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Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
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悪魔の小泉「構造改革」から、続く悪政に終止符を

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いま高齢者は格差が拡大し、二極化しています。これらの負担増が実施されれば、わずかな年金収入に頼っている高齢者の生活は成り立ちません。すでに問題化している「老後破産」がますます現実味を帯びてきます。

これまで述べてきたように、一方で、日銀の金融緩和は、株価と大都市中心部の不動産価格を上昇させます。他方で、円安に伴う輸入物価の上昇と消費税増税が家計を直撃し、雇用流動化と実質賃金の低下は家計消費を縮小させます。こうして格差が再び拡大していきます。

黒田日銀はいわゆる「追加緩和」で「禁じ手」をはるかに超える国債買い入れ、通貨増発への道に走った。
 買い入れと増発を絞れば「暴落」が待っている。出口のない、出口の展望が不可能なのである。
 円は基軸通貨でもなく、ユーロのような多国間決済通貨でもない。
 取り返しのできない、破局に向かうしかない道に入ってしまったのである。

<日銀の金庫はブラックホールと化す。そこにのみ込まれた国債は二度と外には出てこず、市場に残る国債は高価な軌道上にとどまることになる>という見解が世界中を駆け巡った。


「高価な軌道上にとどまる」というと、いいことのように聞こえるかもしれないが、そうではない。
「日本国債が高値で低金利を保っているのは、信認が高いからではなく、単に市場に出回っている現物が少ないというだけの理由です。
だから、日銀が国債購入のスピードを減速しようとするそぶりを見せただけで、一気に暴落する可能性がある。
海外だけでなく、国内の金融機関までもが我先にと売り払ってしまうかもしれない。
暴落を避けるためには、日銀が国債を買い続けるしかない。
まさにブラックホールで、『日銀に出口なし』なのです」(RFSマネジメント・チーフエコノミストの田代秀敏氏)


  『為替リスク高い米国債へ』


これまで、月に10兆円程度発行される新規国債のうち、約7割を日銀が買い入れ、市場の流動性が低下した。
さらに、追加緩和では月に10兆円買うと決めた。
つまり、新規発行額のほとんどを日銀が吸い上げるわけだ。
短期国債はすでにマイナス金利で、償還時には日銀に損失が生じる。
日銀は今後、長期国債もガンガン買い増すと言っているから、長期国債も現物不足でマイナス金利に近づいていく。
日銀の資産は傷み、国債市場は機能不全に陥ってしまう。

 『事実上の政府紙幣の発行』
  
今の日本銀行の異次元の金融緩和策ですが、日本政府の発行する有利子の国債を、日本銀行が全額買い上げて無制限に無利子の日本銀行券を発行するというもの。
この黒田日銀総裁の金融緩和策ですが、これは事実上の政府紙幣の発行である。


歴史的に見て日本では政府紙幣の発行は明治維新前の内戦(戊辰戦争)の戦費を賄うために行った太政官札が有名だが第二次内戦(西南戦争)で大増刷したために価値が暴落してしてしまい、以後は行っていない。




「弊害はすでに表れています。
国債が市場に出回らないので、資産の運用が難しくなった地銀や信金は米国債に手を出している。
恐ろしいのは、為替ヘッジがなく、円高に振れた途端に為替損が発生してしまうこと。
体力のない地銀、信金がバタバタと潰れる可能性もあります」(田代秀敏氏=前出)


米ヘッジファンドのゴールドマン・サックスも、追加緩和を旧日本軍の最後の玉砕突撃に重ねて「バンザイノミクス」と評している。
海外から見ると、岡目八目で実態がよくわかるのだ。日本経済をメチャメチャにするだけの無謀な緩和政策は、世界から笑われている。 (11/11  日刊ゲンダイ)



アベノミクスという新しい衣をまとっていますが、格差を拡大し国際競争力を低下させた小泉「構造改革」と同じパターンになっていることがわかります。

しかも、日銀の金融緩和の規模は「異次元」なので、財政赤字=国債を買い続ける日銀は出口を失っていきます。

10月31日の株価は755円上昇。為替レートも112円につける円安になりました。さらに11月4日も、株価は大幅な株価上昇で、株価は一時1万7千円を超えました。円も114円まで下落しました。

そもそもこうした株価をつり上げ策は、年金を使い国民の財産をリスクにさらし、日銀は独立性を失って出口を失うという問題があります。加えて、こうした株価引き上げ策で本格的に経済がどれほど好転するだろうかという問題もあります。

いくつかの現象に着目する必要があります。

●ミニバブルのように株価だけ上昇しても、給与が上がらなければ、消費はなかなか増えません。この間、実質賃金は低下しており、実際、9月も家計消費は5.6%も減少しています。円安は輸入物価を押し上げますから、家計消費にとってマイナス要因です。

●他方で、円安が進行しても、日本企業の国際競争力低下、工場のアジア移転に伴う逆輸入の増加、原材料の輸入額増加で貿易赤字は改善しません。潤うのは一部輸出企業だけで、むしろ原材料の値上げで中小企業は一層苦しくなります。

●より問題なのは、アベノミクスの政策を見ると、格差が一層拡大しかねない点にあります。まず第1の矢である、金融緩和よる株高や大都市中心部の不動産価格の上昇で、大手企業や富裕層が潤います。しかし、その一方で、第3の矢である雇用・医療・介護などの「岩盤規制」を打ち破るという「成長」戦略を実行すれば、格差と貧困を拡大させて、日本の社会は底割れを起こす危険性があります。

