交響曲第8番へ長調作品93は、隠れた名曲逸品です
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で
アバド、カラヤンの系譜を引く、ドイツ音楽の決定版
控えめだったけど、端正で豪華な演奏でした
コンサート・マスターは41年変わらずは凄いです
好い音楽でした
クラシック音楽館 2014年2月16日
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 演奏会
交響曲第8番へ長調作品93 ベートーベン作曲
交響曲第9番二短調作品125「合唱付き」 ベートーベン作曲
出演 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
指揮:クリスティアン・ティーレマン
[収録:2013年11月17日/サントリーホール]
クリスティアン・ティーレマン
1959年、ベルリン生まれ。1988年、ニュルンベルク歌劇場の音楽監督に就任。1997年〜2004年、ベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督を務める。2000年、バイロイト音楽祭にデビューし、2006年には「ニーベルングの指輪」を指揮して大成功を収める。2004年、ミュンヘン・フィルの音楽監督に就任。バイロイトやベルリンにおけるワーグナー、リヒャルト・シュトラウスのオペラ解釈で高い評価を得ている。ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィルハーモニア管、ニューヨーク・フィル、シカゴ等のオーケストラ、及び名だたるオペラ・ハウスに客演。12/13シーズンから、ドレスデン国立管弦楽団の首席指揮者に就任している。
今日のこの演奏会の放送は、HDDに録画して、またの機会に見ようと思ったのですが、あまりにも興味深く、最後まで見てしまい、この演奏会について、ティーレマンについて、ささやかな、考察をしてみようと思いました。
何の気なしに、第八番を聴きはじめて、20世紀の指揮者の音楽像とは違うなと思いがあり、違和感と言うものが、今までにも自分自身のなかにもありました。今の聴衆の方々には、違和感はないかもしれません。
聴いていて、20世紀の名演と言われた、ベーム、カラヤン、クレンペラー、フルトヴェングラーなど、ドイツの作品、ベートーヴェンやブラームスやブルックナーと言った作品の演奏には、決まって、ドイツ的構築性がありました。
実際にそうした、演奏は、20世紀の聴衆には、理解しやすいのです。
でも、こうした、このティーレマンは、かつてのウィーン風の演奏とひとくくりににはできない演奏であって、ティーレマンの演奏をそうした言葉でくくることだけでは、ならないと言うことに気がつかねばならないと考えます。
ティーレマンによる、ドイツの作品によるブラームスなども放送されました。ワーグナーのバイロイトでの演奏もありました。
古い聴衆には、受けが悪く、構築性のない、ワーグナーなど認められないとまで言うサイトでの発言もありました。
そうした、古い聴衆である、さとちゃんも含めて、このティーレマンという指揮者は、まさに驚くべき指揮者として、追っていかなければならない、そして、小手先だけの古楽演奏に刺激された、形だけの、演奏ではないことに気がつかなければいけません。
流麗だけではなく、この指揮者の作る、演奏は、即興性ではなく、すべてが、彼独自の解釈に基づいており、すべてが、彼の一音たりとも、無意味な解釈としての演奏はありません。
聴いていて、大変に真摯でありながら、大変に凝ったつくりのベートーヴェンであって、彼の演奏解釈は、ウィーン風で片付けることはできません。
しかも、聴いていて、20世紀に演奏され続けた、手垢にまみれた、ベートーヴェン像が、大変に細かな、アーティキュレーションではなく、彼の解釈として、フレーズが、生きている、まさにティーレマンそのものが、このベートーヴェンです。
要するに過去の20世紀のドイツ作品における、ドイツの構築性や、感情付けをしたり、楽譜に忠実と言われるようなドイツの禁欲的な演奏でくくれるものではありません。
聴いているうちに、あまりにも古い聴衆である、さとちゃんも新しい演奏であることはわかりますが、違和感があるということは、今までに聴いた解釈ではなく、誰も今までにやったことのない演奏解釈だからこそであって、聴いているうちにこの細かな、しかも一音一音までにも気を配った演奏それも、20世紀的な演奏ではないところに、引かれていくことに、自分がティーレマンの音楽性に、いつのまにか、納得している自分に気が付いたのが、この演奏会でした。
しかも、ティーレマン自身もまだ50を越した年齢であり、今までに、新しい指揮者として、登場してから、ますます、その演奏解釈も成長著しく、カールマン等のオペレッタのガラ・コンサートも見事だし、協奏曲の合わせものも非常に巧いティーレマン。
今後の活躍を追って行きたいと思った一夜でした。
NHKの表記では、ベートーベンですが、一般の表記では、ベートーヴェンと表記しました。以下は、NHKのホーム・ページに準拠。
「交響曲 第8番 ヘ長調 作品93(ベートーベン)」
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)クリスティアン・ティーレマン
「交響曲 第9番 ニ短調 作品125“合唱付き”(ベートーベン)」
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(合唱)ウィーン楽友協会合唱団、(指揮)クリスティアン・ティーレマン、(ソプラノ)エリン・ウォール、(メゾ・ソプラノ)藤村実穂子、(テノール)ミヒャエル・ケーニヒ、(バリトン)ロベルト・ホル
