を持つ日本への再処理委託」と指摘し、米国が韓半島(朝鮮半島)の安全保障を理由にその実現を強く求めてくることも考えられると予想した。
東京新聞は「韓国は使用済み核燃料が3年後の2016年までに備蓄許容量の限界に達すると予測されている」「韓国側は再処理施設やウラン濃縮工場の建設などを要求しているが、米国側は北朝鮮を刺激することや『国際的な核不拡散政策に影響を及ぼしかねない』として難色を示し、議論が平行線をたどり続けている」などと報じた」
(引用終わり)
『東京新聞』と、この『朝鮮日報』の記事の影響は大きく、慌てた韓国政府は、翌7日に、日本政府が韓国など東アジアの使用済み核燃料の委託処理を構想しているという『東京新聞』の報道について、
1 日本政府から韓国の使用済み核燃料を委託処理したいという提案を受けたことはなく、検討もしていないこと。
2 韓国の使用済み核燃料の処理を日本に委託する可能性は高くないこと。
と声明を出した。
しかし、わたしは『東京新聞』と『朝鮮日報』の報道は核心を突いたものであると思っている。
現代の政治はグローバル化しており、重要な問題は日本国内だけを見て判断すると間違う。
たとえば、北朝鮮のミサイル発射。尖閣周辺の中国の圧力。これは選挙で、日本の軍備増強、原発推進、消費税増税賛成、TPP賛成、改憲を主張する政党に有利に働いた。
現代の政治はグローバル化しており、日本の重要な決定には、米国の意向を受けて、東アジアの諸国がイデオロギーとは無関係に動く。
北朝鮮の動きと、日本の仰々しいパフォーマンスは、危険を煽ることで、わが国の改憲や軍国主義化を利する。今や、わが国における金正恩のメディアへの露出度は、どの外国のトップよりも高い。それはそのまま日本の改憲・軍国主義政党への支援になっている。
それからTPPの問題がある。
米倉経団連会長など大企業の幹部が、TPPにこぞって賛成するのは必然なのである。
なぜならかれらの世界企業はグローバル化されており、国家・民族の上位に立っている。日本民族の将来あるいは国家への忠誠心より、社長(会長)の将来あるいは会社への忠誠心が、上位にそびえているのである。
つまり資本主義の哲学は弱肉強食を旨とする。それが、経済がグローバル化することで、世界企業が政治の上に立ち、政治のコントロール外に出てしまった。
米国でTPPに賛成しているのも、米国の1%のグローバル主義者にすぎない。このグローバル主義者にとっては、世界は多国籍企業で成り立っている。
彼らにとって、日本のTPP参加は、日本という企業を買うのと変わらないのである。
日本のエネルギー政策もグローバル化されていて、米国の政策通りに動いている。
安倍晋三が50兆円を手土産に米国に朝貢した。
衰亡する米国と躍進する中国。中国の対米防衛線(第一列島線と第二列島線)を封じ込めることは、時間の推移とともに不可能になってくる。
そこで米国の代理戦争を日本にやらせる戦略が出来上がったのである。
安倍晋三や石原慎太郎、橋下徹らから聞こえてくる軍国主義には、ある共通性がある。それは評論家風の気楽さだ。
自分が銃を担いで中国と向き合う深刻さは微塵も感じられない。自分の主体的な問題としては捉えられていないのだ。
これまでもわが国の政治と官僚の劣化は、様々な角度から語られてきた。その重要なポイントのひとつは想像力の欠如だ。
それがこの3人のイデオロギーには色濃く刻印されている。
自分が中国との最前線に立つ、という深刻さや気負いは、その年齢からいっても彼らにはない。
しかし自分の家族や親族が銃をもつといった深刻さもない。
まして東京や大阪に、中国の原爆を積んだミサイルが飛来するといった想像力、あるいは日本全土の原発にミサイルが打ち込まれるといった想像力は皆無だ。
日本は戦争のできない国である。なぜなら元ブルガリア原子力安全庁長官ゲオルギ・カスチエフが語る、次の状況におかれているからだ。
「日本は核戦争後の世界と言っていい。広島型原爆170発分のセシウムが福島第1原発から環境に放出された。日本全体が核戦争の後のように汚染されている」
「もし年間20ミリシーベルトまでは避難させなければ、世界標準では革命が起こる」
この惨状を放置したまま、軍国主義に向かい、戦争をやるのか。
実に弛緩した、無責任で、幼稚な主張なのである。
中国と尖閣を巡って戦争になる。そのときに、まだ、さもしく米国の支援をあてにしている。米国は助けてくれないのだ。
前号でも触れたが、戦争には表面に浮上する理由以外の、もっと大きな裏の仕掛けが動いている。
