2014年02月04日
日経平均「1万8400円が底値」とゼニ好き国民を煽っていた日経やエコノミストたちが、浮足立っている。FRBの金融縮小で、新興市場から資金が流出している一本やりな理由を口々に唱えるが、それは単に一因に過ぎない。東京市場やNY市場まで、新興国になってしまうではないか。そんな理由を口にするようでは、まともにマーケットのことなど、知っていないと云う証明のようなものだ。口を慎め。せめて、竹中平蔵さえが「アベノミクスは、このままでは挫折する。もっともっと法人税を下げろ!障壁のすべてを取っ払え!」そのくらいの、鉄仮面な発言くらいしたらどうなのだ(笑)。
3日の東証・日経平均は300円近く下げた。1.98%の下落であり、浮足立つのは当然である。同日のNY市場も、日本時間午前2時現在、乱高下を繰り返しながらも、238ドル安、1.53%の下落を示しており、世界同時株安と云う金融資本主義の危機が訪れているような様相になってきた。為替も101円を切りそうだ。東京都知事選の世論調査を嘲笑うような、株式事情である。ここ1週間、都知事選も終盤を迎え、潮目のチェンジを、市場が後押ししていると観察することも可能な状況だ。世界金融勢力やオバマ米国にとっても、グローバルの潮流に親和的な、細川・小泉連合の方が、親近感があるに違いない。
無論、細川・小泉連合の主張している「自由社会主義」的なリベラルで市場原理も取り入れましょう、と云う思想に近い主張は、当初より、わが国民には高度すぎる嫌いがある、と筆者は既に語っている。参考:1月23日付拙コラム“ 細川の高度な歴史観が理解されるか? 彼の脱原発はシンボル、根っこは世界観 ”
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/7678bd108115b82343e5064058d22628
小さな政府と大きな包摂可能な共同体社会を、日本は目指して行かないと、取り返しのつかない社会になってしまう。大量生産、大量消費の時代は完璧に終わっている。成熟した国家だから、絶対に経済成長出来ないと言っているわけでもない。ただ、経済成長やナショナリズム以外に、国民を勇気づける手のない、食糧燃料が死活問題の中国や、歴史の浅い大国アメリカとは異なる背景を、日本は有している。それを高度経済成長や飽食で忘れているに過ぎない。既に保有し、経験も重ねた日本民族の能力を、視点を変えて発揮させなければならない、と言っているのだが、縄文以降営々と築いた文化や知恵、体の中に眠っているDNAを呼び覚ませば良いだけのことだ。そのシンボルが「再生可能エネルギー国家」なのである。
筆者の株式投資の師は、植草氏である。いまだに同氏は、日本有数のエコノミストであることに異論を挟む人は少ないだろう。彼が、野村証券のチーフエコノミストだった時からのファンであるが、いまだに市場を見つめる目は衰えていない。時折、政治的言動や選択で、首をかしげる言動に及ぶこともあるが、エコノミストとしての発言が狂わない限り、彼は最高のマクロ経済の“雄”である。アベノミクスへの継承は、当初より発しているが、本格的に予言がズバリの経済情勢が顔を出したようである。昨日付同氏コラムは、以下のように述べている。
≪ 日本経済に忍び寄る超デフレ財政政策の翳
内外の株式市場で変調が観測されている。
日本の株式市場でも年初来、株価は下落傾向を示している。
安倍晋三氏は昨年12月30日の東証大納会に出席して、「アベノミクスは今年も買いだ」と気勢をあげたが、年初来の現実は、その真逆のものになっている。
日本のマスメディアの大半は御用メディアに堕落して、政権の顔色ばかり見る報道を展開している。
このことによって、もっとも被害を蒙るのは国民である。 国民の目や耳に、真実の情報が提供されない。 国民は、マスメディアが流す情報の大半が、色のついたもの、汚染された情報であることを認識して情報に接する必要がある。
年初来の株価下落についても、メディアは、「新興国の経済不安」が波及していると報道する。 これも真実を歪める報道である。
私は昨年12月に、『日本経済撃墜−恐怖の政策逆噴射−』(ビジネス社) と題する著書を上梓した。 世間は「アベノミクス」の言葉に踊らされているが、「アベノミクス」は内容のほとんどない空虚なものである。
たしかに2013年前半に株価が上昇したが、その主因は、
