Quantcast
Channel: 丹沢最高峰 蛭ケ岳1673回超えを目指して 
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2772

原子力ムラの無責任な人びとは,道徳だとか倫理だとかは無縁の世界に存在している。

$
0
0
九州電力の川内原発がすでに営業運転に入り,関西電力の高浜3・4号機と四国電力の伊方3号機には原子力規制委員会の許可が出た。さらに東京電力の柏崎刈羽6・7号機や中部電力の浜岡3・4号機など計20基が目白押しで審査を待っている。

電車が脱線・転覆事故などを起こして100名単位で死者を出すことは,日本でも過去になんども発生してきたし,他国でもときたま起きてきた。鉄道事故であれなんの事故であれ,起きてほしくないのが事故であるが,どうしても起きてしまうのが,工学的・社会技術的な現実である。原発は,毎日世界中を走行している電車の数に比べればはるかに少ない基数しか存在しない。けれども,これが今後において一度だけでも核惨事を発生させるとなれば,三度,地球そのものの一部分を決定的に破壊する結果を招来させる。

 チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)および東電福島第1原発事故(2011年3月11日)はその実例であった。これからどの国の・どの原発であっても,絶対に事故は起こしてはならない。だが,原発事故が将来において「絶対に起きないと保証できる者」は,誰1人としていない。

 すなわち,原発という装置・機械に「事故が起きない」と絶対に保証できる理由・事情は,技術の問題に対する現実的な認識のあり方としては,どこにも・なにも与えられていない。そういうことである。それよりも,いつか・どこかで,過去において旧ソ連や日本で起きたような深甚かつ重大な原発事故が起きないとも限らない。その種の原発事故が発生することを,勝手に決めつけて「想定外」にくくっておくことはできない。しかし,奇想天外であったその「想定外」だとされた「技術思想」が,「3・11」までのこの国では大手を振って伸し歩いていた。

 このところ,地震の多発地帯であるトルコまでが原発を導入する計画が本決まりになっていた。


安倍晋三は,政治家個人としての資質をみるかぎり,食言など平然と繰りかえしてきた。それにくわえて,事実誤認や知識不足(一般教養の欠如・剥落)になるデタラメ発言なども,平気で反復する性癖ももちあわせている。

今後も原発を使うのなら,同一原発敷地内で古い原子炉を廃棄し最新鋭の原子炉に置き換えること(リプレース)が,責任ある立場というものだ。

安倍晋三政権にあっては,半世紀・1世紀先をみこしたエネルギー政策がない。

政治家にとってはつぎの選挙が,官僚にとってはつぎのポストが,最大の関心事である。したがってそれに有利になるように,視野が目先の2~3年に限られるきらいがある。だがそれでは20年先,30年先を見据えなければ策定できない的確なエネルギー政策を生み出すことはできない。

ドイツの原発廃棄が最上の選択であったかどうかも含めて,日本のエネルギー構成を今後どのように検討していくのかについて,なぜ,もっと真摯にまともに考えて応えようとしないのか。まったくふまじめだといっていいような政治姿勢しか,いまの安倍晋三政権はみせていない。自民党内でただ1人,原発問題にウルサかった河野太郎は最近,「国家公安委員長兼消費者及び食品安全担当大臣兼規制改革担当大臣兼防災担当大臣」という大臣職をあてがわれて,原発問題にはそれほど発言しなくなっている(口にフタをされている状態)。

原子力ムラ的に蝟集する利害関係者集団は,すべてが「原発問題に関するグレシャムの法則」にとりつかれている。この法則をみずから呼びこんでいる自分たち自身,そして原発の政策とその執行に不可避で固有である「負的な問題性」は,これに気づいていても,あえて目をつむり,みないようにしている。

