注)この話は私が南アルプスへ登山に行って現地の人に聞いた話を元に調べてみた内容です。公表されていない事柄も含まれていますのでご注意ください。
夏休みで南アルプスへ山登りに行ってきました。南アルプスには3000mを超える多くの名山が集まっているものの、他の山域と較べると交通の便が良くないため、登山者は経験の豊富な人に限られていて、とても気持ちの良い登山が楽しめます。
今回登ったのは、南アルプス南部の荒川三山と赤石岳です。荒川三山のうち東岳は別名が悪沢岳といい、国内6位の高峰(標高3,141m)です。赤石岳は日本山岳会の初代会長である小島烏水氏が「名山中の名山」と讃えた人気の山であり、国内7位の高峰(標高3,120m)です。
▲悪沢岳(3,141m)からの眺望。左が赤石岳(3,120m)、右が荒川中岳(3,083m)。
2027年一部開業予定のリニア新幹線は南アルプスの中央部を22kmにわたるトンネルでぶち抜き東京名古屋の最短距離を通す直線ルート(南アルプスルート)を取ることが決定しています。工事の開始は2014年の予定です。
ちょっと古い記事ですが、南アルプスルートの建設が現実的なのかどうかを土木の見地から検証している記事がありました。この記事によると山梨県南巨摩郡早川町の伝付峠から長野県下伊那郡大鹿村の三伏峠あたりに抜けるようです。
おおまかには、標高3047mの塩見岳と3141mの悪沢岳(荒川岳)の間を通る。2地点を直線で結ぶと標高2800m程度の山の直下を通ることになる。
リニア新幹線の南アルプス貫通ルートを予想・検証してみるより
ここからは伝聞の情報が含まれるので話半分に聞いてください。
あまり意識されることがないですが、現在計画中の南アルプスルートではルートの一部が静岡市内を通過します。上の図で一点鎖線に囲われた部分が県境です。青い太線は大井川の上流部です。
話によると、南アルプスを抜ける長大山岳トンネルから、大井川上流部の地上へ抜けるトンネルを掘って、掘削によって発生する大量の土砂を排出する計画が進んでいるとのことです。排出した土砂は大井川上流部に大規模な砂防堤を建設するために利用されるとか。
川の上流に工事をすれば当然下流の流れに大きな影響を与えます。工事のためには資材や重機を大量に運び込み、工事に携わる多くの作業員が移動するための道路も必要になります。周辺の自然環境に与える影響は甚大であることが容易に想像できます。
大井川上流部には古くから二軒小屋という山小屋があります。ここへ入るには、山梨側の伝付峠を徒歩で6時間掛けて越えるルートと、静岡側の畑薙第一ダムから二軒小屋への送迎バスで大井川沿いに2時間揺られるルートしかありません。ちなみに畑薙第一ダムへはJR静岡駅から車で3時間掛かります。
標高1,000mの大井川水面から標高3,000mの山々へ切り立つ大井川上流部の渓谷は、知る人ぞ知る紅葉の名所になっています(上図で塩見岳あたりの大井川源流からトンネルあたりまでの区間)。川岸から両側の山肌全面が赤や黄に染まる紅葉は言葉を失う美しさだそうです。
参考:11/5~11/6 南アルプスの二軒小屋と転付峠の紅葉トレッキングツアー開催しました。
来年2014年にはリニア新幹線の工事が着工します。再来年にはきっと今の姿はないだろう、と現地の人たちは言います。二軒小屋の紅葉も観られるのは今年までかもしれません。
私も当然リニア新幹線が南アルプスを通過する話は承知していました。でも、恥ずかしながら現地の風景を見て地元の人たちの話を聞くまで問題を現実感を持ってイメージできていませんでした。
今から何ができるのかよくわかりませんが、まずは問題があることを知ることが重要だと思いました。
▲赤石岳大倉尾根の富士見平から望む荒川三山。この真下をリニア新幹線がぶち抜くことになります。