日中戦争について押さえておくべきことは、次の3点である。前号の内容を敷衍して展開する。
1 米国のアジア戦略は、日・中・韓を対立させ、競わせ、東アジアとしてまとまることを阻止することである。
もし3国がまとまれば、東南アジアの諸国も仲間に入る、強大な地域経済圏ができあがる。
これは、米国を中心とする西側諸国の東アジアにおける政治・経済・安全保障上のプレゼンスの維持を損ねる。
それで米国は、東アジア経済グループ(EAEG)構想にも、東アジア経済協議体(EAEC)構想、それに「ASEAN+3」にも反対してきた。
ちなみに「ASEAN+3」、「ASEAN+6」、TPPの参加国は、現在のところ次のようになっている。
「ASEAN+3」
(以下の東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日本・中国・韓国)
(1)ブルネイ (2)インドネシア (3)カンボジア (4)ラオス (5)ミャンマー (6)マレーシア (7)フィリピン (8)シンガポール (9)タイ (10)ベトナム
「ASEAN+6」
「ASEAN+3」に、インド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた計16カ国
TPP(加盟国・交渉国)
(1)シンガポール (2)ブルネイ (3)チリ (4)ニュージーランド (5)アメリカ (6)オーストラリア (7)マレーシア (8)ベトナム (9)ペルー (10)カナダ (11)メキシコ
こうして見ると、「ASEAN+3」に反対して、米国がTPPには自ら参加して、日本を参加させようとする狙いが見えてくる。
「ASEAN+3」は純粋にアジアの国で構成されており、米国の東アジアにおける政治・経済・安全保障上のプレゼンスがないのは明白だ。
さらに中国が加わっていることから、アジアでの中国の政治的・経済的・軍事的な影響力が増す。
しかも日・中・韓を対立させ、アジアを分割して統治する米国の戦略も、これで破綻する。
しかしアジアはアジアであり、地域的な結びつきは年々に深化してゆく。
そこで米国はTPPに日本を巻き込み、アジア分断の固定化を狙ったのである。
いわばTPPは日中分断の、「ベルリンの壁」であり、もし日本が参加すれば牢獄の檻だった気付くことになろう。
2 日中が尖閣で武力衝突しても、米国は参戦しない。
2005年の日米安全保障協議委員会の、「2プラス2」で、島嶼(とうしょ 尖閣)防衛は日本側の責任と明記されている。
その文章は「日米同盟:未来のための変革と再編(骨子)」にある。
「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ・特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、日本を防衛し、周辺事態に対応する。このため、防衛計画の大綱に従って防衛態勢を強化」
(引用終わり)
http://bit.ly/12oyr3I
引用文の「島嶼部」というのが具体的には尖閣などの島を指す。
しかも日米安保の発動で、米軍が動くときは、勝手に指揮官が動かせるわけではなく、米国議会の承認を必要とする。
日米安全保障条約の第5条はこのように書かれている。
「第5条 両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであるという位置づけを確認し、憲法や手続きに従い共通の危険に対処するように行動することを宣言している」
(引用終わり)
「憲法や手続きに従い」とあるのがそれである。
つまり尖閣を巡って偶発的に武力衝突が起きた場合、現場の米軍指揮官は自動的に部隊を動かす対日防衛義務を負っているわけではないのだ。
かりに尖閣を巡って日中に武力衝突が起きたとしよう。
そのとき、米中の密接なつながり、貿易の膨らみ、中国が世界最大の米国債の購入国である現状から、米議会が、名前も知らない小さな無人島の、しかも日本の領有をも認めていない島のために、中国との戦争に参戦するなど、あり得ないことだ。
それを受けたオバマのポチ安倍晋三の戦略はこうだ。
1 自民党は衆議院選挙で「TPP交渉参加反対」を訴え、農村票を獲得して政権に返り咲いた。それで安倍晋三は、今もTPP参加問題について「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、TPPに参加しない」と気張っている。しかし、これは単なるパフォーマンスに過ぎない。