1.それ以前の菅・野田政権の経済政策が悪すぎて株価が不当に下振れしていたことの反動
2.2012年7月以降に米国長期金利が上昇して、連動してドル高が生じ、これに連動して日本株価が上昇したことである。
「アベノミクス」の第一の矢の金融緩和はあまり効いていない。第二の矢の財政政策は、2013年度は13兆円補正予算で景気を支えたが、2014年度は「恐怖の政策逆噴射」に転じる。
第三の矢の成長政策はまだ動いていないが、その内容は、農業、医療、解雇の自由化、経済特区、法人税減税で、1%の大資本に利益を与えるが、99%の庶民に不利益を与える間違った政策である。私は拙著に2014年のリスクファクターとして、「SFCの壁」と記述した。
2014年の金融市場には、三つのリスクが立ちはだかるとの見方を示した。
SはSales Taxのことで、安倍政権が強硬実施する2014年度の超緊縮財政が日本経済を撃墜する可能性が高いことである。
FはFRBの略で、米国の金融政策の方向が「金融緩和」から「金融引締め」に転じることに伴うリスクだ。
CはChina Riskのことで、中国の政治経済の揺らぎが極めて重要であるとの見解を示したものである。
いま、金融市場ではFのリスクとCのリスクが顕在化し始めている。
米国は金融政策の方向を大転換し始めている。
金融緩和を強化してきたのを、金融緩和を縮小する方向に転換させつつある。
金融緩和を縮小しても、金融緩和は維持するのだから問題は少ないのではないかとの見方がある。
しかし、この見方は正しくない。
重要なのは変化の方向である。ベクトルの向きが問題なのだ。 金融引締め期であっても、金融引締めが緩和され始めると、政策の方向は、「引き締め」から「緩和」に転換する。
金融緩和期であっても、金融緩和が縮小されるということは、政策の方向が「緩和」から「引き締め」に転換することを意味する。
この変化が重大なのである。 私は、会員制レポートである『金利・為替・株価特報』に、内外の株価は「掉尾(とうび)の一振」で2013年末までは上昇するが、年明け以降は警戒を要するとの見通しを示してきた。
その理由が上記の三つのリスクである。 FRBが金融政策を「引き締め方向」に転換することは、FRBが供給してきたマネーが逆流を始めるということだ。 これに連動して、新興国ではマネー流出の懸念が生じ、それを食い止めるために金利引き上げなどの対抗手段が必要になってくる。
この懸念が浮上して、内外金融市場に一定の変化が生まれ始めている。 このなかで、日本の株式市場でも株価下落の気配が漂い始めているが、日本の場合、最重要の変化はこの点にはない。
日本自身の「政策逆噴射」のリスクが圧倒的に大きいのだ。
日本のマスメディアは、この問題をまったく報道しない。 そこで、私は拙著でこの問題を訴えているのだが、これから日本でも、この問題に光が当てられることになるだろう。
史上空前の超緊縮財政が実行される。この重大な影響を織り込む動きが日本の株式市場で生まれ始めている可能性をしっかりと踏まえておくべきである。 ≫(植草一秀の「知られざる真実」)
ここ1週間が日本の方向性を占うには、天佑な機会である。御用メディアと化した、新聞テレビは細川・小泉連合の集客力を矮小化、乃至は無視する動きに終始している。不都合な真実を隠し通そうと云う態度は、福島原発が核爆発を起こした時の状況に近似している。官僚とマスメディアの悪しき習い性である。しかし、丁度安倍政権には都合の悪い最終週になりそうな塩梅だ。そろそろ仕事も終わり寝ようとWSJを覗いてみたら、280ドルも下落している。本日火曜日、の東京市場は如何なるものやら(笑)、目覚めたの日経速報を見るのが愉しみだ。自律反発相場を期待は株屋の常套句に過ぎない。海外勢の売り買いの動きは必ずしも読めないので、上にも、下にも、思惑通り動くとも限らない。
ただ、今回の都知事選の争点を、景気・雇用・福祉・高齢化対策等々を最大の問題と煽り続けているマスメディアも、流石に無視できない水準の株価を叩き出して欲しいものである。流石の、経済重視、“寄らば大樹のかげ都民”も、株価の下落に合わせて、アベノミクスの虚構に気づくかもしれない。おそらく、日本株の下落率は断トツ。舛添の断トツと並び称される(笑)。そうなること、心より祈願して、眠りにつくとしよう。オヤスミなさい!