 それにしてもなぜ,そこまで原発にこだわりたいのか不思議である。軍事面の利用を関連づけるにしても,目付役がいて自由にはならない。高速増殖炉も不全の停止状態に留めおかれていて,使用済み核燃料の再処理は見通しすらつかない。使用済み核燃料をそのまま処理する方法にしても,完備された対処法を十全に準備できていない。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所の安全性をめぐり,地元新潟県の泉田裕彦知事と東電の溝が埋まらない。背景には東電が同県に電力を供給していないため,徹底して安全性を追求できる新潟県特有の構図がある。

プルトニウムを普通の原発で再利用する「プルサーマル」が計画通り進まない可能性も考慮し,在庫量削減のための代替処分方法を早急に検討すべきだ。具体的には地層処分の技術開発や,海外への処分委託,プルトニウム処分の国際協力プログラムを立ち上げるといった案が考えられる。

アーニー・ガンダーセンは「福島第1原発廃炉に100年と60兆円費用がかかる」と指摘している。
 補注)本ブログ筆者も同じような主張(批判)をなんどもしてきた。その道の専門家も,あまりにも当然であるかのように語っている。福島原発事故現場の収拾のために必要な時間は「半世紀どころか1世紀」にもなると指摘している。

 a) 核分裂後のメルトダウン燃料の破片は,物理的に5年間は高熱を発する。3機の格納容器は完全に穴が開いており,それぞれの原発は絶えず地下水系に直接的に接触しており,設計者も技術者もこのような事態を原子炉で想定してない。原子炉本体は完全な停止状態には至っていない。核分裂後のメルトダウン燃料の破片は,物理的に5年間は高熱を発する。

 b) 原子炉3基の格納容器は完全に穴が開いており,それぞれの原発は絶えず地下水に直接的に接触しており,環境汚染や住民の影響などお構いなしである。福島第1原発は毎日300トンの汚染水が排出されており,排出される汚染水には終わりない。福島第1メルトダウン後,1500日〔今日は2016年1月26日になっているから,1780日ほどになるが〕以上経過している。

 c) 毎日タンクローリー車50台分汚染水が排水される。タンクローリー車23,000台分の汚染水が太平洋に漏れ出ている。東電がおこなっていることは,4年間〔5年間近くも〕,水が注ぎっぱなしになっているバスタブから溢れてくる水を,別バスタブ用意し溜めこんでいるのと同じであり,真の解決策は元凶の地下水を止めることである。

 d) 地下水系専門家は,東電と日本政府に対して地下水問題は,既存の確立された技術で解決することを助言してきた。だが,日本政府と東電はこうした専門家の意見には耳を貸さず,東電は地下水問題解決のため凍結遮断壁構築を進めている。だが,おそらく失敗に終わるだろう。

完全にメルトダウン(溶融)した福島第1原発の3基は,チェルノブイリ原発事故(こちらは1基)よりひどい事故の状況に陥っている。つまり,チャイナ・シンドロームを起こしている。地中にまで溶け出したデブリが地下水汚染の原因であるが,いまだに解決の見通しすらつかない状態がつづいている。

福島第1原発の場合,メルトダウンした核燃料コアがどのような状態にあるか,まだ誰も正確には把握できていない。メルトダウンを起こした3基の原発の核燃料コアは地下水系と接触を起こし,山側から流れてきた地下水は,核燃料コアと接触を起こすことで汚染され汚染水に変わっている。 汚染水問題により福島第1廃炉は,チェルノブイリ廃炉に比べ100倍も複雑性を増しており,費用も100倍かかる。福島第1廃炉費用は5000億ドルはかかるだろう。

ウクライナ政府はチェルノブイリ原発の廃炉には100年かかるとし,日本政府と東電は廃炉は30年で済むとしている。廃炉にどれだけの歳月と費用がかかるかは,最終的に科学的問題より政治的問題であって,廃炉事業にどれだけの予算投じるかによって決定される。

電力会社は休止状態原発のためだけに,数百億ドルもの費用を銀行から借り受け賄っており,福島第1廃炉以前の問題として,費用増大により廃炉事業の費用調達を難しくしている。莫大な貸付金保証とし,銀行は休止中原発早期再稼働をめざしている。銀行は議会に対して原発再稼働するように物凄い圧力かけている。

 g) 以上のまとめ(おさらい)