米国との話し合いはすでについている。例えばモスクワで開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、日本のアベノミクスに対して各国からの反対らしい反対意見は出なかった。その理由は米国が円安を認めているからである。
もし米国が安倍晋三の経済・景気政策を批判していたら、日本は各国の財務相・中央銀行総裁から、総攻撃を受けていただろう。
つまり、日本の重要な施策はすでに米国の手中にある。
TPP参加も、農産物の米だけを「例外」品目として残し、選挙での約束は果たしたと大見得を切って、7月21日予定の参議院選挙の後に、正式に参加表明することになろう。
2 民主党政権によって揺らいだ「日米同盟」という名の対米隷属を、より強固に復活させる。そのために改憲・集団的自衛権・国防軍といった自衛隊傭兵化のための売国策をオバマに差し出す。
衆議院では自・公はすでに3分の2以上を獲得している。夏の参議院選挙で3分の2以上を獲得すれば、憲法改正の条件をクリアできる。
その上で憲法改正を国民投票にかけ、改憲を成し遂げ、集団的自衛権、国防軍、徴兵制度(国民皆兵)といったテーマを実現させてゆく。
3 原発を推進する。原発の維持推進は米国の要請でもあるが、その中心にあるのは、電気などではなくプルトニウムの生産である。
米国は原発から手を引くのに、日本には原発推進を指示している。(対日政策提言)。
この理由は2点ある。ひとつは米国がプルトニウムが欲しいからである。それで日本を最大のプルトニウム生産工場にするつもりだ。
2点目は、米国の、強いパートナー日本の確立によって、将来の日中戦争に備えるためである。(対日超党派報告書)
自民党の愚かさは、プルトニウムをため込んだところで、いつ原爆を作れるのか、まったく見通しがないことだ。
米国は日本の原爆保有を認めない。なぜならそれは植民地日本の、米国の核の傘からの自立を物語るからだ。
それに日本の原爆保有については、必死に最大の債権国(中国)が反対するだろう。日本が目指すべきは核なき世界だ。
原発市場は50兆円市場ともいわれるが、それは間違いなく地球環境破壊の市場なのだ。
4 『Bloomberg.co.jp』は、2013年1月14日の紙面で「FRB議長を安倍首相が手助けか−外債購入ファンド構想で」と題して、次のように報じた。
以前からわたしは、消費税増税が米国債購入に消えるといってきたが、その通りになってきた。
「安倍政権は、50兆円の外債購入ファンド設立の見通しである。外債購入といってもその大半は米国債となる。
そして郵貯マネー約270兆円、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円を米国に献上した。
共同声明の内容はすでにわかりきったことだった。共同声明では、「TPP交渉参加に関し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」(この醜くて用心深い、官僚の悪文!)とした。
要は日本の農産物などの聖域は守った、といい、米国の日本の植民地化を隠蔽したというだけのことだ。
「記者クラブ」メディアは相変わらず「聖域」の確保だと騒いで、国民を洗脳し、だまし続けている。
お馬鹿な政府、お馬鹿な国である。
国の景気を良くするといって、円安を誘導する。輸入物価は跳ね上がり、今やガソリン代がうなぎ登りだ。景気が良くなるどころかドライバーは悲鳴を上げ始めた。
円安にして、輸出を盛んにすれば景気が上向き、国民所得も増えるとお馬鹿コンビ(安倍晋三・麻生太郎)は考えたのである。
しかし現在の我が国の、グローバル企業は、これまで急ピッチで進んだ円高に対応して、すでに海外に生産拠点を移している。円安が景気の浮揚に結びつかない構造が出来上がっているのだ。
早くも逆の結果が出た。1月の貿易赤字は、過去最大に膨らんだ。輸入額から輸出額を差し引いた貿易収支は1兆6294億円の赤字である。
お馬鹿な安倍晋三は、産業競争力会議で、「農業を成長分野の産業として伸ばしたい」と話した。ほとんどの外国が日本の農産物の輸入を禁止していることを知らないらしい。まずは福島原発事故の収束に全力を挙げることが景気浮揚のためにも必要なのだ。
ここでTPPの本質と問題点についてについてまとめておこう。
1 米国でも、TPPをほんとうにやろうとしているのは、グローバル・エリート(世界政府主義者)に引っ張られる米国の1%のグローバリスト(グローバル主義者)にすぎない。