拍手はせず、拍手一覧を見る
コメント
01. 2014年2月04日 09:06:35 : 01nZZdwx1w
500円以内の下落で済むかどうか
02. 2014年2月04日 09:14:50 : EmRqs5ODUM
月曜日の東京市場の下げは、細川勝利の折込だと思う。
他のアジア、ロンドンは午後反発したが東京にはそれがなかった。
東電株、関電株の波形と日経平均の波形が一致した。
さすがにみなさん、新聞が報じなくともネットでチェックするのね、銀座決戦の行方を。
03. 佐助 2014年2月04日 09:25:05 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
ほぼ当たっている,追記するならば
「辰巳天井・午下がり」午年に株価が暴落している,このまま円安続けばアベノミクスバブルは蜃気楼化したお化けなので1年半で終焉することになる。ただし「脱原発」から[産業革命]を加速させるなら,ビジネスは不況下でも伸びる。
アベノミクスは四半期ごとのクラス(項目)別に反転しながら,約一年間株価は小暴落と中高騰をくり返していた、株大暴落への見えない移行暴落に向かっていた。節目の手前で最高値圏を形成し下げてきた,外資が逃げるので,ドル暴落で円高,10分の1まで暴落すると思われる。
過去の午年,1930年 1929年の最高値から世界恐慌「暗黒の木曜日」経て1934年に10分の1まで暴落した。
1990年 89年の年末までに約3倍に暴騰した株価が大暴落した。資産価格も大暴落した。
2002年 1997年の北海道拓殖銀行,山一証券などが経営破たんから緊縮財政政策や消費税の失敗そして景気悪化推進政策で大暴落した。
政府マスコミはITバブル崩壊とした逃げた。2007年に世界的株価高騰で高値の頂点からサブプライムを経て2009年のリーマンショックまで大暴落を続けたが,2012年からの世界的金融緩和・財政出動によって2013年に株価上昇した,アベノミクスも蜃気楼化された経済指数の円安で暴騰したが,「脱原発」もできないと,2015年〜2017年の10分の1まで暴落続け,銀行・証券・為替の一時閉鎖が発生することになる。2015年に前兆期をまず二番底を迎えるだろう。2015年〜2017年は,まるで台風の目の中にスッポリと入ったように見えるだろう。最高値圏を形成するとあとは下げていくしかない。そしてドル崩壊が勃発すると再び1ドル70円台から60円に向う。今回は新興国の通貨暴落やユーロの中に再びデフオルト危機に見舞われる。すなわち輸出の神風は吹かない,50円台もある。
しかし今回の大暴落は避けられる,一つは原発から脱出すること。人類は産業革命が前倒しできる目の前まできている。それは本命の燃料電池が完成したことで技術革新がスタートしたからである。2006年にスタートした世界信用収縮恐慌はTPPや世界的な関税引き下げで世界恐慌が渦中にあることになる,これは天皇家のキンの利用でドル暴落も止められる。このまま原発推進すると古今未曽有の地獄絵図を体験しなければならない。だが政府官僚マスコミは原発推進という悪魔の既得権益が最悪を目指している。そのために今回は金持ちも貧乏人も古今未曽有の地獄絵図を体験することになる。山河は破壊するわけではない,貧乏人や弱者に必ずチヤンスがくると思えばよい。
04. 2014年2月04日 09:42:34 : BDDFeQHT6I
今日(3月4日)寄り付きで400円超の下落、14,000円割れ目前。
05. 2014年2月04日 10:09:54 : GCOMKaSltn
小沢信者の細川推しは正直いたいたしいよな。
あの老人は脱原発のワンフレーズのみで
他の政策は未知数で評価のしようがない。
日本破壊に一役買った小泉が支持しているだけでマイナス評価。
06. 2014年2月04日 11:00:23 : qCRXdmEp9o
即時、原発やめることは不可能に近い。
徐々に代替エネルギーに移行して
いく。政治はバランスが必要なのだ。
細川、小泉連合の原発政策は
私情の空論。
現実に原発の稼動がストップしてから
実に電気代が高くなっている。
