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Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
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上り坂の走りを研究して、臀部やハムストリングスを強化。 退任の駒大・大八木監督

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 神野は、復路の布陣について「駒澤、青学、國學院は完璧なオーダーは組めず。中央の区間エントリーの万全さが際立つ」とコメントした。

<9区・区間記録=23・1キロ>
1 岸本大紀(青学大4年)1時間7分27秒

「魂の走り!!!!」「泣かされました」「流石としか言いようがない」と大反響。「岸本先生」

大八木弘明監督(64)はレース後の会見が終了した後、「私事ですが…」と自ら切り出し、「今年で監督を退きます。3月で終わりです」と表明した。後任は藤田敦史コーチで、大八木監督は「今年の3月までだけど、明日から藤田に」と説明した。

 

 

駒沢大の勝因は「名勝負をおぜん立てした」1区の好走

 駒沢大の1~10区走者の区間順位を並べると、2日の往路が「2、3、2、3、4」で復路が「1、5、4、3、2」となる。区間賞に輝いたのは、6区山下りの伊藤蒼唯(1年)だけだったが、全員が区間5位以内にまとめた。今大会は、駅伝の実績豊富な花尾恭輔(3年)や大型新人の佐藤圭汰(1年)ら、一部の主力を起用できずに終わった。エースの田沢廉(4年)も12月上旬にコロナウイルスに感染し、調整不足で今大会に臨んだと往路のレース後に打ち明けた。失速して区間下位に沈む選手が1人や2人出ても不思議はない状況だったが、見事に乗り越えた。

1区の円健介(4年)がトップと9秒差の2位に入り、好位置で田沢にたすきをつないだことを、勝因の一つに挙げたい。田沢が、ライバル・青山学院大の近藤幸太郎(4年)や中央大の吉居大和(3年)ら各校のエースと対戦した「花の2区」は今大会のハイライトになった。そこで、田沢が不十分な体調ながら名勝負を演じ、チーム順位をトップと3秒差の2位でまとめられたのは、1区で円がいいおぜん立てをしたからこそ、ではなかったか。

 2区までのレース展開は、チーム全体が「いけるぞ」という手ごたえをつかむのに十分だった。いい雰囲気の中、ライバルの青山学院大が失速した「箱根の山」の5、6区で1年生コンビが活躍し、勝利をたぐり寄せた。

■強力な先輩たちでも越えられなかった難関

 史上5校目の「大学駅伝3冠」チームになった駒沢大。10月の出雲、11月の全日本、正月の箱根の3大会を通じて、今季のチームにはミスがなかった印象がある。

 3大会に全部勝つのは、至難の業だ。母校・青山学院大は私が2年生の時、林奎介さんや森田歩希さんら強力な4年生を中心に出雲と全日本を制したが、2017年正月の箱根駅伝では東海大に敗れて3冠に届かなかった。「あの先輩たちの世代でも達成できないのか」と、壁の高さを思い知らされた。3か月あまりのうちに開催される区間数も走行距離も違う3大会すべてに勝ち切る調整に成功しないと、好選手をそろえたチームでも達成できない。

 それを成し遂げた駒沢大には、脱帽するばかりだ。

■エース吉居の中央大復活、青山学院大は連覇ならず

 中央大が2位に入り、最多優勝14度を誇る名門の復活を印象づけた。今大会のチームは、エース・吉居大和の成長とともに力をつけてきた感がある。その吉居が2区の激闘を制して区間賞を勝ち取った勢いが、周りの選手を勇気づけ、大会中にもう一段、チーム全体がステップアップした。

 3位・青山学院大は5、6区の「山」で失速し、連覇ならず。豊富な選手層を誇ってきたチームだが、山に体調不良の選手が出たときに、その穴を埋める駒が足りなかった。ただ、2区・近藤の区間2位の奮闘は見事だったし、復路終盤の追い上げで激しい3位争いを制してチームの意地は示してくれた。

 4位・国学院大は「4本柱」の一角の中西大翔主将(4年)を起用できず、優勝争いに絡むまでには至らなかった。5位・順天堂大も戦力的には2位の中央大に劣らないチームだったが、伸び悩んだ。しかしアンカー・西沢侑真(4年)の区間賞には主将の意地をみた思いだ。早稲田大が予選会から6位に食い込んだのは見事で、名門復活の一歩になったのではないか。7位・法政大にも「駅伝力」を感じた。創価大は7区に回したエース葛西潤(4年)が区間賞を取り、8位で踏ん張った。

 城西大が9位で、5年ぶりのシード権獲得。往路5区で区間記録を更新した山本唯翔(3年)の快走を、チーム結果に結びつけた。10位でシード権を死守した東洋大には、伝統校の底力を感じる。11位・東京国際大は4区のビンセントが驚異的な区間記録で盛り上げたが、シード権を手放した。12位・明治大も1区と7区の2人区間賞を生かしきれず、予選会に回った。

 沿道を埋めたファンが応援する光景が、今大会は3年ぶりに復活した。一人の箱根駅伝経験者として、うれしかった。

 次回の箱根駅伝は100回目と、歴史の節目を迎える。関東以外のチームにも出場チャンスが用意され、新しい形で開催される大会だ。今大会で大舞台を経験した1~3年生の選手たちを中心に、さらにレベルアップした大学駅伝を見せてくれるのではないか。早くも今から、楽しみでならない。(談)

かんばやし・ゆうた 1998年、神奈川県川崎市出身。九州学院高(熊本)から青学大に進学。3年時に出雲4区と箱根9区で区間賞。主将になった4年時の全日本大学駅伝も7区で5人抜きを演じ、留学生らを抑えた。最後の箱根駅伝は大会直前に判明した疲労骨折で欠場し、9区で給水員を務めた。2021年に大学を卒業。大手ビール会社の営業マンを経て、現在は長距離走の普及や競技会運営などを手掛ける「1milegroup」社に勤務している。


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