その事情は日本も同じでTPPに本気で打ち込んでいるのは、「国益」よりも「社益」を優先する1%のグローバル主義者である。このグローバリストにとっては、民族意識などはない。無国籍の守銭奴だと思っていた方がいい。
2 TPPは表面的には政治家によって推進されているように見える。しかし、その本質は世界的な経済人によるコーポラティズム(Corporatism)であり、グローバル企業による世界統治の試みである。端的にいうと世界的な金持ちたちによる世界支配のことだ。
3 TPPの中核を占めるISD条項は、米国のグローバル企業による、他国への内政干渉であり、国家主権の侵害である。
4 TPPは、「日米経済調和対話」(「年次改革要望書」)の条約版である。 TPP 参加によって、これまで米国の政治家が日本に要求していたものが、米国の企業人の、有無を言わせぬ裁判所命令に様変わりする。
5 米国の本当の狙いは日本の植民地化であり、日本のすべての富の簒奪である。具体的にいえば、金融(郵貯マネー約270兆円)、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円の簒奪である。
日本の農林水産業の年間総生産高は13兆円ほどであり、これは米国にとってはたいした額ではない。もちろんTPP参加によって日本の農業は壊滅するが、本丸ではなく、砦である。砦の攻防をあたかも主戦場のように装うことで国民の目を本丸からそらそうという策動が、日米両政府と「記者クラブ」メディアによって行われている。
6 弁護士の岩月浩二が、TPPと憲法との関係について彼のブログ「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」で次のようにまとめている。
「ISD条項は
(1) 司法主権を侵害する結果、さらに
(2) 行政主権、立法主権を侵害し、
(3) 地方自治を無効化し、
(4) 人権体系全体を書き換えてしまう。
憲法破壊であり、一種のクーデターのようでもある」
(引用終わり)
実は自民党の憲法草案において「(4)人権体系全体を書き換えてしまう」準備はすでに完成している。
現行憲法「第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
自民党憲法草案「第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
つまり現行憲法の「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」が削除され、人権は大幅に後退している。自民党草案で「社会的又は経済的関係において身体を拘束されない」と、わざわざ限定したところを見ると、政治的思想的理由によっては奴隷的拘束を受けるケースが出てくる余地を残したことになる。
さらに決定的なのは現行憲法で「第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とされたものが、自民党憲法草案では丸ごと削除されている。
国民の人権を奪い、国民を奴隷化する憲法は、TPP参加後に合わせて、整合性を持たせるために、すでに完成しているのだ。
2013年02月27日 [USA]
わたしたちは、1%の既得権益層のために放射能まみれの国土を子供たちに残すのか。ドイツのように敢然として脱原発に向かうのか。大量の自殺者を生む消費税増税を廃止するか。それとも実行するか。TPPで完全な米国の植民地になるか。独立に向かうか。未来からバカたちの時代と総括されるか。それとも敬意を持って書かれるか。
この既得権益支配層に仕える第1極に対抗するのが国民連合である。
国民の生活が第一、社民党、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本、新党日本、改革無所属で構成される。次期衆院選で、消費税増税廃止・凍結、脱原発、TPP反対を共同公約として掲げる。
我が国にはふたつの対米隷属政党がある。ひとつは自・公の勢力である。もうひとつは「民・維新・みんな」の勢力である。
ひとつの勢力が苛政を行い、売国を進める。怒った国民がその勢力から他の勢力に政権を渡す。
しかし待ち受けているのは、同じ売国の、苛政の勢力である。国民の人権を奪い、宗主国のために国民を奴隷化し、売国を進める実態は何も変わらないわけだ。
まったく本質の変わらない二大政党時代が、民主党の菅直人によって定着したのである。