小泉政権時代がそうだったように、金融緩和政策と「構造改革」の組み合わせは、格差と貧困を拡大するのです。




雇用流動化政策は何をもたらすか

今国会に「労働者派遣法改正案」が提出されています。派遣労働者は部署さえ変えれば3年の派遣期間がなくなり、ずっと派遣にとどまるために「生涯派遣法案」と批判され、派遣社員は一生、派遣から抜け出せなくなる可能性が高くなります(もっとも50代60代になって派遣では働けませんが)。

この法律の恐ろしさは、日本の労働市場全体をブラック化させてしまうことです。

いま20代、30代の労働者の3割~4割が〝非正規社員〟と失業者です。彼らの中には不本意ながら非正規になっている人も多く、正社員になりたがっています。ブラック企業の初任給は、表向き年収400万円前後もあり、年収200万円以下の派遣社員にとっては、すぐにでも飛びつきたくなる金額です。

しかし、この年収には〝固定残業代〟という形で残業代込みになっているケースが多いのです。そのため、どんなに残業しようと給料は増えません。しかもごく少数しか「選抜」されて上にいけないようになっており、給料のカーブもずっと寝たままです。いわゆる「使い捨て」を前提に給与体系が組み立てられているのです。とくに飲食チェーン、小売り量販店、IT、建設、運輸、レジャーなどのサービス産業において多くのブラック企業が存在し、時には過労死などを引き起こしています。これらのブラック企業では早期の離職率が異常に高くなっています。肉体的にも精神的も、もたないからです。

いくつかの潜入ルポルタージュなどを見たり、学生や働いた経験のある者に聞くと、ブラック企業では、夜10時にタイムカードを押し、その後、深夜まで働いてもカウントされなかったり、ある有名な外食チェーンでは、若い店長は、朝5時に店を閉めた後、後片づけとレジ締めをやり、朝9時には昼食の食材が運び込まれるので、店内で仮眠をとって働く状態になっています。また、ある運送会社では、一日では絶対に運びきれない荷物をノルマにされるため、荷物をもって走り、早朝から深夜まで配達を強いられています。

ブラック企業にとっては、どんなに社員を酷使しようが、次々と社員が辞めていこうが、正社員になりたがっている派遣社員が数多くいるので、補充はいくらでも利きます。こうして派遣の拡大は、働き方まで壊していくのです。

にもかかわらず、政府は「労働者派遣法改正案」を成立させて、さらに派遣を固定化させようとしています。しかも、残業代をゼロにする「ホワイトカラーエグゼンプション」まで導入しようとしています。当面、年収1000万円を超える社員を対象にしますが、第1次安倍内閣で打ち出されていた年収400万円にいずれ引き下げる可能性が高いでしょう。そうなったら、いまブラック企業が行っている過酷な長時間労働はすべて合法化されてしまい、こうした壊れた働き方がさらに多くの企業にまで波及してしまう恐れがあります。



銀行利害関係者は隠したがりますが、日本の「失われた10年」や最近の欧州を見れば分かるように、バブル崩壊に伴う不良債権処理の失敗と急激な信用収縮(貸し渋りや貸しはがし)がもたらす負債デフレ(デッド・デフレーション)がデフレの直接的原因だからです。

彼らは、銀行の不良債権問題や銀行もからむ原発=不良債権問題についてふれないか、ふれても正面から論ずるのを避ける傾向があります。この国が行き詰まっている本質的な部分がすっぽり抜け落ちているのです。

デフレが起きてきたプロセスについて、問題をきちんと整理しないといけません。

① まず経営者も監督官庁も誰も責任をとらずに不良債権を隠すために、バブル崩壊に伴う不良債権処理の失敗が、信用収縮(貸し渋り・貸しはがし)と負債デフレ(デッド・デフレーション)をもたらしました。

② そして、企業は内部留保を増やして設備投資をせずに、雇用の流動化と賃金切り下げを進めました。それによってデフレから抜け出せなくなってしまいました。

③ さらに、若者の雇用破壊は少子高齢化・人口減少を加速させ、それに伴う経済の縮小圧力がデフレを一層深めていきました。

このように③の人口減少を克服するだけではデフレは止まりません。翻って安倍首相は、この悪循環構造を断ち切るために何をしているかが問われてきます。

では、安倍政権は今何をしているのでしょうか。

① 90年代と同様に、ゾンビ東電の救済を最優先し、不良債権化した原発の処理を怠り、安全性を無視して再稼働させたり輸出したりしようとしています。そして、地域で投資が伸びている再生可能エネルギーの投資を止めて、産業構造の転換を遅らせようとしています。

② 先にみたように、労働者派遣法を改悪して派遣を拡大・固定化させ、実質賃金の低下、ブラック企業化を進めて、働き方さえ壊そうとしています。

③ これでは若者は結婚できず、出産もできなくなるために少子高齢化・人口減少を一層加速します。そのうえ、高齢者福祉の切り捨てを行っています。

このように①~③は相互に絡み合いながら、日本経済をデフレ状況に追い込んできたのです。そして安倍政権は、結局、これまで失敗してきたのと同じパターンを繰り返しています。そこに最大の問題があります。

では、日本経済再生のためには、どうしたらよいのでしょうか。

安倍政権が行っている①~③の政策をそれぞれ覆していくことが必要です。


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