それはなぜか。
火力発電に頼るしかないから
石炭、石油を大幅輸入しなければならぬ。
日本は敗戦国だから石油も市場の三倍の
価格で買っていることを決して忘れては
ならない。したがってそれは消費者に跳ね返る
ことになる。株式暴落は原発と何の関係もない。
細川、小泉が勝てばどうなるか。
それこそ、株安、円高、物価高、で
庶民は二重の苦しみを背負うことになる。
また、民主党のようにいい芽も詰んでしまう悪政が
来る。まあ、民度がどの程度か東京都知事選挙結果で
分かるからね。無知蒙昧の流砂の民、日本人には
しょせん、なにもわからんだろうな。
即時、原発0というのは高速道路無料化と
同じ、選挙対策の詐欺的手法だ。
07. 2014年2月04日 11:33:10 : YxpFguEt7k
藤原直哉氏
「東京電力株価、朝から6.4%下落。いよいよ終わりを市場は織り込み始めようとしている。」
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/430506205505544192
巨木が倒れる。そして倒木更新が始まる。
08. 2014年2月04日 12:00:44 : rrhrFN6JLd
06)即時、原発やめること不可能?今一基も原発動いてませんけど。江戸時代になったか?
沖縄電力は原発持ってないけど料金値上げもしていない。どう思う?
09. 2014年2月04日 13:33:14 : HDwovAiKsc
>>06さんは
ごちゃごちゃ言っても08さんの2行のコメントで轟沈。
10. 2014年2月04日 13:38:58 : glnvOURP8A
底が抜けそうな相場になっているね。
植草さんやあいば君の予見が当たりかけている。
日経は11,000円が実力とも言われているので、
そこまでは、上げ下げ繰り返し、行きそうだね。
海外勢の目は、安倍・舛添敗れたりなのだろう。
海外メディアの方が正確な情報が流れていて、
日経・読売・産経は嘘を流して、国民の財産没収を喚起している。
11. 2014年2月04日 16:53:22 : 7wPuEGDugo
610円の下落 その後の先物では踏ん張ってるみたいだがw
12. 2014年2月04日 18:17:04 : 7a485pUwzQ
カネが行ったり来たりで右往左往の株と国債。
その内ころん(Cologne)で、オーイデ・コロン。(意味はない)
各国の紙幣、金貨は液体化している。
流れる前に正気に戻れる人でも手遅れだ。
液体は気化して消えてしまふ。
持たない人も喜んではいけない。
付けはあなたたちにも降りかかる。
いつまで、こんなことを繰り返すのか・・
バーチャル(偽りの世界)は否定して、現物の世界で暮らそうじゃないか。
騙したり、犠牲の上にしか富を築けない世界は異常である。
(身体と心に)健康的な経済社会こそ人類の到達点である。
13. 2014年2月04日 19:13:07 : hpBDlhESAg
600円超の大幅下落だけど、夕方のニュース(テレビ朝日)ではさらっと流していたね。
もちろん、アベノミクスの危機的な視点はなし。80-90年代だったら、大騒ぎしていたのに、いまのテレビには、安倍様に睨まれたらたまらんという意識でもあるのでしょう。
でも、いい傾向。もっと下がって、株式市場が大騒ぎになれば面白い。
一方で、トヨタ、日立は空前の営業利益だとか。ふん。
14. 2014年2月04日 21:24:41 : 5y33NEKSuQ
11000まで落ちれば満足、円は80くらいがいい。
株してる方々すみません。
15. 2014年2月05日 00:36:35 : XEfI92UWuw
世界大恐慌から、どのような流れで大戦に至ったのか
もう一度調べよう…
日経平均「1万8400円が底値」とゼニ好き国民を煽っていた日経やエコノミストたちが、浮足立っている。FRBの金融縮小で、新興市場から資金が流出している一本やりな理由を口々に唱えるが、それは単に一因に過ぎない。東京市場やNY市場まで、新興国になってしまうではないか。そんな理由を口にするようでは、まともにマーケットのことなど、知っていないと云う証明のようなものだ。口を慎め。せめて、竹中平蔵さえが「アベノミクスは、このままでは挫折する。もっともっと法人税を下げろ!障壁のすべてを取っ払え!」そのくらいの、鉄仮面な発言くらいしたらどうなのだ(笑)。