亡国(植民地化)という観点から切り取れば、他にも幾つか念頭に浮かんだ課題があり、紙幅の都合で割愛したものがあった。そのひとつが原発の廃棄物処理場の問題である。
さて、日本の政治状況は亡国(米国の植民地化)の完成度を強めている。
1月7日の『朝鮮日報』が「日本が韓国の使用済み核燃料受け入れか 日本で原発縮小の動きが広まる中、再処理施設を維持するため韓国やベトナムなどに注目」と題して次のように報じた。 ただしこの報道は、日本に、放射性廃棄物の処理能力がないことを押さえたうえで読む必要がある。
「日本政府は韓国やベトナムなど、アジア各国の原子力発電所から排出される使用済み核燃料を、日本の青森県・六ケ所村にある再処理工場で処理する方向で検討を進めていることが分かった。これは東京新聞が6日付で報じた。日本は核兵器を保有していないが、使用済み核燃料の再処理施設は保有している。
昨年5月には当時政権与党だった民主党の細野豪志・原発事故担当相の私的諮問機関も「廃棄物処理の期待に応えることは、東アジアでのわが国の外交、安全保障、経済にまたがる国際戦略基盤の強化と核不拡散、原子力の平和利用の取り組みに貢献する」という趣旨の報告書をすでに提出している。
東京新聞は「再処理施設の国際利用の試金石になりそうなのが、来年期限切れを迎える米韓原子力協定の改定交渉」とした上で「そこで浮上するのが核保有国以外で唯一、再処理施設を持つ日本への再処理委託」と指摘し、米国が韓半島(朝鮮半島)の安全保障を理由にその実現を強く求めてくることも考えられると予想した。
東京新聞は「韓国は使用済み核燃料が3年後の2016年までに備蓄許容量の限界に達すると予測されている」「韓国側は再処理施設やウラン濃縮工場の建設などを要求しているが、米国側は北朝鮮を刺激することや『国際的な核不拡散政策に影響を及ぼしかねない』として難色を示し、議論が平行線をたどり続けている」などと報じた」
(引用終わり)
『東京新聞』と、この『朝鮮日報』の記事の影響は大きく、慌てた韓国政府は、翌7日に、日本政府が韓国など東アジアの使用済み核燃料の委託処理を構想しているという『東京新聞』の報道について、
1 日本政府から韓国の使用済み核燃料を委託処理したいという提案を受けたことはなく、検討もしていないこと。
2 韓国の使用済み核燃料の処理を日本に委託する可能性は高くないこと。
と声明を出した。
しかし、わたしは『東京新聞』と『朝鮮日報』の報道は核心を突いたものであると思っている。
現代の政治はグローバル化しており、重要な問題は日本国内だけを見て判断すると間違う。
たとえば、北朝鮮のミサイル発射。尖閣周辺の中国の圧力。これは選挙で、日本の軍備増強、原発推進、消費税増税賛成、TPP賛成、改憲を主張する政党に有利に働いた。
現代の政治はグローバル化しており、日本の重要な決定には、米国の意向を受けて、東アジアの諸国がイデオロギーとは無関係に動く。
北朝鮮の動きと、日本の仰々しいパフォーマンスは、危険を煽ることで、わが国の改憲や軍国主義化を利する。今や、わが国における金正恩のメディアへの露出度は、どの外国のトップよりも高い。それはそのまま日本の改憲・軍国主義政党への支援になっている。
それからTPPの問題がある。
米倉経団連会長など大企業の幹部が、TPPにこぞって賛成するのは必然なのである。
なぜならかれらの世界企業はグローバル化されており、国家・民族の上位に立っている。日本民族の将来あるいは国家への忠誠心より、社長(会長)の将来あるいは会社への忠誠心が、上位にそびえているのである。
つまり資本主義の哲学は弱肉強食を旨とする。それが、経済がグローバル化することで、世界企業が政治の上に立ち、政治のコントロール外に出てしまった。
米国でTPPに賛成しているのも、米国の1%のグローバル主義者にすぎない。このグローバル主義者にとっては、世界は多国籍企業で成り立っている。
彼らにとって、日本のTPP参加は、日本という企業を買うのと変わらないのである。
日本のエネルギー政策もグローバル化されていて、米国の政策通りに動いている。
安倍晋三が50兆円を手土産に米国に朝貢した。
衰亡する米国と躍進する中国。中国の対米防衛線(第一列島線と第二列島線)を封じ込めることは、時間の推移とともに不可能になってくる。
そこで米国の代理戦争を日本にやらせる戦略が出来上がったのである。
安倍晋三や石原慎太郎、橋下徹らから聞こえてくる軍国主義には、ある共通性がある。それは評論家風の気楽さだ。
自分が銃を担いで中国と向き合う深刻さは微塵も感じられない。自分の主体的な問題としては捉えられていないのだ。