▲悪沢岳山頂直下の登山道。この足元を長大トンネルが突き抜けるわけです。
夏休みで南アルプスへ山登りに行ってきました。南アルプスには3000mを超える多くの名山が集まっているものの、他の山域と較べると交通の便が良くないため、登山者は経験の豊富な人に限られていて、とても気持ちの良い登山が楽しめます。
今回登ったのは、南アルプス南部の荒川三山と赤石岳です。荒川三山のうち東岳は別名が悪沢岳といい、国内6位の高峰(標高3,141m)です。赤石岳は日本山岳会の初代会長である小島烏水氏が「名山中の名山」と讃えた人気の山であり、国内7位の高峰(標高3,120m)です。
▲悪沢岳(3,141m)からの眺望。左が赤石岳(3,120m)、右が荒川中岳(3,083m)。
2027年一部開業予定のリニア新幹線は南アルプスの中央部を22kmにわたるトンネルでぶち抜き東京名古屋の最短距離を通す直線ルート(南アルプスルート)を取ることが決定しています。工事の開始は2014年の予定です。
ちょっと古い記事ですが、南アルプスルートの建設が現実的なのかどうかを土木の見地から検証している記事がありました。この記事によると山梨県南巨摩郡早川町の伝付峠から長野県下伊那郡大鹿村の三伏峠あたりに抜けるようです。
おおまかには、標高3047mの塩見岳と3141mの悪沢岳(荒川岳)の間を通る。2地点を直線で結ぶと標高2800m程度の山の直下を通ることになる。
リニア新幹線の南アルプス貫通ルートを予想・検証してみるより
ここからは伝聞の情報が含まれるので話半分に聞いてください。
あまり意識されることがないですが、現在計画中の南アルプスルートではルートの一部が静岡市内を通過します。上の図で一点鎖線に囲われた部分が県境です。青い太線は大井川の上流部です。
話によると、南アルプスを抜ける長大山岳トンネルから、大井川上流部の地上へ抜けるトンネルを掘って、掘削によって発生する大量の土砂を排出する計画が進んでいるとのことです。排出した土砂は大井川上流部に大規模な砂防堤を建設するために利用されるとか。
川の上流に工事をすれば当然下流の流れに大きな影響を与えます。工事のためには資材や重機を大量に運び込み、工事に携わる多くの作業員が移動するための道路も必要になります。周辺の自然環境に与える影響は甚大であることが容易に想像できます。
大井川上流部には古くから二軒小屋という山小屋があります。ここへ入るには、山梨側の伝付峠を徒歩で6時間掛けて越えるルートと、静岡側の畑薙第一ダムから二軒小屋への送迎バスで大井川沿いに2時間揺られるルートしかありません。ちなみに畑薙第一ダムへはJR静岡駅から車で3時間掛かります。
標高1,000mの大井川水面から標高3,000mの山々へ切り立つ大井川上流部の渓谷は、知る人ぞ知る紅葉の名所になっています(上図で塩見岳あたりの大井川源流からトンネルあたりまでの区間)。川岸から両側の山肌全面が赤や黄に染まる紅葉は言葉を失う美しさだそうです。
参考:11/5~11/6 南アルプスの二軒小屋と転付峠の紅葉トレッキングツアー開催しました。
来年2014年にはリニア新幹線の工事が着工します。再来年にはきっと今の姿はないだろう、と現地の人たちは言います。二軒小屋の紅葉も観られるのは今年までかもしれません。
私も当然リニア新幹線が南アルプスを通過する話は承知していました。でも、恥ずかしながら現地の風景を見て地元の人たちの話を聞くまで問題を現実感を持ってイメージできていませんでした。
今から何ができるのかよくわかりませんが、まずは問題があることを知ることが重要だと思いました。
▲赤石岳大倉尾根の富士見平から望む荒川三山。この真下をリニア新幹線がぶち抜くことになります。
▲悪沢岳山頂直下の登山道。この足元を長大トンネルが突き抜けるわけです。