3日の東証・日経平均は300円近く下げた。1.98%の下落であり、浮足立つのは当然である。同日のNY市場も、日本時間午前2時現在、乱高下を繰り返しながらも、238ドル安、1.53%の下落を示しており、世界同時株安と云う金融資本主義の危機が訪れているような様相になってきた。為替も101円を切りそうだ。東京都知事選の世論調査を嘲笑うような、株式事情である。ここ1週間、都知事選も終盤を迎え、潮目のチェンジを、市場が後押ししていると観察することも可能な状況だ。世界金融勢力やオバマ米国にとっても、グローバルの潮流に親和的な、細川・小泉連合の方が、親近感があるに違いない。
無論、細川・小泉連合の主張している「自由社会主義」的なリベラルで市場原理も取り入れましょう、と云う思想に近い主張は、当初より、わが国民には高度すぎる嫌いがある、と筆者は既に語っている。参考:1月23日付拙コラム“ 細川の高度な歴史観が理解されるか? 彼の脱原発はシンボル、根っこは世界観 ”
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/7678bd108115b82343e5064058d22628
小さな政府と大きな包摂可能な共同体社会を、日本は目指して行かないと、取り返しのつかない社会になってしまう。大量生産、大量消費の時代は完璧に終わっている。成熟した国家だから、絶対に経済成長出来ないと言っているわけでもない。ただ、経済成長やナショナリズム以外に、国民を勇気づける手のない、食糧燃料が死活問題の中国や、歴史の浅い大国アメリカとは異なる背景を、日本は有している。それを高度経済成長や飽食で忘れているに過ぎない。既に保有し、経験も重ねた日本民族の能力を、視点を変えて発揮させなければならない、と言っているのだが、縄文以降営々と築いた文化や知恵、体の中に眠っているDNAを呼び覚ませば良いだけのことだ。そのシンボルが「再生可能エネルギー国家」なのである。
筆者の株式投資の師は、植草氏である。いまだに同氏は、日本有数のエコノミストであることに異論を挟む人は少ないだろう。彼が、野村証券のチーフエコノミストだった時からのファンであるが、いまだに市場を見つめる目は衰えていない。時折、政治的言動や選択で、首をかしげる言動に及ぶこともあるが、エコノミストとしての発言が狂わない限り、彼は最高のマクロ経済の“雄”である。アベノミクスへの継承は、当初より発しているが、本格的に予言がズバリの経済情勢が顔を出したようである。昨日付同氏コラムは、以下のように述べている。
≪ 日本経済に忍び寄る超デフレ財政政策の翳
内外の株式市場で変調が観測されている。
日本の株式市場でも年初来、株価は下落傾向を示している。
安倍晋三氏は昨年12月30日の東証大納会に出席して、「アベノミクスは今年も買いだ」と気勢をあげたが、年初来の現実は、その真逆のものになっている。
日本のマスメディアの大半は御用メディアに堕落して、政権の顔色ばかり見る報道を展開している。
このことによって、もっとも被害を蒙るのは国民である。 国民の目や耳に、真実の情報が提供されない。 国民は、マスメディアが流す情報の大半が、色のついたもの、汚染された情報であることを認識して情報に接する必要がある。
年初来の株価下落についても、メディアは、「新興国の経済不安」が波及していると報道する。 これも真実を歪める報道である。
私は昨年12月に、『日本経済撃墜−恐怖の政策逆噴射−』(ビジネス社) と題する著書を上梓した。 世間は「アベノミクス」の言葉に踊らされているが、「アベノミクス」は内容のほとんどない空虚なものである。
たしかに2013年前半に株価が上昇したが、その主因は、
1.それ以前の菅・野田政権の経済政策が悪すぎて株価が不当に下振れしていたことの反動
2.2012年7月以降に米国長期金利が上昇して、連動してドル高が生じ、これに連動して日本株価が上昇したことである。