これまでもわが国の政治と官僚の劣化は、様々な角度から語られてきた。その重要なポイントのひとつは想像力の欠如だ。
それがこの3人のイデオロギーには色濃く刻印されている。
自分が中国との最前線に立つ、という深刻さや気負いは、その年齢からいっても彼らにはない。
しかし自分の家族や親族が銃をもつといった深刻さもない。
まして東京や大阪に、中国の原爆を積んだミサイルが飛来するといった想像力、あるいは日本全土の原発にミサイルが打ち込まれるといった想像力は皆無だ。
日本は戦争のできない国である。なぜなら元ブルガリア原子力安全庁長官ゲオルギ・カスチエフが語る、次の状況におかれているからだ。
「日本は核戦争後の世界と言っていい。広島型原爆170発分のセシウムが福島第1原発から環境に放出された。日本全体が核戦争の後のように汚染されている」
「もし年間20ミリシーベルトまでは避難させなければ、世界標準では革命が起こる」
この惨状を放置したまま、軍国主義に向かい、戦争をやるのか。
実に弛緩した、無責任で、幼稚な主張なのである。
中国と尖閣を巡って戦争になる。そのときに、まだ、さもしく米国の支援をあてにしている。米国は助けてくれないのだ。
前号でも触れたが、戦争には表面に浮上する理由以外の、もっと大きな裏の仕掛けが動いている。
日中戦争について押さえておくべきことは、次の3点である。前号の内容を敷衍して展開する。
1 米国のアジア戦略は、日・中・韓を対立させ、競わせ、東アジアとしてまとまることを阻止することである。
もし3国がまとまれば、東南アジアの諸国も仲間に入る、強大な地域経済圏ができあがる。
これは、米国を中心とする西側諸国の東アジアにおける政治・経済・安全保障上のプレゼンスの維持を損ねる。
それで米国は、東アジア経済グループ(EAEG)構想にも、東アジア経済協議体(EAEC)構想、それに「ASEAN+3」にも反対してきた。
ちなみに「ASEAN+3」、「ASEAN+6」、TPPの参加国は、現在のところ次のようになっている。
「ASEAN+3」
(以下の東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日本・中国・韓国)
(1)ブルネイ (2)インドネシア (3)カンボジア (4)ラオス (5)ミャンマー (6)マレーシア (7)フィリピン (8)シンガポール (9)タイ (10)ベトナム
「ASEAN+6」
「ASEAN+3」に、インド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた計16カ国
TPP(加盟国・交渉国)
(1)シンガポール (2)ブルネイ (3)チリ (4)ニュージーランド (5)アメリカ (6)オーストラリア (7)マレーシア (8)ベトナム (9)ペルー (10)カナダ (11)メキシコ
こうして見ると、「ASEAN+3」に反対して、米国がTPPには自ら参加して、日本を参加させようとする狙いが見えてくる。
「ASEAN+3」は純粋にアジアの国で構成されており、米国の東アジアにおける政治・経済・安全保障上のプレゼンスがないのは明白だ。
さらに中国が加わっていることから、アジアでの中国の政治的・経済的・軍事的な影響力が増す。
しかも日・中・韓を対立させ、アジアを分割して統治する米国の戦略も、これで破綻する。
しかしアジアはアジアであり、地域的な結びつきは年々に深化してゆく。
そこで米国はTPPに日本を巻き込み、アジア分断の固定化を狙ったのである。
いわばTPPは日中分断の、「ベルリンの壁」であり、もし日本が参加すれば牢獄の檻だった気付くことになろう。
2 日中が尖閣で武力衝突しても、米国は参戦しない。
2005年の日米安全保障協議委員会の、「2プラス2」で、島嶼(とうしょ 尖閣)防衛は日本側の責任と明記されている。
その文章は「日米同盟:未来のための変革と再編(骨子)」にある。
「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ・特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、日本を防衛し、周辺事態に対応する。このため、防衛計画の大綱に従って防衛態勢を強化」
(引用終わり)
http://bit.ly/12oyr3I
引用文の「島嶼部」というのが具体的には尖閣などの島を指す。
しかも日米安保の発動で、米軍が動くときは、勝手に指揮官が動かせるわけではなく、米国議会の承認を必要とする。