 1 日本人はまず,福島第1廃炉を30年で終えることは不可能であり,100年超はかかるということを自覚するべきである。

 2 福島第1から流出するプルトニウムを含む汚染水は,今後数十年間に渡って継続する。地下水の浸食は止まらない。

 3 福島第1で生じるダンプで数十万台分に相当する核廃棄物は,最終的には日本のどこかに最終処分場を構築して保管する必要がある。

 4 福島第1で働く数千名の若い作業員は,高い放射線被爆を受けることになるだろう。

 5 福島第1廃炉費用は,最終的には60兆円(5000億ドル)程度になるだろう。

 6 最後に,福島第1からとり除かれた核燃料コアなどの高濃度放射線廃棄物の最終処分場を日本国内でみつけることは不可能である。汚染ははてしなくつづいていく。

 --このような指摘が虚構の分析ではなく,事実に関する専門家の説明だとすれば,鈴木達次郎が「3つのポイント 」として整理したつぎの事項は,たとえていえば「泥棒を捕らえて縄を綯う」よりも,このさらに「以前の段階」における発言内容でしかない。

 「原発の是非によらず解決すべき課題多い」という「最初(第1番目)のいいぶん」などは,これが《おとぼけ》でなければ,多分〈恍惚的な感想の文句〉である。

  ○ 原発の是非によらず解決すべき課題多い
  ○ 政策決定過程への民意反映の仕組が必要
  ○ 国内のプルトニウム在庫量の削減検討を
 
東電福島第1原発大事故の後始末に関していえば,金銭的にそれを最終局面で負担しつづけているのは「国民・市民(電力利用者のみならず全国の人びと)」である「われわれの立場」である。原子力ムラの無責任な人びとは,道徳だとか倫理だとかは無縁の世界に存在している。

日本やフランスは,原発の使用済み燃料を再処理し,そのなかからプルトニウムを抽出,再度原発で燃料として使用する「核燃料サイクル」の構築をめざしている。このため,核燃料の再処理工場や高速増殖炉など,さまざまな付帯設備を開発する必要がある。

 だが,プルトニウムの取扱いや高速増殖炉の運転には危険が伴うため,商業ベースに乗せるためには,相当の技術開発を重ねる必要がある。現在,日本では青森県六ヶ所村に再処理施設を建設中だが相次ぐトラブルで操業開始が延期となっているほか,高速増殖炉「もんじゅ」は運転を停止したままとなっている。再処理後に出てくる高レベル放射性廃棄物の最終処分場もまだ決まっていない。

 それらの開発には何兆円もの国費が投入されており,簡単には撤退できない状況に追い込まれている。日本の原子力業界がなんとしても再稼働を急ぎたい背景には,そのような事情もある。

高レベル放射性廃棄物は温度や放射能が下がるまで数万年~10万年保管する必要があり,処分場は地盤や地下水が長期間安定していることが求められる。海底の地下を含む沿岸部は,一般に地下水の流れが緩やかとされ,廃棄物の陸上での輸送が短くてすむが,経産省の担当者は「あくまでワン・オブ・ゼムの選択肢」と強調する。

 国はなぜ最終処分場を造らなければならないのかを国民にていねいに説明していない。そこからあらためるべきではないか。現状では,多くの国民がしらないまま,財政難の自治体に,国がお金と引き換えに押しつけて終わりになる恐れがある。

原発で使われた核燃料(使用済み核燃料)を再処理して出る廃液で,日本ではガラスで固めて金属容器に入れた「ガラス固化体」(高さ約1.3メートル,重さ約500キロ)にして処分する。これまで国内で使われた核燃料をすべて再処理すると,約2万5千本に相当する。再処理された一部が青森県六ケ所村と茨城県東海村の再処理施設で貯蔵保管されている。







Viewing all articles
Browse latest Browse all 2772

Trending Articles