「アベノミクス」の第一の矢の金融緩和はあまり効いていない。第二の矢の財政政策は、2013年度は13兆円補正予算で景気を支えたが、2014年度は「恐怖の政策逆噴射」に転じる。
第三の矢の成長政策はまだ動いていないが、その内容は、農業、医療、解雇の自由化、経済特区、法人税減税で、1%の大資本に利益を与えるが、99%の庶民に不利益を与える間違った政策である。私は拙著に2014年のリスクファクターとして、「SFCの壁」と記述した。
2014年の金融市場には、三つのリスクが立ちはだかるとの見方を示した。
SはSales Taxのことで、安倍政権が強硬実施する2014年度の超緊縮財政が日本経済を撃墜する可能性が高いことである。
FはFRBの略で、米国の金融政策の方向が「金融緩和」から「金融引締め」に転じることに伴うリスクだ。
CはChina Riskのことで、中国の政治経済の揺らぎが極めて重要であるとの見解を示したものである。
いま、金融市場ではFのリスクとCのリスクが顕在化し始めている。
米国は金融政策の方向を大転換し始めている。
金融緩和を強化してきたのを、金融緩和を縮小する方向に転換させつつある。
金融緩和を縮小しても、金融緩和は維持するのだから問題は少ないのではないかとの見方がある。
しかし、この見方は正しくない。
重要なのは変化の方向である。ベクトルの向きが問題なのだ。 金融引締め期であっても、金融引締めが緩和され始めると、政策の方向は、「引き締め」から「緩和」に転換する。
金融緩和期であっても、金融緩和が縮小されるということは、政策の方向が「緩和」から「引き締め」に転換することを意味する。
この変化が重大なのである。 私は、会員制レポートである『金利・為替・株価特報』に、内外の株価は「掉尾(とうび)の一振」で2013年末までは上昇するが、年明け以降は警戒を要するとの見通しを示してきた。
その理由が上記の三つのリスクである。 FRBが金融政策を「引き締め方向」に転換することは、FRBが供給してきたマネーが逆流を始めるということだ。 これに連動して、新興国ではマネー流出の懸念が生じ、それを食い止めるために金利引き上げなどの対抗手段が必要になってくる。
この懸念が浮上して、内外金融市場に一定の変化が生まれ始めている。 このなかで、日本の株式市場でも株価下落の気配が漂い始めているが、日本の場合、最重要の変化はこの点にはない。
日本自身の「政策逆噴射」のリスクが圧倒的に大きいのだ。
日本のマスメディアは、この問題をまったく報道しない。 そこで、私は拙著でこの問題を訴えているのだが、これから日本でも、この問題に光が当てられることになるだろう。
史上空前の超緊縮財政が実行される。この重大な影響を織り込む動きが日本の株式市場で生まれ始めている可能性をしっかりと踏まえておくべきである。 ≫(植草一秀の「知られざる真実」)
ここ1週間が日本の方向性を占うには、天佑な機会である。御用メディアと化した、新聞テレビは細川・小泉連合の集客力を矮小化、乃至は無視する動きに終始している。不都合な真実を隠し通そうと云う態度は、福島原発が核爆発を起こした時の状況に近似している。官僚とマスメディアの悪しき習い性である。しかし、丁度安倍政権には都合の悪い最終週になりそうな塩梅だ。そろそろ仕事も終わり寝ようとWSJを覗いてみたら、280ドルも下落している。本日火曜日、の東京市場は如何なるものやら(笑)、目覚めたの日経速報を見るのが愉しみだ。自律反発相場を期待は株屋の常套句に過ぎない。海外勢の売り買いの動きは必ずしも読めないので、上にも、下にも、思惑通り動くとも限らない。
ただ、今回の都知事選の争点を、景気・雇用・福祉・高齢化対策等々を最大の問題と煽り続けているマスメディアも、流石に無視できない水準の株価を叩き出して欲しいものである。流石の、経済重視、“寄らば大樹のかげ都民”も、株価の下落に合わせて、アベノミクスの虚構に気づくかもしれない。おそらく、日本株の下落率は断トツ。舛添の断トツと並び称される(笑)。そうなること、心より祈願して、眠りにつくとしよう。オヤスミなさい!