日米安全保障条約の第5条はこのように書かれている。
「第5条 両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであるという位置づけを確認し、憲法や手続きに従い共通の危険に対処するように行動することを宣言している」
(引用終わり)
「憲法や手続きに従い」とあるのがそれである。
つまり尖閣を巡って偶発的に武力衝突が起きた場合、現場の米軍指揮官は自動的に部隊を動かす対日防衛義務を負っているわけではないのだ。
かりに尖閣を巡って日中に武力衝突が起きたとしよう。
そのとき、米中の密接なつながり、貿易の膨らみ、中国が世界最大の米国債の購入国である現状から、米議会が、名前も知らない小さな無人島の、しかも日本の領有をも認めていない島のために、中国との戦争に参戦するなど、あり得ないことだ。
それを受けたオバマのポチ安倍晋三の戦略はこうだ。
1 自民党は衆議院選挙で「TPP交渉参加反対」を訴え、農村票を獲得して政権に返り咲いた。それで安倍晋三は、今もTPP参加問題について「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、TPPに参加しない」と気張っている。しかし、これは単なるパフォーマンスに過ぎない。
米国との話し合いはすでについている。例えばモスクワで開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、日本のアベノミクスに対して各国からの反対らしい反対意見は出なかった。その理由は米国が円安を認めているからである。
もし米国が安倍晋三の経済・景気政策を批判していたら、日本は各国の財務相・中央銀行総裁から、総攻撃を受けていただろう。
つまり、日本の重要な施策はすでに米国の手中にある。
TPP参加も、農産物の米だけを「例外」品目として残し、選挙での約束は果たしたと大見得を切って、7月21日予定の参議院選挙の後に、正式に参加表明することになろう。
2 民主党政権によって揺らいだ「日米同盟」という名の対米隷属を、より強固に復活させる。そのために改憲・集団的自衛権・国防軍といった自衛隊傭兵化のための売国策をオバマに差し出す。
衆議院では自・公はすでに3分の2以上を獲得している。夏の参議院選挙で3分の2以上を獲得すれば、憲法改正の条件をクリアできる。
その上で憲法改正を国民投票にかけ、改憲を成し遂げ、集団的自衛権、国防軍、徴兵制度(国民皆兵)といったテーマを実現させてゆく。
3 原発を推進する。原発の維持推進は米国の要請でもあるが、その中心にあるのは、電気などではなくプルトニウムの生産である。
米国は原発から手を引くのに、日本には原発推進を指示している。(対日政策提言)。
この理由は2点ある。ひとつは米国がプルトニウムが欲しいからである。それで日本を最大のプルトニウム生産工場にするつもりだ。
2点目は、米国の、強いパートナー日本の確立によって、将来の日中戦争に備えるためである。(対日超党派報告書)
自民党の愚かさは、プルトニウムをため込んだところで、いつ原爆を作れるのか、まったく見通しがないことだ。
米国は日本の原爆保有を認めない。なぜならそれは植民地日本の、米国の核の傘からの自立を物語るからだ。
それに日本の原爆保有については、必死に最大の債権国(中国)が反対するだろう。日本が目指すべきは核なき世界だ。
原発市場は50兆円市場ともいわれるが、それは間違いなく地球環境破壊の市場なのだ。
4 『Bloomberg.co.jp』は、2013年1月14日の紙面で「FRB議長を安倍首相が手助けか−外債購入ファンド構想で」と題して、次のように報じた。
以前からわたしは、消費税増税が米国債購入に消えるといってきたが、その通りになってきた。
「安倍政権は、50兆円の外債購入ファンド設立の見通しである。外債購入といってもその大半は米国債となる。
そして郵貯マネー約270兆円、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円を米国に献上した。
共同声明の内容はすでにわかりきったことだった。共同声明では、「TPP交渉参加に関し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」(この醜くて用心深い、官僚の悪文!)とした。
要は日本の農産物などの聖域は守った、といい、米国の日本の植民地化を隠蔽したというだけのことだ。