(2013年11月17日/サントリーホール)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で
アバド、カラヤンの系譜を引く、ドイツ音楽の決定版
控えめだったけど、端正で豪華な演奏でした
コンサート・マスターは41年変わらずは凄いです
好い音楽でした
クラシック音楽館 2014年2月16日
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 演奏会
交響曲第8番へ長調作品93 ベートーベン作曲
交響曲第9番二短調作品125「合唱付き」 ベートーベン作曲
出演 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
指揮:クリスティアン・ティーレマン
[収録:2013年11月17日/サントリーホール]
クリスティアン・ティーレマン
1959年、ベルリン生まれ。1988年、ニュルンベルク歌劇場の音楽監督に就任。1997年〜2004年、ベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督を務める。2000年、バイロイト音楽祭にデビューし、2006年には「ニーベルングの指輪」を指揮して大成功を収める。2004年、ミュンヘン・フィルの音楽監督に就任。バイロイトやベルリンにおけるワーグナー、リヒャルト・シュトラウスのオペラ解釈で高い評価を得ている。ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィルハーモニア管、ニューヨーク・フィル、シカゴ等のオーケストラ、及び名だたるオペラ・ハウスに客演。12/13シーズンから、ドレスデン国立管弦楽団の首席指揮者に就任している。
今日のこの演奏会の放送は、HDDに録画して、またの機会に見ようと思ったのですが、あまりにも興味深く、最後まで見てしまい、この演奏会について、ティーレマンについて、ささやかな、考察をしてみようと思いました。
何の気なしに、第八番を聴きはじめて、20世紀の指揮者の音楽像とは違うなと思いがあり、違和感と言うものが、今までにも自分自身のなかにもありました。今の聴衆の方々には、違和感はないかもしれません。
聴いていて、20世紀の名演と言われた、ベーム、カラヤン、クレンペラー、フルトヴェングラーなど、ドイツの作品、ベートーヴェンやブラームスやブルックナーと言った作品の演奏には、決まって、ドイツ的構築性がありました。
実際にそうした、演奏は、20世紀の聴衆には、理解しやすいのです。
でも、こうした、このティーレマンは、かつてのウィーン風の演奏とひとくくりににはできない演奏であって、ティーレマンの演奏をそうした言葉でくくることだけでは、ならないと言うことに気がつかねばならないと考えます。
ティーレマンによる、ドイツの作品によるブラームスなども放送されました。ワーグナーのバイロイトでの演奏もありました。
古い聴衆には、受けが悪く、構築性のない、ワーグナーなど認められないとまで言うサイトでの発言もありました。
そうした、古い聴衆である、さとちゃんも含めて、このティーレマンという指揮者は、まさに驚くべき指揮者として、追っていかなければならない、そして、小手先だけの古楽演奏に刺激された、形だけの、演奏ではないことに気がつかなければいけません。
流麗だけではなく、この指揮者の作る、演奏は、即興性ではなく、すべてが、彼独自の解釈に基づいており、すべてが、彼の一音たりとも、無意味な解釈としての演奏はありません。
聴いていて、大変に真摯でありながら、大変に凝ったつくりのベートーヴェンであって、彼の演奏解釈は、ウィーン風で片付けることはできません。
しかも、聴いていて、20世紀に演奏され続けた、手垢にまみれた、ベートーヴェン像が、大変に細かな、アーティキュレーションではなく、彼の解釈として、フレーズが、生きている、まさにティーレマンそのものが、このベートーヴェンです。
要するに過去の20世紀のドイツ作品における、ドイツの構築性や、感情付けをしたり、楽譜に忠実と言われるようなドイツの禁欲的な演奏でくくれるものではありません。
聴いているうちに、あまりにも古い聴衆である、さとちゃんも新しい演奏であることはわかりますが、違和感があるということは、今までに聴いた解釈ではなく、誰も今までにやったことのない演奏解釈だからこそであって、聴いているうちにこの細かな、しかも一音一音までにも気を配った演奏それも、20世紀的な演奏ではないところに、引かれていくことに、自分がティーレマンの音楽性に、いつのまにか、納得している自分に気が付いたのが、この演奏会でした。
しかも、ティーレマン自身もまだ50を越した年齢であり、今までに、新しい指揮者として、登場してから、ますます、その演奏解釈も成長著しく、カールマン等のオペレッタのガラ・コンサートも見事だし、協奏曲の合わせものも非常に巧いティーレマン。
今後の活躍を追って行きたいと思った一夜でした。
NHKの表記では、ベートーベンですが、一般の表記では、ベートーヴェンと表記しました。以下は、NHKのホーム・ページに準拠。
「交響曲 第8番 ヘ長調 作品93(ベートーベン)」
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)クリスティアン・ティーレマン
「交響曲 第9番 ニ短調 作品125“合唱付き”(ベートーベン)」
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(合唱)ウィーン楽友協会合唱団、(指揮)クリスティアン・ティーレマン、(ソプラノ)エリン・ウォール、(メゾ・ソプラノ)藤村実穂子、(テノール)ミヒャエル・ケーニヒ、(バリトン)ロベルト・ホル
(2013年11月17日/サントリーホール)