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01. 2014年2月04日 09:06:35 : 01nZZdwx1w
500円以内の下落で済むかどうか
02. 2014年2月04日 09:14:50 : EmRqs5ODUM
月曜日の東京市場の下げは、細川勝利の折込だと思う。
他のアジア、ロンドンは午後反発したが東京にはそれがなかった。
東電株、関電株の波形と日経平均の波形が一致した。
さすがにみなさん、新聞が報じなくともネットでチェックするのね、銀座決戦の行方を。
03. 佐助 2014年2月04日 09:25:05 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
ほぼ当たっている,追記するならば
「辰巳天井・午下がり」午年に株価が暴落している,このまま円安続けばアベノミクスバブルは蜃気楼化したお化けなので1年半で終焉することになる。ただし「脱原発」から[産業革命]を加速させるなら,ビジネスは不況下でも伸びる。
アベノミクスは四半期ごとのクラス(項目)別に反転しながら,約一年間株価は小暴落と中高騰をくり返していた、株大暴落への見えない移行暴落に向かっていた。節目の手前で最高値圏を形成し下げてきた,外資が逃げるので,ドル暴落で円高,10分の1まで暴落すると思われる。
過去の午年,1930年 1929年の最高値から世界恐慌「暗黒の木曜日」経て1934年に10分の1まで暴落した。
1990年 89年の年末までに約3倍に暴騰した株価が大暴落した。資産価格も大暴落した。
2002年 1997年の北海道拓殖銀行,山一証券などが経営破たんから緊縮財政政策や消費税の失敗そして景気悪化推進政策で大暴落した。
政府マスコミはITバブル崩壊とした逃げた。2007年に世界的株価高騰で高値の頂点からサブプライムを経て2009年のリーマンショックまで大暴落を続けたが,2012年からの世界的金融緩和・財政出動によって2013年に株価上昇した,アベノミクスも蜃気楼化された経済指数の円安で暴騰したが,「脱原発」もできないと,2015年〜2017年の10分の1まで暴落続け,銀行・証券・為替の一時閉鎖が発生することになる。2015年に前兆期をまず二番底を迎えるだろう。2015年〜2017年は,まるで台風の目の中にスッポリと入ったように見えるだろう。最高値圏を形成するとあとは下げていくしかない。そしてドル崩壊が勃発すると再び1ドル70円台から60円に向う。今回は新興国の通貨暴落やユーロの中に再びデフオルト危機に見舞われる。すなわち輸出の神風は吹かない,50円台もある。
しかし今回の大暴落は避けられる,一つは原発から脱出すること。人類は産業革命が前倒しできる目の前まできている。それは本命の燃料電池が完成したことで技術革新がスタートしたからである。2006年にスタートした世界信用収縮恐慌はTPPや世界的な関税引き下げで世界恐慌が渦中にあることになる,これは天皇家のキンの利用でドル暴落も止められる。このまま原発推進すると古今未曽有の地獄絵図を体験しなければならない。だが政府官僚マスコミは原発推進という悪魔の既得権益が最悪を目指している。そのために今回は金持ちも貧乏人も古今未曽有の地獄絵図を体験することになる。山河は破壊するわけではない,貧乏人や弱者に必ずチヤンスがくると思えばよい。
04. 2014年2月04日 09:42:34 : BDDFeQHT6I
今日(3月4日)寄り付きで400円超の下落、14,000円割れ目前。
05. 2014年2月04日 10:09:54 : GCOMKaSltn
小沢信者の細川推しは正直いたいたしいよな。
あの老人は脱原発のワンフレーズのみで
他の政策は未知数で評価のしようがない。
日本破壊に一役買った小泉が支持しているだけでマイナス評価。
06. 2014年2月04日 11:00:23 : qCRXdmEp9o