「記者クラブ」メディアは相変わらず「聖域」の確保だと騒いで、国民を洗脳し、だまし続けている。
お馬鹿な政府、お馬鹿な国である。
国の景気を良くするといって、円安を誘導する。輸入物価は跳ね上がり、今やガソリン代がうなぎ登りだ。景気が良くなるどころかドライバーは悲鳴を上げ始めた。
円安にして、輸出を盛んにすれば景気が上向き、国民所得も増えるとお馬鹿コンビ(安倍晋三・麻生太郎)は考えたのである。
しかし現在の我が国の、グローバル企業は、これまで急ピッチで進んだ円高に対応して、すでに海外に生産拠点を移している。円安が景気の浮揚に結びつかない構造が出来上がっているのだ。
早くも逆の結果が出た。1月の貿易赤字は、過去最大に膨らんだ。輸入額から輸出額を差し引いた貿易収支は1兆6294億円の赤字である。
お馬鹿な安倍晋三は、産業競争力会議で、「農業を成長分野の産業として伸ばしたい」と話した。ほとんどの外国が日本の農産物の輸入を禁止していることを知らないらしい。まずは福島原発事故の収束に全力を挙げることが景気浮揚のためにも必要なのだ。
ここでTPPの本質と問題点についてについてまとめておこう。
1 米国でも、TPPをほんとうにやろうとしているのは、グローバル・エリート(世界政府主義者)に引っ張られる米国の1%のグローバリスト(グローバル主義者)にすぎない。
その事情は日本も同じでTPPに本気で打ち込んでいるのは、「国益」よりも「社益」を優先する1%のグローバル主義者である。このグローバリストにとっては、民族意識などはない。無国籍の守銭奴だと思っていた方がいい。
2 TPPは表面的には政治家によって推進されているように見える。しかし、その本質は世界的な経済人によるコーポラティズム(Corporatism)であり、グローバル企業による世界統治の試みである。端的にいうと世界的な金持ちたちによる世界支配のことだ。
3 TPPの中核を占めるISD条項は、米国のグローバル企業による、他国への内政干渉であり、国家主権の侵害である。
4 TPPは、「日米経済調和対話」(「年次改革要望書」)の条約版である。 TPP 参加によって、これまで米国の政治家が日本に要求していたものが、米国の企業人の、有無を言わせぬ裁判所命令に様変わりする。
5 米国の本当の狙いは日本の植民地化であり、日本のすべての富の簒奪である。具体的にいえば、金融(郵貯マネー約270兆円)、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円の簒奪である。
日本の農林水産業の年間総生産高は13兆円ほどであり、これは米国にとってはたいした額ではない。もちろんTPP参加によって日本の農業は壊滅するが、本丸ではなく、砦である。砦の攻防をあたかも主戦場のように装うことで国民の目を本丸からそらそうという策動が、日米両政府と「記者クラブ」メディアによって行われている。
6 弁護士の岩月浩二が、TPPと憲法との関係について彼のブログ「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」で次のようにまとめている。
「ISD条項は
(1) 司法主権を侵害する結果、さらに
(2) 行政主権、立法主権を侵害し、
(3) 地方自治を無効化し、
(4) 人権体系全体を書き換えてしまう。
憲法破壊であり、一種のクーデターのようでもある」
(引用終わり)
実は自民党の憲法草案において「(4)人権体系全体を書き換えてしまう」準備はすでに完成している。
現行憲法「第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
自民党憲法草案「第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
つまり現行憲法の「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」が削除され、人権は大幅に後退している。自民党草案で「社会的又は経済的関係において身体を拘束されない」と、わざわざ限定したところを見ると、政治的思想的理由によっては奴隷的拘束を受けるケースが出てくる余地を残したことになる。
さらに決定的なのは現行憲法で「第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とされたものが、自民党憲法草案では丸ごと削除されている。
国民の人権を奪い、国民を奴隷化する憲法は、TPP参加後に合わせて、整合性を持たせるために、すでに完成しているのだ。