即時、原発やめることは不可能に近い。
徐々に代替エネルギーに移行して
いく。政治はバランスが必要なのだ。
細川、小泉連合の原発政策は
私情の空論。
現実に原発の稼動がストップしてから
実に電気代が高くなっている。
それはなぜか。
火力発電に頼るしかないから
石炭、石油を大幅輸入しなければならぬ。
日本は敗戦国だから石油も市場の三倍の
価格で買っていることを決して忘れては
ならない。したがってそれは消費者に跳ね返る
ことになる。株式暴落は原発と何の関係もない。
細川、小泉が勝てばどうなるか。
それこそ、株安、円高、物価高、で
庶民は二重の苦しみを背負うことになる。
また、民主党のようにいい芽も詰んでしまう悪政が
来る。まあ、民度がどの程度か東京都知事選挙結果で
分かるからね。無知蒙昧の流砂の民、日本人には
しょせん、なにもわからんだろうな。
即時、原発0というのは高速道路無料化と
同じ、選挙対策の詐欺的手法だ。
07. 2014年2月04日 11:33:10 : YxpFguEt7k
藤原直哉氏
「東京電力株価、朝から6.4%下落。いよいよ終わりを市場は織り込み始めようとしている。」
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/430506205505544192
巨木が倒れる。そして倒木更新が始まる。
08. 2014年2月04日 12:00:44 : rrhrFN6JLd
06)即時、原発やめること不可能?今一基も原発動いてませんけど。江戸時代になったか?
沖縄電力は原発持ってないけど料金値上げもしていない。どう思う?
09. 2014年2月04日 13:33:14 : HDwovAiKsc
>>06さんは
ごちゃごちゃ言っても08さんの2行のコメントで轟沈。
10. 2014年2月04日 13:38:58 : glnvOURP8A
底が抜けそうな相場になっているね。
植草さんやあいば君の予見が当たりかけている。
日経は11,000円が実力とも言われているので、
そこまでは、上げ下げ繰り返し、行きそうだね。
海外勢の目は、安倍・舛添敗れたりなのだろう。
海外メディアの方が正確な情報が流れていて、
日経・読売・産経は嘘を流して、国民の財産没収を喚起している。
11. 2014年2月04日 16:53:22 : 7wPuEGDugo
610円の下落 その後の先物では踏ん張ってるみたいだがw
12. 2014年2月04日 18:17:04 : 7a485pUwzQ
カネが行ったり来たりで右往左往の株と国債。
その内ころん(Cologne)で、オーイデ・コロン。(意味はない)
各国の紙幣、金貨は液体化している。
流れる前に正気に戻れる人でも手遅れだ。
液体は気化して消えてしまふ。
持たない人も喜んではいけない。
付けはあなたたちにも降りかかる。
いつまで、こんなことを繰り返すのか・・
バーチャル(偽りの世界)は否定して、現物の世界で暮らそうじゃないか。
騙したり、犠牲の上にしか富を築けない世界は異常である。
(身体と心に)健康的な経済社会こそ人類の到達点である。
13. 2014年2月04日 19:13:07 : hpBDlhESAg
600円超の大幅下落だけど、夕方のニュース(テレビ朝日)ではさらっと流していたね。
もちろん、アベノミクスの危機的な視点はなし。80-90年代だったら、大騒ぎしていたのに、いまのテレビには、安倍様に睨まれたらたまらんという意識でもあるのでしょう。
でも、いい傾向。もっと下がって、株式市場が大騒ぎになれば面白い。
一方で、トヨタ、日立は空前の営業利益だとか。ふん。
14. 2014年2月04日 21:24:41 : 5y33NEKSuQ
11000まで落ちれば満足、円は80くらいがいい。
株してる方々すみません。
15. 2014年2月05日 00:36:35 : XEfI92UWuw
世界大恐慌から、どのような流れで大戦に至ったのか
もう一度調べよう…